「家を売りたいけれど、何から始めればよいのだろう」
「不動産会社に相談したら、そのまま契約しなければならないのでは?」
初めて家を売るときは、分からないことばかりです。
家の売却は、不動産会社に査定を依頼してすぐに売却代金を受け取れるものではありません。
売却理由や希望条件の整理から始まり、査定、不動産会社選び、売却活動、売買契約、決済・引き渡しへと進みます。
一般的には、準備から引き渡しまで数か月かかり、物件や条件によっては半年以上必要になることもあります。
僕自身も、築30年以上の中古マンションを2回売却しました。
2回とも購入価格より高く売却できましたが、査定額が最も高い会社を選んだわけではなく、査定価格の根拠や販売方法、担当者の対応まで確認して売却を進めました。
なお、「購入価格より高く売れた」という意味であり、購入・売却時の諸費用まで含めた最終的な利益を示すものではありません。
この記事では、家を売る流れを8つのステップに分けて解説します。
マンションと戸建てのどちらにも共通する基本的な流れに加え、住宅ローンが残っている場合の対応、必要書類、費用、税金、契約時の注意点まで確認していきましょう。
家の売却を考えたらまず確認する3つのこと
家を売りたいと思ったら、最初に確認するのは次の3つです。
- 住宅ローンの残高
- 周辺の売却相場
- 査定を依頼する不動産会社の候補
査定は売却価格を保証するものではありません。
複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定額だけでなく、価格の根拠、販売戦略、売却実績、担当者の対応を比較することが、納得できる売却につながります。
家を売る流れは8ステップ
家の売却は、次の流れで進みます。

| ステップ | 主に行うこと | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1 | 売却理由と希望条件を整理する | 数日~1週間 |
| 2 | 住宅ローン残高と周辺相場を確認する | 数日~2週間 |
| 3 | 複数の不動産会社へ査定を依頼する | 1~2週間 |
| 4 | 不動産会社を選び媒介契約を結ぶ | 1~2週間 |
| 5 | 売り出し価格と販売方針を決め、販売を開始する | 数日~1週間程度 |
| 6 | 販売活動・内覧対応・条件交渉を行う | 1~4か月程度 |
| 7 | 売買契約を結ぶ | 1日+事前準備 |
| 8 | 決済・登記手続き・引き渡しを行う | 契約後1~2か月程度 |
売却後:必要に応じて翌年に確定申告
譲渡所得が生じた場合や、特例・控除を利用する場合などは確定申告を行います。
準備から媒介契約までは数週間程度、売却活動から売買契約までが1~4か月程度、売買契約から引き渡しまでが1~2か月程度というのが一つの目安です。
ただし、立地、築年数、価格、物件の状態、市況によって売却期間は大きく変わります。
半年以上かかる可能性も考え、期限から逆算して準備を始めましょう。

ステップ1:売却理由と希望条件を整理する
最初に行うのは、不動産会社探しではありません。
まず、なぜ家を売るのか、いつまでに売りたいのか、いくら以上を希望するのかを整理します。
最初に決めておきたいこと
次の項目を家族で話し合っておきましょう。
たとえば、転勤や新居の引き渡し日が決まっている場合は、価格よりも期限を優先しなければならないことがあります。
一方、売却時期に余裕があれば、すぐに値下げせず、購入希望者の反応を見ながら進める選択もできます。
住み替えは売却先行と購入先行のどちらがよい?
