住宅ローン、保証料型?融資手数料型?どの種類を選ぶ?メリットとデメリットを解説!

マイホーム(中古住宅)

住宅を購入する際に大きな支えとなってくれるのが住宅ローンです。とはいうものの、住宅ローンにはいくつかの種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。住宅の購入は人生における大きな決断ですから、将来のことをしっかり考えて自分に合ったタイプの住宅ローンを選ぶことが大切です。そこで今回は、主な住宅ローンの種類とそれぞれのメリットとデメリット、契約者のタイプ別のおすすめの住宅ローンについて詳しく解説します。

保証料型の住宅ローンとは

保証型住宅ローンは、住宅ローンの契約者が返済できなくなった場合の担保として、あらかじめ保証会社に保証金を納めるタイプの住宅ローンです。元々あった住宅ローンの仕組みなので、メガバンクや地方銀行など昔からある金融機関の住宅ローンで多く採用されています。保証料を支払わなければならない理由は、契約者が仮に何らかの事情でローンを支払えなくなった場合に保証会社が代わりに金融機関への返済を行うことになるからです。

住宅ローンを契約する際に保証人を立てる必要がないケースが多いのは、保証会社がその役割を果たしているからです。とはいっても、当然のことながら契約者は保証金を支払うことでローンの返済義務がなくなるわけではありません。契約者がローンを支払えなくなった場合、契約者はローンを組んだ金融機関ではなく、保証会社に対して返済を行わなければならなくなるということです。

保証型住宅ローンには一括前払い型と金利上乗せ型があります。一括前払い型は外枠方式とも呼ばれています。金融機関でローンを組む際、借り入れ時に一括で保証金を支払う方法です。そのため、一括前払い型でローンを組む際にはあらかじめまとまった資金を用意しなければなりません。保証料は保証会社や借り入れ額、借り入れ期間などによって金額が異なりますが、借り入れ期間が30年であれば借り入れ金額の約2%が相場だといわれています。一般的には借り入れ期間が短い方が保証料は安くなります。

一方、金利上乗せ型は保証料を借り入れ時に支払うのではなく、毎月の住宅ローンの金利に上乗せする方式です。内枠方式とも呼ばれています。一般的には金利に0.2%が上乗せされることが多いです。たとえば、変動金利で金利0.5%のときにローンを組んだ場合、保証料率0.2%を上乗せした0.7%が金利となります。もしもその後に金利が1%に上昇すれば、それに0.2%を上乗せした1.2%が金利となります。

融資手数料型の住宅ローンとは

融資手数料型の住宅ローンとは、保証料がない代わりにローンを組む金融機関に手数料を支払う方式です。手数料は契約を結んだときに支払います。融資手数料は金融機関によっては融資事務手数料や事務取扱手数料と呼ばれることもあります。融資手数料型住宅ローンの場合、融資を回収できなくなった際のリスクを負うのは金融機関自身です。そのため、融資手数料型は保証料型よりもローン申請の際の審査が厳しい傾向にあります。融資手数料型の住宅ローンでは住宅金融支援機構のフラット35がよく知られています。ほかにも、ネット専業銀行の住宅ローンや各銀行のネット専用住宅ローンで多く見られる方式です。

融資手数料型には定額型と定率型の2種類があります。定額型はあらかじめ決められた金額を手数料として支払う方式です。一般的には税込で3万3000円や5万5000円といった金額に設定されていることが多いです。定額型は初期費用が少なくても借り入れできるプランですが、金利が定率型よりも0.1~0.3%ほど高く設定されています。そのため、毎月の支払金額が高くなり、最終的な総支払額も高くなる傾向にあります。とはいうものの、長期間の借り入れではない場合には魅力的なプランだといえるでしょう。

一方、定率型は住宅ローンの借り入れ金額に一定の利率を掛けた金額を手数料として支払う方式です。そのため、借り入れ金額が高ければ高いほど手数料も高額になります。手数料率は2.2%が一般的です。たとえば、借り入れ金額が2000万円であれば手数料は44万円に、借り入れ金額が3000万円であれば手数料は66万円になります。このように定率型では契約の際に初期費用としてまとまった金額を支払わなければなりませんが、金利は定額型よりも低く設定されています。そのため、月々の支払額や総支払額は定額型よりも少なくなるのが特徴です。

保証料型と融資手数料型の比較

保証料型のメリットとしてまず挙げられるのは、保証料型は借り入れ期間が短い場合、支払う保証料を安く抑えられるということです。保証料の額は金融機関などによって異なりますが、一般的に保証料は借り入れ期間が長ければ長いほど高くなります。その逆に、長期の借り入れ期間を考えている場合には保証料が割高になってしまうことが保証料型のデメリットです。また、保証型の中でも一括前払い型の場合、繰り上げ返済をすると保証料の一部が戻ってくるというメリットがあることを忘れてはなりません。

