今回は資産形成の基本、「新NISA」と「iDeCo」について解説します。
これから資産を増やしたい人にとってとても重要な武器になるので、ぜひ知ってほしい制度です。
じっくり読んでみてくださいね。
そもそもNISAやiDeCoってなに?

※非課税枠や対象商品に制限があります。ここの説明ではイメージしやすいように詳細は記載しません。
資産形成をするために、投資の力はかなり強力な武器になります。ただし、投資ででた利益には税金がかかります。投資にはいろいろな種類がありますが、NISAやiDeCoは投資信託などで得た利益が非課税になる魔法の口座です。
株式投資で出た利益には約20%の税金がかかります。例えば年間100万円の利益が出た場合、20万円も税金を納めなければいけません。
NISAもiDecoも税金がかからない魔法の口座だと思ってください。
これを10年続ければ200万円も差が出ます。税金がかからない仕組みがあるなら使わない手はないですよね。※あくまでシミュレーション例であり、実際の結果は異なります。
ここからはNISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)について紹介します。
新NISAの概要
新NISAは、2024年から大幅に制度が拡充された非課税投資制度です。
これまでのNISAと比べて、年間の投資上限枠が拡大され、より多くの資産形成ができるようになりました。
新NISAでは、投資枠が2つに分かれています。
1つ目は「積立投資枠」で、主に長期の積立に適した投資信託が対象です。
2つ目は「成長投資枠」で、株式やETFなど幅広い投資商品に投資できます。
これらの2つの枠を合わせると、年間最大360万円まで投資可能となりました。
また、生涯で投資できる合計額も最大1,800万円に拡大されており、長期にわたってじっくり資産形成ができるのが特徴です。
さらに、新NISAの非課税期間は無期限になり、利益にかかる税金がかからないため、投資で得た利益を効率よく増やせます。
このように新NISAは、投資初心者から経験者まで幅広い層が活用しやすい制度として注目されています。

iDeCoの概要
iDeCoは老後のための私的年金制度で、掛け金を自分で積み立て、運用し、60歳以降に受け取る仕組みです。
最大の特徴は「掛け金が全額所得控除される」ため、所得税や住民税が節税できること。
たとえば、年収500万円の人が毎月2万円積み立てると、年間約3万円以上の節税になることもあります。
さらに、運用益も非課税で、受け取るときも税制優遇があるため、トリプルでお得です。
ただし、基本的には60歳まで引き出せないので、長期の資産形成向きです。
NISAとの違いを分かりやすく以下の例で説明します。※分かりやすくするために厳密な数字ではありません。
あたなが月給50万円(税引き前)としましょう、手取りはそこから税金など20%引かれて手どはり40万円です。月々2万円積立投資しようとすると、手残りは38万円ですね。
NISAはこの40万円から株式や投資信託、ETFなどを購入します。
iDeCoは月給50万円から先に掛金を引くことができます。仮に月2万円投資するならあなたの月給は48万円として計算されます。そこに税金など20%かかるとすると手残りは38.4万円となります。年間の場合、4万8千円もお得ということです。
スタートの時点でこれだけ変わります。ただし、上に書いたようにiDeCoはあくまで「年金」です。原則60歳まで引き出すことができないので、いざという時に引き出せなくても生活が破綻しないぐらい余裕がある資金から拠出すると安心です。
新NISAとiDeCoの共通点と相違点
どちらも税制優遇がありますが、用途や特徴にかなり違いがあるのでまとめました。
項目 | 新NISA | iDeCo |
---|---|---|
目的 | 自由な投資で資産形成 | 老後資金づくり |
非課税対象 | 運用益(売却益・配当金) | 掛け金の所得控除+運用益非課税+受取時控除 |
年間投資上限 | 約360万円(2024年~) | 加入者の職業や年金制度の有無によって異なります |
引き出し可能時期 | いつでも可能 | 原則60歳以降 |
投資商品 | 株式、ETF、投資信託など多彩 | 投資信託中心 |
流動性 | 高い | 低い(長期拘束) |
新NISAとiDeCoの税制優遇を徹底比較
ここからはもっと細かく税制面でのメリットを比較します。

新NISAの税制メリット
- 運用益非課税:通常20.315%かかる税金がゼロ。
- 非課税期間の長期化:事実上、非課税期間が無期限化されたので、長く利益を非課税で運用可能。
- いつでも売買可能:利益確定も自由なので柔軟に資金管理できる。
iDeCoの税制メリット
- 掛け金が全額所得控除:所得税と住民税が減るので節税効果が即効。
- 運用益非課税:運用中の利益も非課税で再投資可能。
- 受取時の税優遇:「公的年金等控除」「退職所得控除」が適用され、税負担軽減。
非課税対象の違い
- 新NISAは「運用益」
- iDeCoは「掛け金」「運用益」「受取時」
新NISA・iDeCoのどちらを優先するべき?