住み替えには、現在の家を先に売る「売却先行」と、新居を先に購入する「購入先行」があります。
住宅ローンが残っている人や、売却代金を新居の購入資金に充てる人にとって、売却先行は資金計画を立てやすい選択肢です。
ただし、売却後すぐに新居へ入居できない場合は、仮住まいが必要になる可能性があります。
購入先行は新居をじっくり選べる一方、現在の家が予定どおり売れないと、住宅ローンや維持費を二重に負担するリスクがあります。
どちらが正解というわけではありません。ローン残高、手元資金、売却期限、新居の条件を整理して決めましょう。
ステップ2:住宅ローン残高と周辺相場を確認する
希望条件を整理したら、住宅ローンの残高と周辺の売却相場を確認します。
ここで確認したいのは、単に「いくらで売れそうか」ではありません。
次の計算によって、売却後に手元へ残る金額を見積もります。
決済時の手取り見込額
売却代金-住宅ローン返済額-決済までに支払う売却諸費用税金を含めた最終的な手取り概算
決済時の手取り見込額-所得税・復興特別所得税・住民税(発生する場合)
住宅ローン残高を確認する
住宅ローンが残っている場合は、金融機関の残高証明書やインターネットバンキングで現在の残高を確認します。
家を売るには、原則として住宅ローンを完済し、金融機関が設定している抵当権を抹消する必要があります。
多くの場合、決済日に受け取る売却代金で住宅ローンを返済し、抵当権を抹消します。
住宅ローンの抵当権とは、ローンを返済できなくなった場合に備えて、銀行が自宅や土地を担保にする権利です。
たとえば住宅ローンの返済が長期間滞ると、金融機関は抵当権に基づいて裁判所に競売を申し立て、売却代金からローンを回収する場合があります。
ローンを完済すると、抵当権を消す「抵当権抹消登記」が必要です。
売却代金だけではローンを完済できない「オーバーローン」の場合は、不足額を自己資金で用意する、住み替えローンを検討する、金融機関と任意売却について相談するなどの対応が必要です。
ローン返済が難しくなっている場合は、滞納する前に金融機関や不動産会社へ相談してください。
自分でも周辺相場を調べる
相場を調べるときは、現在売り出されている価格だけでなく、実際に取引された成約価格も確認します。
国土交通省の「不動産情報ライブラリ」では、不動産取引価格、地価公示、成約価格情報などを確認できます。
なお、成約価格情報は「土地と建物(戸建て)」と「中古マンション等」が対象です。土地のみなどは、不動産取引価格情報も参考にしましょう。
確認する条件は次のとおりです。
ポータルサイトに掲載されているのは、基本的に「売主が希望している売り出し価格」です。
実際に売れた価格とは限りません。
売り出し価格と成約価格の両方を確認しましょう。
筆者の体験:査定前に相場を調べておくと質問しやすい
僕が家を売ったときも、不動産会社へ査定を依頼する前に、同じマンションや周辺物件の価格を調べました。
自分でも相場を把握しておくと、査定額を提示されたときに、次のような質問ができます。
査定額をそのまま信じるのではなく、説明を理解するための基準を持つことが大切です。

ステップ3:複数の不動産会社へ査定を依頼する
相場を確認したら、不動産会社へ査定を依頼します。
査定を依頼しただけで、売却や媒介契約をしなければならないわけではありません。
まだ売るか決めていない段階でも、机上査定でおおよその価格を確認できます。
査定は何社に依頼すればよい?
依頼社数に決まりはありません。
査定額や提案内容を比較でき、連絡対応が負担にならない範囲で複数社へ依頼しましょう。
依頼社数を増やしすぎると対応も増えるため、自分が比較・対応できる範囲に絞りましょう。
1社だけでは、その査定額が高いのか安いのか判断しにくくなります。
一方で、依頼先を増やしすぎると、電話やメールへの対応が負担になります。
まず机上査定の結果や各社の対応を比較し、訪問査定を依頼する会社を絞ると進めやすくなります。
机上査定と訪問査定の違い
不動産査定には、机上査定と訪問査定があります。
| 査定方法 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 机上査定 | 住所、面積、築年数、取引事例などから査定 | まず相場を知りたい人 |
| 訪問査定 | 担当者が現地を確認して査定 | 売却を具体的に進めたい人 |
机上査定では、室内の状態、眺望、日当たり、リフォーム履歴、戸建ての劣化状況などは十分に反映されません。
まず机上査定の結果や各社の対応を比較し、訪問査定を依頼する会社を絞ると進めやすいでしょう。

査定額が高い会社を選んではいけない?