この戻ってくる保証料を戻し保証料と呼びます。戻し保証料は借り換えや買い換えのためにローンを一括返済した場合にも適用されます。ただし、注意するべきポイントは、戻し保証料は必ずしも支払った保証料を借り入れ年月で均等に割った金額ではないということです。たとえば、保証料として60万円を支払い、30年で返済のところを15年で返済したからといって30万円が返ってくるわけではありません。実際はそれよりも少ない金額になります。

金利上乗せ型のメリットは、住宅ローン契約時の初期費用を抑えられるということです。保証料を前払いではなく、毎月の金利に上乗せすることができるので、ローン契約時にあらかじめまとまった資金を用意しておく必要はありません。その一方、金利上乗せ型は金利が高くなってしまうというデメリットがあります。そのため、借り入れ期間が長いと総返済額が他のプランよりも高くなってしまいます。

融資手数料型にも定額型と定率型の2種類があります。定額型のメリットは金利上乗せ型と同じように契約時の初期費用を抑えられることです。その一方、金利が高くなるので、月々の支払額や総支払額は高くなります。一方、定率型のメリットは月々の返済額を抑えられるということです。なぜなら、定率型では最初にまとまった金額の手数料を支払う代わりに金利が低く設定されているからです。金利が低く設定されていれば、毎月支払う返済額が少なくなります。その結果、総支払額が保証料型よりも少なくなるわけです。

たとえば、3000万円を借り入れたとして返済期間が35年、金利が変動しないとしましょう。その場合、金利が1.2%であれば毎月の返済額は8万7510円、総支払額は3675万4301円です。一方、金利が1%であれば毎月の返済額は8万4685円、総支払額は3556万7804円になります。金利が0.2%違うと毎月の返済額の差はわずか2825円ですが、総支払額では118万6497円もの差が出てくるのです。ただし、融資手数料型では繰り上げ返済を行った場合でも契約時に支払った手数料が戻ってくることはありません。

自分に合ってるのはどっち?

自分に向いているプランを選ぶために考えるべきポイントは、初期費用の有無と借り入れ額、借り入れ期間の長さです。たとえば、借り入れ期間が短く、繰り上げ返済を積極的に行っていく予定の人は保証料型の一括前払い型が向いています。なぜなら、保証料は借り入れ期間が短ければ短いほど安くなりますし、一括前払い型では繰り上げ返済を行うと支払った保証料の一部が戻ってくるからです。とりわけ、住み替え前の自宅の売却金や退職金といったまとまった金額が今後入ってくるので、その分を繰り上げ返済に充てられるという人は一括前払い型のプランを検討してみましょう。

まとまった自己資金が用意できていない人や初期費用をなるだけ抑えたい人は、保証料型の金利上乗せ型や融資手数料型の定額型が向いています。住宅を購入する際にかかる費用は住宅ローンだけではありません。登記費用や仲介手数料、引っ越しのための費用などもかかります。そうしたことを考えると、保証料や手数料を金利に上乗せすることは必ずしも悪い選択になるわけではありません。また、金利上乗せ型の場合は一括前払い型と違って繰り上げ返済をしたからといって何かメリットがあるわけではありません。しかし、一括前払い型と同じく保証料は借り入れ期間が短ければ短いほど安くなります。そのため、借り入れ期間が短い人も保証料型のメリットを享受できるでしょう。

ある程度まとまった初期費用が用意できて、長期の借り入れ期間を予定している人は融資手数料型の定率型が向いています。なぜなら、融資手数料型の定率型は保証料型や融資手数料型の定額型よりも金利が低く設定されているからです。繰り上げ返済を行う予定がない場合、長期間の借り入れであれば融資手数料型の定率型がもっとも総返済額を少なく抑えられます。また、借り入れ期間が長くなれば長くなるほど割高になる保証料とは異なり、融資手数料にはそのような変動はありません。そのため、借り入れ期間が長いことのデメリットがないというのも融資手数料型の大きな特徴です。住宅ローンを借り換える予定がない人も融資手数料型に向いているといえるでしょう。

ただし、実際に借り入れ期間が何年以上であれば保証料型よりも総返済額が少なくなるのかは、金融機関や住宅ローンのプラン、借り入れ条件などによって異なります。融資手数料型を検討している人は事前にいくつかの金融機関や住宅ローンのホームページなどでよくシミュレーションしておくことが大切です。

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