よく質問される「どっちがいい?」問題。
ただこれに関してはその人によってどちらがいいか変わります。
節税効果としてはiDeCoの方が大きかもしれませんが、流動性が低いので僕はNISAから使っていました。5年以上投資を続けて資産も増えて万が一、金額が大きい出費があっても貯蓄で賄えますしどうしてもという時はNISAで運用している投資信託などを売却する方法もあるので、iDeCoの掛金を増やして将来に備えています。
そのあたりは投資をして知識がついてくればどちらを使うのが自分に合っているか判断できるようになると思います。
スタートの時は流動性の高いNISAから始めるのが個人的にはおすすめです。
投資はしたことがないけど、貯蓄がそこそこあってまとまった出費もそれで賄えそうという方は今後、貯蓄を追加する代わりにiDeCoにしても良いかもしれません。いづれにしても60歳まで引き出せないということはしっかり考慮しましょう。
新NISAとiDeCoの併用は可能?メリットと注意点
併用することはもちろん可能です。老後の資金がある程度目処が立ったら、今を楽しむために今の家計を楽にする手段も検討を始めます。
僕はやっとこの状態まで来ることができました。老後資金の心配はほぼなく、NISAの成長投資枠で国内の高配当株式を購入して、配当金をもらうことで今の生活の補助にしています。
S&P500などの投資信託は毎年必ず運用益が出るわけではなく、マイナスになっている年もあると思います。その点、高配当株式は購入タイミングを間違わなければ株式自体の価格も維持しつつ、毎年安定して配当金が分配されるので、ざっくりですが今年はいくら配当金がもらえそうか予想できます。
iDeCoではこういった運用はできませんので、NISAと併用すれば今も未来も税金面ではかなり有利です。

併用のメリット
- 両方の税制メリットが享受できる
- 資産の流動性と老後準備の両立ができる
- ポートフォリオの幅が広がる
効果的な併用例
- iDeCoで老後資金を安定的なインデックスファンドを積み立て
- 積立投資枠で老後資金を拡充
- 新NISAの成長投資枠を利用して高配株式やETFを購入、配当金をもらって今の生活も豊にする
注意点・デメリット
- iDeCoの資金は原則60歳まで引き出せないので、急な資金需要に対応しづらい。
- 両方の管理が煩雑になることもある。
- それぞれの手数料・信託報酬は必ずチェック
実際に新NISA・iDeCoを始める際のステップ

口座開設の流れ
- 証券会社または金融機関を選ぶ(ネット証券がおすすめ)
- 申込書の提出(本人確認書類、マイナンバー必要)
- 審査・口座開設完了を待つ
- 口座が開設されたら積立設定や投資商品を選択
投資商品の選び方
- リスク許容度や投資期間を考慮し、株式・債券・投資信託などをバランスよく組み合わせる。
- 低コストのインデックスファンドが初心者向けでおすすめ。
- ETFや個別株は慣れてきてから挑戦。
コストの重要性やインデックスファンドがなぜ良いのかは以下の書籍を参考にしてみてください。
僕もこの書籍を参考にしました。
積立金額の決め方・見直し
まずは無理のない金額からスタートしましょう。
収入の変化やライフイベントに合わせて定期的に見直すのが成功のコツです。僕は年に1回ぐらい見直しをしています。
よくある疑問
解約・変更について
新NISAはいつでも売買・変更可能ができますが、iDeCoは原則60歳まで解約不可です。例外はほぼありません。積立額変更は金融機関の規定により可能です。
受取時の税金・手続き
iDeCo受取時は一時金か年金か選べるが、税制優遇に違いがあります。税務署への申告や年金事務所への手続きが必要です。
新NISA・iDeCoの「デメリット」や利用時の注意点

制度変更リスク
- 将来的な制度改正で非課税枠や条件が変わる可能性あり。
- 変化に対応できる柔軟な資産配分が大切。
- ジュニアNISAは廃止されましたし、積立NISAは新NISAになりました。(新NISAは改善です)
手数料・信託報酬
- 長期間の積立では手数料の差が資産に大きく影響。
- 低コストの商品を選ぶのが鉄則。
元本割れリスク
- 投資商品によっては元本割れするリスクもあるため、十分な理解が必要。
- 分散投資や長期投資でリスクを抑える工夫を。
人生のライフイベント別の活用法
NISAで高確率で資産を増やそうと考えると、最低でも15年以上の投資期間を確保する必要があります。20代の若者であれば将来のための住宅購入資金や教育資金などにNISAを活用するのは良いです。
結婚や出産など、15年投資期間が取れなさそうなイベントには投資ではなく、貯蓄で蓄えておく方が無難です。
住宅購入
- 頭金準備に新NISAを活用し、流動性を重視するのがおすすめ。ただし最低15年は投資期間を取りたいところ。投資元本割れリスクがあることはしっかり理解して判断してください。
教育資金・老後資金
- 教育資金は新NISAで比較的短期で準備。
- 老後資金はiDeCoで長期積立。
ライフプランに合わせた見直し
- ライフステージの変化に応じて積立額や商品を変更。
よくある失敗事例や誤解Q&A

勘違い例
- 元本保証があると思っていた
- 投資はすぐに利益が出ると思った
- 税制優遇が永遠に続くと思い込んだ
- NISAやiDeCo自体が投資商品だと思っていた
継続が難しいときの対応
- 積立額を減らす、投資商品を見直す
- 一度ストップしても再開すればOK
失敗体験談
- 「慌ててリスクの高い商品に投資して損失」
- 「途中で挫折してしまったが、少額からでも続ければ良かった」
- 「暴落の時に怖くなって売ってしまって損失を確定させてしまった」
法改正や最新情報のキャッチアップ方法
最新動向のチェック
- 金融庁、厚労省の公式サイト
- 証券会社や金融機関のニュースレター
- 投資関連メディアや専門家のSNS
改正への備え方
- こまめに情報収集し、柔軟に対応できるポートフォリオを作る
- Youtubeやウェブ、SNSなどで情報収集を欠かさないようにする
まとめ:新NISA・iDeCoを上手に活用して賢く資産形成
新NISAとiDeCoはどちらも資産形成に強い味方です。
目的やライフスタイルに合わせて上手に選び、賢く活用することで、将来の安心と豊かさを作り出せます。
僕自身もまだまだ勉強中ですが、一緒にコツコツ続けていきましょう!