査定額が高いこと自体が問題なのではありません。
注意したいのは、根拠を説明できない高額査定です。
仲介の査定額は、その価格で売却できることを保証するものではありません。
高い査定額が提示されても、市場の反応や競合物件の状況によって、販売開始後に価格の見直しが必要になる場合があります。
査定額の高さだけでなく、その根拠と販売計画を確認しましょう。
次の項目を比較してください。
どの査定サービスを利用するか迷っている人は、不動産一括査定サイト5社の違いと目的別の選び方を参考にしてください。
筆者の体験:イエウールで複数社を比較した
僕は住宅売却時にイエウールを利用し、複数の不動産会社へ査定を依頼しました。
査定価格には差がありましたが、最も高い査定額を提示した会社を選んだわけではありません。
価格の根拠、販売方法、担当者の対応を確認し、納得できる会社を候補にしました。
イエウールは、2026年8月時点の公式サイトで、一度の入力により最大6社へ査定を依頼でき、全国2,000社以上の不動産会社と提携していると案内しています。
>>>自分の地域で査定を依頼できる不動産会社を確認する<<<
査定結果を受け取った後に売却を見送ることもできます。まずは「いくらで売れそうか」「どの会社が対応できるか」を確認する段階と考えましょう。
ステップ4:不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
査定結果と提案内容を比較したら、売却を依頼する不動産会社を選び、媒介契約を結びます。
媒介契約とは、売主が不動産会社へ買主探しや契約手続きの支援を依頼する契約です。
不動産会社を選ぶ5つの基準
不動産会社は、次の5項目で比較しましょう。
- 査定価格の根拠が明確か
- 同じ地域・物件種別の売却実績があるか
- 販売戦略が具体的か
- メリットだけでなくリスクも説明するか
- 担当者と長期間やり取りできそうか
マンション売却に強い会社と、戸建てや土地の売却に強い会社は同じとは限りません。
会社全体の知名度だけでなく、担当者がその地域や物件種別を理解しているか確認してください。
3種類の媒介契約の違い
媒介契約には、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介の3種類があります。

| 項目 | 一般媒介 | 専任媒介 | 専属専任媒介 |
|---|---|---|---|
| 依頼できる会社 | 複数社 | 1社 | 1社 |
| 自分で見つけた買主との直接契約 | 可能 | 可能 | 不可 |
| レインズ登録 | 法定の登録義務なし(任意で登録可) | 媒介契約締結日の翌日から7日以内に登録※ | 媒介契約締結日の翌日から5日以内に登録※ |
| 活動報告 | 法定の定期報告義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
| 向いている人 | 自分でも管理できる人 | 1社へ任せつつ自由度も残したい人 | 1社へ全面的に任せたい人 |
※宅地建物取引業者の休業日およびレインズの休止日は算入しません。
専任媒介と専属専任媒介の有効期間は、宅地建物取引業法で3か月以内と定められています。
レインズへの登録期限や活動報告の頻度も定められています。
レインズは、不動産会社同士が売却物件の情報を共有するシステムです。専任媒介または専属専任媒介では、売主専用画面から登録状況や取引状況を確認できます。
詳しいメリット・デメリットは、3種類の媒介契約の違いと選び方で解説しています。
筆者の体験:査定額より担当者の説明を重視した
僕が不動産会社を選んだときは、査定価格だけでなく、次の点を確認しました。
家の売却では、数か月にわたって担当者と連絡を取ります。
少しでも質問しにくい、説明が曖昧、契約を急かされると感じた場合は、無理にその会社を選ぶ必要はありません。
ステップ5:売り出し価格と販売方針を決め、販売を開始する
媒介契約を結んだら、売り出し価格と販売方法を決めます。
査定額は不動産会社の意見であり、最終的な売り出し価格は売主が決めます。
売り出し価格の決め方
価格を決めるときは、次の3つを確認します。
売却を急いでいない場合は、価格交渉を想定して相場より少し高めに設定する方法もあります。
ただし、相場から大きく外れると、検索条件から外れたり、長期間売れ残った印象を持たれたりする可能性があります。
売り出す前に、次の点を不動産会社と決めておきましょう。
売却活動では何をする?
不動産会社は、主に次の方法で購入希望者を探します。
売主は、広告に掲載される写真、間取り、紹介文を確認しましょう。
写真が暗い、部屋の魅力が伝わらない、周辺環境の説明が少ないと感じたら、担当者へ改善を依頼します。
レインズ(REINS)は、会員の宅地建物取引業者が物件情報を登録・検索する不動産情報システムです。
専任媒介・専属専任媒介の売主は、売主専用画面から自分の物件の登録内容や取引状況を確認できます。
不動産会社が売却物件を登録すると、全国の加盟不動産会社が情報を確認できるため、買主を広く探しやすくなります。
家を売る際に専任媒介契約や専属専任媒介契約を結ぶと、不動産会社にはレインズへの登録義務があります。
売る前にリフォームや修繕は必要?
