住宅ローンの残り年数が
「あと5年」「あと10年」くらいになると、
こんなことで悩みませんか?
- 今さら借り換えても、もう遅い?
- 金利が下がっても、費用負けしそうで怖い
- 月々は下がりそうだけど、本当に得なのか分からない
僕自身もそうでしたが、残り年数が短いと、借り換えは一気に判断が難しくなります。
ネットでは「残り10年ならOK」「5年はやめよう」といった意見も見かけますが、
実際は年数だけで一律に決められるものではありません。
ポイントは
借り換えで減る利息が、諸費用を回収できるかどうか
この記事では、
- 残り5年・10年で借り換えが厳しくなる理由
- それでも成立する“例外条件”
- 月々が下がっても損してしまう典型パターン
- 借り換え以外の現実的な選択肢
を、数字ベースで判断できるように整理しています。
「やったほうがいいのか」「今回は見送るべきか」を感覚ではなく、納得して決めたい人のための記事です。
読み終えるころには、次に何をすべきかがハッキリ分かる状態になっているはずです。
※本記事で示している金利差や残高の数値は、一般的な目安です。
実際に得になるかどうかは、必ず諸費用込みで個別に試算してください。
残り年数が短いほど「諸費用回収」が難しくなる

住宅ローンの借り換えは「残り年数が短いほど不利」になりやすいです。
理由はシンプルで、金利差によるメリットを回収できる時間が短くなるから。
特に「残り5年」「残り10年」のケースでは、金利が下がること自体よりも「諸費用を回収できるか」が判断のすべてになります。
残り年数が短い=利息差で稼げる期間が少ない
借り換えのメリットは、基本的にこの式で決まります。
今後減る利息 − 借り換え諸費用
残り年数が20年以上あれば、金利差0.3%でも長期間にわたって利息差を積み上げられます。
一方で、
- 残り5年
- 残り10年
の場合は、そもそも「積み上げる期間」が短いため、金利が下がっても、思ったほど利息は減りません。
だから最優先は「差額 − 諸費用 > 0」を確認すること
残り年数が短い人ほど、「金利が下がるかどうか」よりも、次の一点が重要です。
諸費用を含めて、最終的にプラスになるか?
ありがちな失敗は、
- 毎月の返済額が下がった
- 金利が◯%下がった
という「途中経過」だけを見て判断すること。
でも本当に見るべきなのは、
- 諸費用(事務手数料・保証料・登記費用など)
- 残り年数で回収できる利息差
この2つを必ず合算した結果です。
最終判断はシミュレーションで
ここまでの話をまとめると、
- 残り年数が短いほど不利になりやすい
- ただし「絶対にNG」ではなく、数字次第
- 判断は感覚ではなく、試算で決める
ということ。
残り年数は、
- 借り換えシミュレーションにおける「前提条件」にすぎません。
だからこそ、
- 残り5年
- 残り10年
いずれの場合でも、
諸費用込みでシミュレーションして、数字を出してから判断してください。
残り年数の確認方法と、結論がブレる「3つの前提」

残り年数を正しく把握できていないと、借り換えシミュレーションの結論は簡単にズレます。
このセクションでは、
- 残り年数の正しい確認方法
- 比較条件が変わってしまう注意点
- 判断を誤りやすい前提条件
を整理します。
残り年数の正しい見方(返済予定表・残存期間)
まず大前提として、「契約年数 − 経過年数」= 残り年数ではありません。
正しく見るべきなのは、次のどちらかです。
- 金融機関の返済予定表(償還表)
- ローン明細に記載された残存期間
たとえば、
- 35年ローンで15年経過 → 残り20年 と思い込んでいても、
- 繰上返済をしていれば、実際は残り18年 というケースもよくあります。
借り換えを考え始めたら、必ず最新の返済予定表を確認するところからスタートしましょう。
借り換えで期間を「短縮/延長」すると比較の前提が変わる
借り換え時に多いのが、返済期間をどう設定するか問題です。
- 残り10年 → 借り換え後も10年
- 残り10年 → 借り換え後15年に延長
この2つは、まったく別の比較になります。
特に注意したいのは、期間延長です。
- 月々の返済は下がる
- でも、総支払額は増える
というケースが非常に多く、「楽になった=得した」と誤解しやすいポイントでもあります。
比較するときは、
- 同じ残り年数で比較しているか
- 期間を変えた場合、総支払額はいくらか
この2点を必ず揃えてください。
繰上返済予定・住み替え予定があると判断が変わる
残り年数が短い人ほど、将来の予定が判断に直結します。
たとえば、
- 数年以内に繰上返済する予定がある
- 定年前後で一気に返すつもり
- 住み替え・売却を考えている
こうした前提がある場合、借り換えで得られる利息差はさらに小さくなります。
この状態で借り換えると、
- 諸費用だけ先に払って
- 回収する前に完済・売却
という「費用負け」になりやすい。だからこそ、
残り年数 × 今後の予定
をセットで考える必要があります。
残り5年:基本は厳しめ。でも「例外」がある

