投資信託・ETF・個別株の違いとは?はじめての人向けに紹介

投資・資産運用

僕が投資をこれから始めた際の、壁は「名前は知ってるのに、自分で選べるほどは分からない」というもやもやでした。この記事では、投資信託・ETF・個別株仕組み・買い方・コスト・リスク・税金・始め方までを紹介します。この記事の紹介する投資スタイルは長期・分散・低コストです。派手さはないけど、時間を味方につけられるやり方です。

入口で迷わないための全体地図

まずは全体の理解から。

投資信託は、運用のプロが中身を組んでくれる“詰め合わせ”。一本でいろんな資産に分散できるのがいいところ。

ETFは、その“詰め合わせ”が取引所に上場しているイメージ。株のようにその場で売買できます。

個別株は、特定の企業をピンポイントで応援するやり方。上も下もダイレクトに来ます。

投資信託、ETF、個別株それぞれの仕組み

投資信託、“詰め合わせ”の安心感

投信は、みんなのお金を集めて運用会社のプロが分散投資してくれる商品。中身は日本株、米国株、新興国株、債券、REIT(不動産投資信託)などさまざま。一本で世界に広げられるので、最初の一歩にちょうどいい商品です。

  • インデックス型:日経平均やS&P500などの指数に連動を目指す。低コストが魅力で、僕も土台づくりはここから始めました。
  • アクティブ型:指数超えを狙って銘柄選別。うまくいけば光るけれど、コストは高めで当たり外れも。

プロが運用してくれますが、アクティブ型の方が勝率は低いのが現実です。

投信の良さは、100円からの積立自動再投資など“仕組み化”しやすいこと。注意点は信託報酬。目に見えないけど毎日じわっと差し引かれます。長く持つほど効いてくるので、低コスト重視は合言葉にしておきましょう。

以下の書籍も是非参考にしてみてください。

ETF、“売買のしやすさ”が加わった投信

ETFは投信の一種ですが、取引所で株のようにリアルタイム売買できます。連動する指数や中身が明快で透明性が高いのも良いところ。

理解のコツは価格が二つあるという点。

  • 中身の理論値=基準価額(NAV)
  • 板で付く実売価格=市場価格

需給が偏ると、NAVと市場価格にズレ(価格乖離)が生まれます。だからETFは、成行より指値が基本。落ち着いて“この価格なら買っていい”を自分で決める習慣が、長い目で見ると効いてきます。

自動で再投資もできないため、ややこしいので僕はわかりやすく放置しやすい投資信託で積立投資するのが良いと思っています。

個別株、企業のストーリーに乗る

個別株は、特定の企業に直接ベットするやり方。リターンの源泉は株価の値上がり(キャピタルゲイン)と配当(インカムゲイン)。株主優待や議決権もあります。決算や新製品、ニュースにダイレクトに反応するので、ブレも大きい。うまくいけば指数を大きく上回ることもあるけど、当然逆もあります。

僕の場合は、コア(投信・ETF)+サテライト(個別株)という組み合わせです。個別株の方は日本の高配当株が中心で、「今」の収入を増やすために安定的に配当金がもらえる高配当株を持っています。

米国の高配当株はETFを購入して、メンテナンスフリーの状態で配当金だけを受け取るスタイルです。

取引について:どこで・いつ・いくらで

  • 投資信託は、証券会社や銀行、ネット証券で購入。価格は1日1回の基準価額で決まります(注文時は未確定の“ブラインド方式”)。
  • ETF・個別株は、取引所でリアルタイム売買。指値・成行・逆指値など注文方法を使い分けます。

最低いくらから?(目安)

  • 投資信託:100円〜積立OK
  • ETF:1口数千〜数万円(銘柄次第)
  • 個別株:単元株は数万円〜。単元未満株(1株)対応なら少額からも

コストは“毎年こっそり効く”、数字で体感

投資の成功を左右するのは、目立たないけれどコストです。

100万円を20年、相場の追い風で年5%伸びると仮定すると——

  • 年0.10%のコスト → 実質4.90% → 将来値 約260万円
  • 年0.60%のコスト → 実質4.40% → 将来値 約236万円

たった0.5%差で約24万円の開き。しかもこれは複利がかかる土台の差なので、年を重ねるほど広がります。投信なら信託報酬、ETFなら経費率に加えてスプレッド(板の買い気配/売り気配の差)もコストの一部。指数に忠実(トラッキングエラー小)×低コストにこだわると、将来の自分が助かります。

手数料の安さは重要です。こちらの書籍も是非参考にしてください。

税金と制度をざっくり把握(NISA / iDeCo)