売却前に高額なリフォームを行っても、その費用を売却価格へ上乗せできるとは限りません。
まず不動産会社へ相談し、必要性を確認してください。
優先したいのは次の対応です。
築年数が古い戸建てでは、建物状況調査(インスペクション)を検討する方法もあります。
インスペクションは、既存住宅状況調査技術者が基準に基づいて住宅の状態を調査するものです。
ただし、すべての不具合を発見したり、住宅の品質を保証したりするものではありません。
売主として確認しておきたいポイントは、中古住宅のインスペクションと契約時の注意点でも紹介しています。
筆者の体験:相場より少し高めに売り出した
僕が売却した2軒のマンションでは、不動産会社と相談し、相場より少し高いと感じる価格で売り出しました。
結果的には、2回とも値下げをせず、売り出し価格で売却できました。
ただし、同じ方法を取れば必ず値下げせずに売れるわけではありません。
僕の場合も、物件の立地、売却時期、購入需要、不動産市況など、複数の条件が影響したと考えています。
価格設定や販売戦略を詳しく知りたい人は、家を高く売るための価格設定と内覧対策も参考にしてください。
ステップ6:販売活動・内覧対応・条件交渉を行う
広告を見た購入希望者から問い合わせが入ると、内覧が行われます。
内覧は、購入希望者が間取りや設備だけでなく、室内の明るさ、におい、生活動線、周辺環境まで確認する機会です。
内覧前に準備すること
すべてを新品のようにする必要はありません。
まず、次の箇所を整えましょう。
特に水回りと玄関は、第一印象へ影響しやすい場所です。
カーテンを開け、照明をつけ、換気を行い、室内を明るく見せます。
ペットやたばこ、排水口などのにおいにも注意しましょう。
収納の中を確認されることもあるため、荷物を詰め込みすぎないようにします。
購入者が知りたい情報を準備する
購入希望者は、物件そのものだけでなく、実際の暮らしを知りたいと考えています。
次の情報を不動産会社へ伝えておきましょう。
メリットだけでなく、不具合や気になる点も正確に伝えてください。
売主が把握している不具合を隠すと、引き渡し後のトラブルにつながります。
筆者が内覧時に行ったこと
僕がマンションを売却したときは、次の対応を行いました。
家の印象は、時間帯によって変わります。
日当たりのよい時間が限られている場合は、不動産会社へ伝え、可能な範囲で内覧時間を調整してもらいましょう。
より詳しい準備は、家を高く売るための価格設定と内覧対策で紹介しています。
購入申込み後に交渉すること
購入希望者から購入申込書が提出されたら、条件交渉を行います。
主な交渉項目は次のとおりです。
価格だけで判断せず、引き渡し時期やローン審査の状況も確認します。
たとえば、希望価格より少し低くても、現金購入で決済が早い、引き渡し時期を売主に合わせられるといった条件が有利なこともあります。
事前に「譲れない条件」と「調整できる条件」を分けておきましょう。
ステップ7:売買契約を結ぶ
購入希望者との条件がまとまったら、売買契約を結びます。
契約時は、契約内容や物件状況を確認したうえで売買契約を締結します。
書面で契約する場合は、売買契約書へ署名・押印します。
一般的には、買主から手付金を受け取ります。
売買契約前に確認すること
少なくとも次の項目を確認してください。
契約書、物件状況報告書、設備表の内容が一致しているか確認しましょう。
分からない項目を残したまま署名せず、不動産会社へ質問してください。
売却手続きで準備する主な書類
必要となる書類や提出時期は、物件、不動産会社、金融機関、司法書士によって異なります。
契約時・決済時のどちらで必要かも含め、早めに確認しましょう。
一般的には次のようなものを準備します。
すべての書類が同じタイミングで必要になるわけではありません。
紛失している書類がある場合は、早めに不動産会社へ伝え、代替書類や取得方法を確認しましょう。
売買契約後に売主からキャンセルできる?
売買契約後は、売主の都合だけで無条件にキャンセルできるわけではありません。
契約内容にもよりますが、相手方が契約の履行に着手する前で、手付解除が認められる期間であれば、売主は受け取った手付金を返し、さらに同額を買主へ支払う「手付倍返し」によって解除できる場合があります。
履行着手後や手付解除期限後は、違約金や損害賠償が発生する可能性があります。
契約解除の条件は契約書ごとに異なります。
売却を中止する可能性が少しでもある場合は、契約を結ぶ前に判断してください。
ステップ8:決済・登記手続き・引き渡しを行う
売買契約を結んだ後は、決済と引き渡しの準備を進めます。
売買契約から決済・引き渡しまでの期間は、買主の住宅ローン手続きなどを含めて1~2か月程度が目安です。
引き渡しまでに行うこと
売主は、主に次の準備を行います。
- 引っ越し
- 荷物や不用品の撤去
- 電気・ガス・水道の手続き
- 住宅ローンの一括返済手続き
- 抵当権抹消書類の準備
- 登記に必要な書類の準備
- 鍵や設備説明書の準備
- 管理費や修繕積立金の確認
- 契約で約束した修繕や測量
住宅ローンが残っている場合は、金融機関へ売却することを伝え、一括返済日と必要書類を確認します。
手続きに時間がかかる金融機関もあるため、売買契約後すぐに連絡しましょう。
売却代金はいつ受け取れる?