残り5年での借り換えは、多くのケースでハードルが高くなりやすいのが実情です。
ただし、「数字が合う条件」では例外的に成立するケースもあります。
感覚で判断せず、条件を一つずつ当てはめて考えていきましょう。
残り5年で得になりやすい条件(費用が低い/金利差が大きい等)
残り5年で借り換えが成立しやすいのは、かなり条件が限定されます。
代表的なのは次のようなケースです。
- 借り換え諸費用が極端に低い (ネット銀行・キャンペーン活用など)
- 金利差が0.7%以上など、かなり大きい
- 残高がまだ1,000万円前後以上残っている
- 期間を延ばさず、残り5年のまま比較している
ポイントは、「短期間でも一気に利息が削れる構造かどうか」。
残り5年では、0.2%・0.3%程度の金利差では、多くのケースで諸費用を回収できないことが多いのが実情です。
残り5年で損になりやすい条件(費用上乗せ/差額が薄い)
逆に、次の条件が複数当てはまる場合は、借り換えが「費用負け」になりやすい傾向があります。
- 事務手数料が残高×2%など高額
- 保証料・登記費用を含めると諸費用が50万〜100万円
- 金利差が0.3%未満
- 返済期間を延ばして「月々が下がった」で判断している
特に注意したいのが、諸費用をローンに上乗せするケース。
残り5年では、上乗せした元本を回収する前に完済してしまう可能性が高く、結果として総支払額が増えてしまうケースが多く見られます。
迷ったときの最短手順
残り5年で迷ったら、考え込むより数字で即判断するのが最短です。
おすすめの流れはこれ。
- 諸費用込みシミュレーション
- プラスが数万円〜数十万円程度なら
- → 借り換えは見送り、別の選択肢を検討
残り5年の場合、「少し得」ではリスクと手間に見合いません。
残り10年:分かれ目ゾーン(得にも損にも転ぶ)

残り10年は、借り換えが「成立するか・しないか」の分岐点です。
残り5年ほど厳しくはない一方で、条件次第では簡単に「費用負け」にもなります。
このゾーンでは、金利・費用・固定期間の扱い・返済設計が結論を大きく左右します。
残り10年で得になりやすい典型パターン
残り10年で借り換えが成立しやすいのは、次のような条件がそろったケースです。
- 金利差が0.3〜0.5%以上ある
- 残高が800万〜1,500万円程度残っている
- 諸費用が30〜50万円以内に収まる
- 返済期間を延ばさず、残り10年で比較している
この条件であれば、10年間で利息差を積み上げて、諸費用を回収できる可能性があります。
逆に言うと、このどれかが欠けると「トントン」か「微損」になりやすいのが残り10年です。
固定期間(10年固定など)が絡むと結論が変わる
残り10年の人に多いのが、「ちょうど10年固定の途中/終了タイミング」。
ここが判断を難しくします。
- 固定期間中 → 違約金が発生する
- 固定終了後 → 優遇金利がどうなるか不明
特に注意したいのは、
固定終了後の金利が読めないまま判断すること
この場合は、
- 固定終了後の想定金利を 「保守的(やや高め)」に置いて試算
- それでも得になるかを確認
という考え方が安全です。
固定期間が絡む場合は、固定期間別の判断とセットで検討してください。
「期間短縮 vs 月々軽減」どちらを狙うかで設計が変わる
残り10年では、借り換えの目的をどこに置くかで最適解が変わります。
代表的なのはこの2パターン。
- 🔹 総支払額を減らしたい → 期間は変えず、金利差で利息を削る
- 🔹 毎月の負担を下げたい → 期間延長も選択肢(ただし総額は増えやすい)
ここでやりがちなのが、
- 月々が下がった
- 家計が楽になった
という理由だけで決めてしまうこと。
残り10年は、「月々」と「総額」のどちらを優先するかを明確にしないと失敗しやすいゾーンです。
残り年数が短い人ほど検討したい代替案

