中古住宅を探していると、写真や間取り図だけではわからないことがたくさんありますよね。
実際、僕も最初の頃は「なんとなく良さそう」「広く見えるから住みやすそう」といった感覚だけで内覧してしまい、後から「もっとここを見ておけばよかった」と思うことが何度もありました。
でも、内覧で確認するポイントを事前に整理しておくと、物件ごとの差がかなり見えやすくなります。
建物の状態だけでなく、暮らしやすさや購入後にかかりそうな費用までイメージしやすくなるからです。
この記事では、中古住宅の内覧で僕が見ているポイントを、できるだけわかりやすくまとめました。
これから中古住宅を探す方が、内覧で後悔しにくくなるように、持ち物・チェックポイント・質問事項・購入申込み前に考えたいことまで順番に解説します。
中古住宅探しを最初から順番に進めたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
中古住宅の内覧前に確認しておきたいこと
家具や家電のサイズを確認しておく
空室の物件は、家具がないぶん実際より広く見えやすいです。
そのため、内覧前に今使っている家具や家電のサイズを確認しておくと、かなり判断しやすくなります。
たとえば、次のようなものは事前にサイズをメモしておくと便利です。
「置けるかどうか」だけでなく、「置いたあとに通路が狭くならないか」まで考えられると、暮らしのイメージがしやすくなります。
最初に一度メモしておけば、その後の内覧でもずっと使えます。
可能なら登記簿(全部事項証明書)も確認しておく
僕は、気になる物件を見に行く前に、可能な範囲で登記簿(全部事項証明書)を確認することがありました。
登記事項証明書は、不動産の所在や面積、所有権や抵当権などの権利関係が記録された公的な証明書です。
法務省の案内では、不動産登記には土地や建物の所在・面積のほか、所有者の住所・氏名などの権利関係が記録されています。
登記記録は、土地や建物ごとに作成され、所有権に関する事項と、抵当権など所有権以外の権利に関する事項に分かれています。
少し難しく見えますが、初心者の方はまず「この物件は誰が所有しているのか」「いつ、どんな理由で所有者が変わったのか」「住宅ローンの担保として抵当権が付いていそうか」といった点をざっくり見るだけでも十分参考になります。
登記事項証明書では、現在の所有者や、登記原因(売買・相続など)、登記された時期(登記日)などを確認できます。※実際の取引日とは一致しない場合があります。
たとえば、次のような見方ができます。
所有者が個人なのか、法人なのかを見る
個人名義なのか、不動産会社名義なのかで、売主の立場や取引の進め方のイメージが少ししやすくなります。
所有権が移った時期と理由を見る
たとえば、最近「相続」で名義が変わっているなら、相続した不動産を売却しようとしているケースかもしれません。
逆に、かなり前から同じ所有者なら、長く住んでいた家を売却するケースも考えられます。
登記情報だけで売却の背景や事情のすべてがわかるわけではありませんが、内覧時に「なぜ売却するのか」を質問するきっかけにはなります。
抵当権の記録があるかを見る
抵当権は、住宅ローンなどの担保として設定される代表的な権利です。
記録があるからすぐに問題というわけではありませんが、「現在ローンが残っているのかな」「引き渡しまでにどう整理される予定なのかな」と確認したいポイントが見えてきます。
土地と建物の情報を分けて見る
登記は土地と建物で別に作られるため、戸建てでは両方を確認する意識があると安心です。
法務局の案内でも、土地・建物それぞれの登記事項証明書を請求する前提が示されています。
また、登記事項証明書は誰でも取得できます。
ただし、請求には手数料がかかり、不動産を特定するために地番や家屋番号などの情報が必要です。
初心者の方は、無理に自分だけで読み解こうとせず、気になる点があれば不動産会社に「ここはどういう意味ですか」と聞いてみるのがおすすめです。
もちろん、登記簿を見ただけで物件の良し悪しがすべてわかるわけではありません。
ただ、内覧前に一度目を通しておくと、「どこを質問するか」「何を確認するか」がかなり明確になります。初めての中古住宅購入では特に、こうした事前確認が安心感につながると思います。
中古住宅を価格面でも納得して購入したい方は、あわせて以下の記事も参考になります。
中古住宅の内覧に持っていくもの
僕が中古住宅の内覧で持っていくものは、次のとおりです。
スマホ
スマホはほぼ必須です。
気になる部分を写真で残したり、現地で周辺施設を調べたりできます。
1日に複数件見る場合はもちろん、日にちを空けて比較するときにも写真があるとかなり助かります。