  • 課税の基本:売却益・配当には原則税金がかかります。特定口座(源泉徴収あり)を選べば、証券会社が計算・納税までお世話してくれるので実務がラク。損益通算(同じ課税区分内で利益と損失を相殺)も覚えておくと年末に効きます。
  • NISA非課税で保有できる枠。
    • つみたて投資枠:基準を満たす低コスト投信が中心。まずはここで土台づくり。
    • 成長投資枠:個別株・ETF・投信など幅広く。余力が出たら“スパイス”として。
  • iDeCo:掛金が所得控除で節税メリットが大。ただし原則60歳まで引き出せない。→ 使い分けは、流動性重視ならNISAが先、余力でiDeCoが現実的。(細目・数値は変わる可能性があるので、最終確認は必ず最新の公式情報で)

実践のステップ:証券会社選び → 初回設定 → 運用ルーティン

証券会社の見方(迷ったらここだけ)

  • 手数料(株・為替・投信販売)
  • 低コスト投信の品揃え積立の柔軟さ(毎日/毎週/毎月、ボーナス設定)
  • ETF・米国株の操作性(指値・逆指値・時間外)
  • アプリの使いやすさ(積立管理・損益表示)
  • ポイント還元(クレカ積立など)
  • 1株投資・NISA/iDeCoの手続きのしやすさ

初回設定

  1. 総合証券口座+NISA口座を開設
  2. つみたて投資枠低コスト・インデックス投信を登録し、毎月自動積立をON
  3. ETFは下落のタイミングで指値で少しずつ。最初は投資信託のみでも十分

運用ルーティン(続ける仕組みを先に作る)

  • 月1回:入金&積立の動作確認(相場は見なくてOK)
  • 年1回リバランスコストの棚卸し

海外投資の基礎、為替との付き合い方

海外に投資すると為替が乗ってきます。円安なら円換算で評価額が増え、円高なら減る。短期はノイズでも、長期では追い風にも逆風にもなり得ます。

  • 日本のインデックス投信:積立・自動再投資がラク。為替はファンド内で処理。
  • 海外ETF:経費率は低めが多い。リアルタイム売買&指値が使えるが、分配再投資は自分で。初心者はまず前者で慣れて、下落タイミングで高配当ETFなどを追加するのがおすすめ。

暴落時の行動マニュアル

相場は必ず上下します。焦らないために、平時に決めておくのがコツ。

  • 生活防衛資金(6〜12か月分)は別口座に避難
  • 目標配分(株/債券/現金)を紙に書いておく
  • やること:積立は止めない〇〇%下落で追加購入などルールを決めておく
  • やらないこと:SNSの一言で全力乗り換え/信用取引でナンピン/理由なき狼狽売り

「事前に決めたことだけやる」。これだけでだいぶ違います。

避けたい落とし穴

  • レバレッジ/インバースETF(短期前提。長期は減価しやすい)
  • 信用取引(まずは現物で感覚をつかんでから)
  • 一点集中(どんな“神銘柄”でも分散は最低限の保険)
  • テーマの追いかけすぎ(旬が過ぎると長い冬)

よくあるQ&A

Q:どれか1つに絞るべき?

A:併用が現実的。僕の場合は最初は投信のみ、余裕が出たら「投信で土台ETF個別株でタイミングをみて追加の高配当株」で併用しています。

Q:投資信託とETF、積立のどっちらがメイン?

A:積立は投資信託で自動積立がおすすめです。

Q:優待目当てはアリ?

A:楽しみとしては◎。ただし改悪・廃止の可能性はあるので、配当方針・業績も合わせて確認。優待はあくまでおまけとして考えましょう。

Q:毎日積立と毎月積立、どっちが得?

A:差は小さい。続けやすい方でOK。手数料や手間が増えない設定が良いです。僕は毎月積立です。

Q:債券や金は入れるべき?

A:僕は無くて良いと考えていますが、暴落時のメンタルのクッションには有効。株のブレがしんどいなら債券少量、インフレ耐性に金少量も。

Q:いつ始めればいい?

A:いつも“今”。天底は読めません。小さく始めて長く続けるのが最強です。

まとめ:今日からの一歩

  • 投資信託:分散・少額・自動積立。最初の一歩に最適
  • ETF低コスト×リアルタイム。高配当株などピンポイントで。
  • 個別株高リターンも高リスク資産の一部で学びと楽しみとして。最初は投資信託がおすすめ。
  • 制度:NISAを先に設計。余力が出たらiDeCo(流動性に注意)

最後に。僕のおすすめ投資スタイルは短距離走ではマラソンです。派手な一撃より、分散・長期・低コストという“地味だけど強い型”を仕組み化して淡々と回すこと。自動積立が、1年後・5年後・10年後の僕らをしっかり助けます。むりなく、でも止まらず。僕もコツコツ続けています。

※本記事は情報提供であり、特定商品の推奨ではありません。投資の判断は自己責任で行ってください。制度・税率は変わる可能性があるため、実行前に最新の公式情報をご確認ください。

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