残り5年・10年の場合、借り換えが「最適解ではない」ケースも多いのが現実です。
「借り換えが微妙だったとき、次に何を考えるべきか」を整理します。
借り換えより繰上返済が向くケース
残り年数が短い人ほど、繰上返済の効果は直線的に効きます。
次の条件に当てはまるなら、借り換えより繰上返済のほうが合理的です。
- 金利差が0.3%未満で、借り換えメリットが薄い
- 手元資金に余裕があり、生活防衛費を確保できる
- 今後の収入が比較的安定している
繰上返済は、
- 諸費用がほぼかからない
- 即時に利息を減らせる
- 手続きがシンプル
という点で、短期決戦(残り年数が短い人)との相性が良い選択肢です。
手数料・保証料が重い場合の選択肢
借り換えが成立しない最大の理由は、「諸費用が重すぎる」こと。
この場合は、
- 銀行を変える
- 借り換え自体をやめる
の二択ではなく、
- 「費用構造を変える」という考え方もあります。
たとえば、
- 事務手数料が定額の金融機関を選ぶ
- 保証料不要型の商品を検討する
- 諸費用が低いキャンペーン時期を待つ
こうした工夫で、回収ラインを下げることができるケースもあります。
不安が主目的なら「固定化」も選択肢
残り年数が短い人の中には、
- 金利上昇が怖い
- 返済額をこれ以上増やしたくない
という心理的な不安が主目的の人もいます。
この場合、
- 「最も得かどうか」
- 「総支払額が最小か」
よりも、
返済額が読める安心感
を優先する判断も、十分に合理的です。
金利リスクへの考え方は、以下の記事で整理しています。
よくある失敗(短い残年数は注意)

残り5年・10年の借り換えで失敗する人には、共通点があります。
ここを事前に知っておくだけで、費用負けの確率はかなり下げられます。
「毎月返済が下がる」だけで決めて総コスト増
最も多い失敗がこれです。
- 借り換え後、毎月の返済額は下がった
- でも、総支払額は増えていた
原因はシンプルで、返済期間を延ばしているから。
残り年数が短いほど、
- 月々の差額は目立つ
- でも総額の差は見えにくい
という罠にハマりやすくなります。
短い残年数では、「月々」より「総額」を必ず先に確認してください。
諸費用を回収できない(費用負け)
残り年数が短い人にとって、諸費用は最大の敵です。
ありがちなケースは、
- 金利差はある
- でも、諸費用が高すぎる
- → 回収前に完済してしまう
特に注意したいのが、
- 事務手数料
- 保証料
- 登記費用
を合算せずに判断してしまうこと。
諸費用は「一部」ではなく、必ず全部まとめて引くと費用負けのリスクが下がります。
期間延長で見かけの負担は減るが、総支払額が増える
残り年数が短い人ほど、
- 今の返済がきつい
- 月々を下げたい
という動機で借り換えを考えがちです。
ただし、
- 残り10年 → 15年
- 残り5年 → 10年
と期間を延ばすと、
- 家計は楽になる
- でも、ローンは長生きする
結果として、
- 総支払額が増える
- 定年後まで返済が残る
というケースも少なくありません。
「楽になる=得」ではない。短期残年数では、特に意識しておきたいポイントです。
次の一手