気になるところは、遠慮せず記録しておくのがおすすめです。
写真撮影は、事前に不動産会社へ確認しておくと安心です。
メジャー
メジャーはかなり役立ちます。
家具や家電が入るかを確認するだけでなく、玄関・廊下・洗濯機置き場・冷蔵庫スペースなども測れます。
「たぶん大丈夫だろう」で進めると、入居後に置けないことがわかるケースもあるので、測れるところは測っておきたいです。
小型の水平器
建物の傾きが気になる方は、小型の水平器を持参すると簡易的な目安にはなりますが、正確な傾きの判断には専門的な測定が必要です。
ただし、それだけで建物の安全性や不同沈下の有無を判断できるわけではないため、気になる場合はホームインスペクションなど専門家の確認も検討したいところです。※インスペクションは目視や計測、非破壊検査を中心とした調査であり、建物の状態を把握するためのもので、すべての不具合を発見できるわけではなく、また将来的な不具合や建物の性能を保証するものでもありません。
コンパスアプリ
スマホのコンパスアプリでも十分です。
窓の向きやバルコニーの向きを確認すると、日当たりのイメージがしやすくなります。
南向きかどうかだけでなく、朝日が入りやすいか、西日が強そうかといった生活のしやすさも見えてきます。
ローンシミュレーションアプリ
その場で必須ではありませんが、かなり便利です。
中古住宅は、物件価格だけでなく、諸費用やリフォーム費用も含めて考える必要があります。
ざっくりでも月々の支払いイメージがわかると、「この物件は予算的に現実的か」を判断しやすくなります。
住宅ローンや諸費用を含めた全体の費用感を整理したい方は、以下の記事も参考になります。
坪・平米換算アプリ
不動産情報は平米表記が多いため、坪数で見たい方には便利です。
複数の物件を比較するときに、広さの感覚をつかみやすくなります。
間取り図
各部屋の寸法、コンセント位置、窓の位置、収納サイズなどを書き込めるので便利です。
特に2回目の内覧や、家族で相談しながら比較するときに役立ちます。
中古住宅の内覧でチェックしたいポイント
ここからは、僕が中古住宅の内覧で見ているポイントを場所ごとにまとめます。
玄関
玄関に入ったら、まず臭いと湿気感を気にしています。
カビっぽい臭いがしたり、ドアを開けた瞬間にムワッと湿気を感じたりする場合は、少し慎重に見た方がよいと感じています。
湿気自体がすべて問題というわけではありませんが、換気の問題や結露、雨漏りなどの可能性が隠れていることもあります。
また、玄関は家全体の第一印象が出やすい場所でもあります。
靴箱の中、たたき周辺、玄関ドアまわりの傷みも軽く見ておくと参考になります。
各部屋
各部屋で確認したいのは、次のようなポイントです。
特に気になるのは、天井や壁のシミです。
必ずしも現在進行形の不具合とは限りませんが、過去の雨漏りや結露の可能性もあるため、不動産会社に確認しておくと安心です。
また、中古住宅では多少の建具のクセはあることもありますが、窓や扉の開閉が極端に重い場合は、その理由を聞いておきたいところです。
エアコン設置のしやすさ

意外と見落としやすいですが、かなり大事です。
エアコンを付けたい部屋に、配管用の穴やコンセントがあるか、室外機を置けるかは確認しておきたいです。
特にマンションでは、配管ルートや管理規約の制限により、追加工事が必要になることもあります。
購入後の出費を想定するうえでも、エアコン設置のしやすさは見ておくと安心です。
和室

和室は、畳数だけで広さを判断しない方がよいと感じています。
同じ6畳表記でも、畳の規格や部屋の取り方(壁芯・内法の違いなど)によって実際の広さの感じ方が変わることがあります。
気になる場合は、内寸もあわせて確認するとわかりやすいです。
また、「和室を洋室にしたい」と考えている場合は、その前提で見ておくと判断しやすくなります。
リフォーム費用は工事内容によって変わるため、ざっくりでも相場感を持っておくと予算の組み立てに役立ちます。
中古住宅は購入費用だけでなく、修繕費やリフォーム費用も含めて考えることが大切です。
屋根裏・天井裏

2階のクローゼットや押入れの上などに、天井裏を覗ける場所がある物件もあります。
見られる場合は、
といった点をチェックしています。
もちろん、無理に触ったり開けたりするのではなく、不動産会社に確認しながら見られる範囲で確認するのがよいと思います。
キッチン
キッチンは、見た目だけでなく収納の下や配管まわりも見たいところです。
こうした点を見ています。
キッチン交換はまとまった費用がかかりやすいので、購入後にどこまで手を入れたいかも考えながら見ています。
トイレ
トイレは、
を見ています。
見た目の古さだけでなく、「入居後すぐ交換したいかどうか」を考えておくと、予算計画がしやすくなります。