一般的には、売買契約時に手付金を受け取り、決済日に残代金を受け取ります。
決済当日は、おおむね次のような手続きを行います。
実際の順序は、金融機関や司法書士、不動産会社の進め方によって前後します。
- 買主から残代金を受け取る
- 住宅ローンがあれば一括返済する
- 抵当権抹消と所有権移転の登記手続きを行う
- 契約内容に基づいて固定資産税や管理費などを精算する
- 仲介手数料などを支払う
- 買主へ鍵と関係書類を渡す
金銭の授受と登記書類の確認が終わってから、鍵を引き渡します。
売却代金の全額がそのまま手元へ残るわけではありません。
住宅ローンの返済や、仲介手数料・登記費用などの支払いが必要になるため、事前に決済時の入出金を確認してください。
家を売った後は確定申告が必要?
土地や建物を売却し、売却による収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得が生じた場合は、原則として確定申告が必要です。
譲渡所得は、次の式で計算します。
収入金額-取得費-譲渡費用=譲渡所得(特別控除前)
取得費には購入代金や購入時の仲介手数料などが含まれます。
ただし、建物の取得費は減価償却費相当額を差し引いて計算します。
譲渡費用には、売却時の仲介手数料や測量費などが含まれます。
一定の要件を満たすマイホームの売却では、所有期間にかかわらず、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例があります。
ただし、特例を利用するには、必要書類を添えて確定申告をしなければなりません。
売却損が出た場合は必ずしも申告が必要とは限りませんが、一定のマイホームでは損益通算や繰越控除の特例を利用できる可能性があります。
税制の適用条件は、所有期間、居住状況、買い替え先の住宅ローン控除などによって変わります。
判断が難しい場合は、税務署や税理士へ確認してください。
家を売るときにかかる主な費用
家の売却では、主に次の費用が発生します。
| 費用 | 内容 | 支払時期の例 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 不動産会社へ支払う成功報酬 | 契約時・決済時など |
| 印紙税 | 紙の売買契約書に貼る印紙 | 売買契約時 |
| 抵当権抹消費用 | 登録免許税、司法書士報酬など | 決済時 |
| 住宅ローン返済手数料 | 金融機関の一括返済手数料 | 決済時 |
| 測量・境界確定費用 | 戸建て・土地で必要になる場合 | 契約前~引き渡し前 |
| 解体・残置物撤去費用 | 必要な場合のみ | 売却前~引き渡し前 |
| 引っ越し費用 | 新居や仮住まいへの移転 | 引き渡し前 |
| 所得税・復興特別所得税・住民税 | 課税譲渡所得が生じた場合 | 売却翌年以降 |
仲介手数料には、法令に基づく上限があります。
たとえば、売買価格1,000万円の場合、国土交通省が示す仲介手数料の上限例は税込39万6,000円です。
なお、売買価格800万円以下の宅地・建物では、媒介契約時に不動産会社から説明を受けて合意した場合、依頼者一方につき仲介手数料の上限が税込33万円となる特例があります。
仲介手数料以外の費用もあるため、査定額を見るときは「いくらで売れるか」だけでなく、「最終的にいくら残るか」を確認しましょう。
マンションと戸建てで売却の流れは違う?