ここまで読んで、
- 自分は残り5年か
- それとも残り10年か
- 借り換えが向きそうか、微妙か
おおよその感触は掴めたはずです。
あとは順番どおりに数字を当てはめるだけ。
Step1:残り5年/10年のどちらかに当てはめる
まずは、自分の残り年数を正確に確定させます。
- 返済予定表で残存期間を確認
- 「だいたい」ではなく数字で把握
ここが曖昧なままだと、その後の計算がすべてズレます。
Step2:費用を整理して諸費用込み試算
次にやるべきは、諸費用を漏れなく入れること。
- 事務手数料
- 保証料
- 登記・司法書士費用
を整理し、その合計をシミュレーションに入れます。
ここで見るのは一つだけ。
差額 − 諸費用 > 0 かどうか
これがプラスなら次へ。
薄い・マイナスなら、無理に進む必要はありません。
Step3:得になりそうなら比較して申込へ
シミュレーションの結果が明確にプラスなら、初めて「どの金融機関にするか」を考えます。
- 金利
- 手数料体系
- 団信条件
を比較して、条件が合うところだけに絞って申込み。
この順番を守れば、
- 感覚判断
- 勢い申込み
- 費用負け
を減らすことができます。
FAQ(残り年数が短い人の借り換えでよくある質問)
残り5年でも借り換えで得するケースはありますか?
ありますが、かなり限定的です。
諸費用が低く、金利差が大きく、残高も一定以上ある場合に限られます。
- 目安としては、金利差:概ね0.7%前後以上になるケースが多い
- 諸費用:できるだけ低額
- 返済期間:延ばさず比較
※実際に成立するかどうかは、残高や費用構造によって変わります。
この条件でも、諸費用込みで試算してプラスになるかは確認してください。
残り10年だと、どのくらいの金利差が必要ですか?
一般的には、0.3〜0.5%以上が一つの目安です。
ただし、
- 残高
- 諸費用
- 固定期間の有無
で必要な金利差は変わり「◯%あれば必ず得」とは言えないため、金利差だけで判断せず、総額で比較することが重要です。
残り年数が短い場合、諸費用は「上乗せ」してもいいですか?
基本的にはおすすめしません。
特に残り年数が短い場合は、上乗せした元本を回収する時間が不足しやすいためです。
特に残り5年では、
- 上乗せ → 回収前に完済
- 結果:総支払額が増える
というケースが多く見られます。
短期残年数では、現金払い or 低費用商品が基本です。
借り換えで返済期間を延長すると、得になりますか?(総支払額は増えませんか?)
多くの場合、総支払額は増えます。
期間延長は、
- 月々の返済を下げる効果
- その代わり、利息が増える
というトレードオフです。
「家計を楽にしたい」目的なら選択肢になりますが、得か損かの判断軸では不利になりやすい点は理解しておきましょう。
借り換えより繰上返済を優先すべき判断基準は?
次の条件に当てはまるなら、借り換えより繰上返済が向いています。
- 金利差が小さい
- 諸費用が重い
- 手元資金に余裕がある
繰上返済は、即効性があり、費用負けしにくいのが最大のメリットです。
残り年数が短いと、審査は不利になりますか?
残り年数そのものが、直接不利になることは基本的にありません。
ただし、
- 完済時年齢
- 返済比率
- 健康状態(団信)
といった要素は通常どおり見られます。
短期だから有利・不利というより、他条件次第です。
残り5年/10年の人が「費用負け」を避ける最短手順は?
最短手順はこの3ステップです。
- 残り年数を正確に確認
- 諸費用を全部拾う
- 諸費用込み試算
この順番を守るだけで、感覚判断による失敗の確率を下げられます。
まとめ
残り5年・残り10年の住宅ローン借り換えは、
- 「金利が下がるか」ではなく「諸費用を回収できるか」でほぼ結論が決まります。
ポイントを整理すると、次のとおりです。
- 残り年数が短いほど、借り換えは不利になりやすい
- 特に残り5年は原則厳しく、成立するのはかなり限定的
- 残り10年は分かれ目ゾーンで、条件次第で得にも損にもなる
- 「毎月返済が下がる」だけで判断すると、総支払額が増えやすい
- 判断の軸は常に 差額 − 諸費用 > 0 かどうか
大切なのは、借り換えをすること自体が目的にならないことです。
- 得にならないなら、無理に動かない
- 繰上返済や固定化など、別の選択肢も検討する
- 不安は「数字」で解消する
これが、短い残り年数で後悔しないための考え方です。
次にやることはシンプルです。
- 残り5年/10年のどちらかを確定
- 諸費用を拾い出す
- 諸費用込みで一度だけ試算
その結果がプラスなら、初めて比較・申込みに進めばOK。
焦らず、感覚に頼らず、数字で判断することが一番の近道です。
※本記事で示している金利差や残高の数値は、一般的な目安です。
実際に得になるかどうかは、必ず諸費用込みで個別に試算してください。