基本的な売却の流れは、マンションも戸建ても同じです。
ただし、確認する書類や注意点には違いがあります。
マンション売却で確認すること
同じマンション内に競合物件がある場合は、階数、方角、室内状態、価格を比較されます。
管理状態や修繕計画も購入者の判断材料になります。
戸建て売却で確認すること
戸建てや土地では、境界が不明確なために契約や引き渡しが遅れることがあります。
古い戸建てでは、売り出す前に必要書類と建物の状態を確認しておきましょう。
家を売るときに注意したい5つの失敗
1.査定額が最も高い会社へすぐ依頼する
査定額は売却価格の保証ではありません。
高い査定額を提示した理由と、実際にその価格で売る方法を確認してください。
2.住宅ローン残高と費用を確認しない
査定額が住宅ローン残高を上回っていても、仲介手数料や登記費用を含めると資金が不足する可能性があります。
「売却価格-ローン残高」だけで判断しないようにしましょう。
3.売却前に高額なリフォームを行う
買主が自分好みにリフォームしたいケースもあります。
不動産会社へ相談する前に高額な工事を行うと、費用を回収できない可能性があります。
4.不具合や設備故障を伝えない
雨漏り、給排水設備の故障、騒音など、把握している事実は正確に伝えてください。
隠したまま契約すると、引き渡し後の請求やトラブルにつながります。
5.売買契約を急いで結ぶ
購入申込みが入っても、すぐに契約する必要はありません。
価格、引き渡し日、住宅ローン特約、契約解除、設備の扱いまで確認してから契約しましょう。
家を売る流れについてよくある質問
- Q家を売るには何から始めればよいですか?
- A
最初に、売却理由と希望時期を整理し、住宅ローン残高と周辺相場を確認します。
その後、対応できる範囲で複数の不動産会社へ査定を依頼し、査定額の根拠や販売方針を比較しましょう。
- Qいきなり不動産会社へ相談しても大丈夫ですか?
- A
相談しても問題ありません。
ただし、1社の説明だけで決めず、自分でも相場を確認し、複数社の査定と提案を比較することをおすすめします。
- Q査定を依頼したら契約しなければなりませんか?
- A
査定依頼と媒介契約は別です。
査定結果を見て売却を見送ったり、別の会社へ依頼したりすることもできます。
- Q家が売れるまで何か月かかりますか?
- A
準備から引き渡しまで、3~6か月程度を一つの目安にしてください。
条件によっては半年以上かかるため、売却期限がある人は早めに準備を始めましょう。
- Q査定額と実際に売れる価格は同じですか?
- A
同じとは限りません。
査定額は、不動産会社が取引事例や物件条件から予測した価格です。実際の成約価格は、購入需要、競合物件、売り出し価格、交渉などによって決まります。
- Q住宅ローンが残っていても売れますか?
- A
売却できます。
ただし、決済時までに住宅ローンを完済し、抵当権を抹消するのが原則です。売却代金で完済できない場合は、不足額の用意や金融機関との相談が必要です。
- Q売却代金はいつ受け取れますか?
- A
一般的には、売買契約時に手付金を受け取り、決済・引き渡し日に残代金を受け取ります。
住宅ローンは、決済日に売却代金などで一括返済するのが一般的です。仲介手数料、印紙税、登記費用などの支払時期は、費目や不動産会社との契約によって異なります。
- Q売買契約後にキャンセルできますか?
- A
無条件ではキャンセルできません。契約内容や進行状況によって、手付金の倍返し、違約金、損害賠償などが必要になる可能性があります。契約書の解除条件を必ず確認してください。
- Q家を売ったら必ず確定申告が必要ですか?
- A
売却によって譲渡所得が出た場合は、原則として確定申告が必要です。
3,000万円特別控除などの特例を利用する場合も申告が必要です。売却損が出た場合にも特例を利用できる可能性があるため、税務署や税理士へ確認しましょう。
まとめ:最初にローン残高・相場・査定先を確認しよう
家を売る流れは、次の8ステップです。
- 売却理由と希望条件を整理する
- 住宅ローン残高と周辺相場を確認する
- 複数の不動産会社へ査定を依頼する
- 不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
- 売り出し価格と販売方針を決め、販売を開始する
- 販売活動・内覧対応・条件交渉を行う
- 売買契約を結ぶ
- 決済・登記手続き・引き渡しを行う
最初からすべての手続きを理解する必要はありません。
まずは次の3つを確認してください。
- 住宅ローンはいくら残っているか
- 周辺ではいくらで取引されているか
- どの不動産会社へ査定を依頼できるか
僕は築30年以上の中古マンションを2回売却し、どちらも購入価格より高く売却できました。
ただし、これは僕の工夫だけで実現したものではありません。立地、物件条件、購入時期、売却時期、不動産市況など、複数の要因が影響しています。
同じ方法で必ず高く売れる、短期間で売れるとは限りません。
それでも、複数社の査定を比較し、査定根拠や販売方法を確認することで、不動産会社の言うままに売却を進めるリスクは減らせます。
どの査定サービスを利用するか迷っている人は、不動産一括査定サイト5社の違いと目的別の選び方から、自分の物件や地域に合うサービスを確認してみてください。
>>>自分の地域で査定を依頼できる不動産会社を確認する<<<