浴室
浴室も同じように、
を見ています。
古い浴室は交換費用が大きくなりやすいので、気になる場合は購入後のリフォーム費用に含めて考えておきたいです。
床下
床下点検口がある場合は、覗ける範囲で見ておくと参考になります。
僕は床下に入って確認したことはありませんが、見える範囲で異常がないかは気にしています。
特に、シロアリ被害や湿気が気になる物件では、不安があるなら専門家に相談するのもひとつの方法だと思います。
外壁
外壁は、建物の印象だけでなく、今後のメンテナンス費用にも関わる部分です。
僕が見ているのは、主に次のようなところです。
外壁の補修や塗装は、工事内容によってまとまった費用がかかることがあります。
明らかに傷みが見える場合は、購入価格だけでなく修繕費も含めて考えたいです。
屋根
屋根は、購入前に細かく確認しにくく、劣化状況によっては修繕費が高額になりやすく、状態によっては数十万円〜百万円単位の費用がかかることもある部分です。
そのため、2階の窓から見える範囲や、外から見てわかる範囲で確認しています。
たとえば、
といった視点で見ています。
屋根は修理費が大きくなりやすい部分でもあるため、気になる場合は追加確認を検討したいところです。
周辺環境も歩いて確認しておく
建物の中だけでなく、周辺環境もかなり大事です。
可能であれば現地集合にして、駅や最寄り施設から物件まで実際に歩き、周辺の雰囲気も確認しておくと参考になります。
実際に歩いてみると、次のようなことが見えてきます。
中古住宅は建物だけでなく、立地も含めて満足できるかが大切だと思っています。
内覧時に不動産会社へ質問したいこと
内覧では、気になることを遠慮せず質問した方がよいと感じています。
担当者がその場で答えられない内容でも、売主や管理会社へ確認してくれることがあります。
たとえば、次のようなことは聞いておくと判断材料になります。
小さな疑問でも、内覧時に確認しておくと後から悩みにくくなります。
そもそも自分に合う不動産会社の選び方から確認したい方は、こちらも参考にしてみてください。
気に入った中古住宅が見つかったらやること
買付証明書・買付申込書を提出する
気に入った物件が見つかったら、不動産会社に購入の意思を伝えます。
そのときに使うのが、買付証明書や買付申込書、購入申込書といった書類です。名称は不動産会社によって少し違いますが、基本的には「この物件を、この条件で購入したいです」という意思を売主や仲介会社に伝えるための書類と考えるとわかりやすいです。中古物件では、買主側が購入申込書(買付証明書)を出し、売主側が売渡承諾書を出す流れになることがあります。
初めてだと少し身構えてしまいますが、イメージとしては「正式な売買契約の前に、購入希望条件を売主側に伝えるための書面」に近いです。
たとえば、次のような内容を書くことが多いです。
実際、買付証明書・購入申込書には、購入希望価格、引渡し希望日、資金内訳などを記載するのが一般的で、支払い条件や住宅ローン利用の有無などが書かれることもあります。
たとえば、3,280万円の中古戸建てに申し込む場合なら、
「購入希望価格は3,180万円、住宅ローン利用予定、手付金は100万円、引渡しは6月末希望」
のように、自分が希望する条件を書いて提出するイメージです。
売主はその内容を見て、その条件で進めるか、価格や引渡し時期を調整したいか、今回は見送るかを判断します。
つまり、この書類を出すと、口頭のやり取りから一歩進んで、具体的な条件交渉が始まると考えるとわかりやすいです。
ここで大事なのは、買付証明書・買付申込書を出しただけでは、通常はまだ売買契約そのものではありません。
一般に、購入申込みの時点では価格や条件はまだ確定前であり、買付証明書や購入申込書そのものに売買契約としての法的拘束力はないとされています。
ただし、提出後は売主や仲介会社が契約に向けた調整を進めることもあるため、軽い気持ちで出さず、購入の意思が固まってから提出するほうが安心です。
そのため、契約前の段階では、買主側が見送ることもあれば、売主側がほかの条件を優先して断ることもあります。
ただし、「出してもまったく軽い書類」というわけでもありません。
不動産会社や売主は、この書類をもとに契約準備や調整を進めるため、提出する時点では「この条件なら本気で購入を検討している」という状態にしておきたいです。
実務上も、買付証明書の授受だけで直ちに売買契約が成立するものではない一方、そこから契約に向けた具体的な準備が進むため、よく考えて申し込むことが大切です。
もし申込金のようなお金を支払う話が出た場合は、預かり証など書面を必ず受け取ることも大切です。
また、契約成立前に受け取る申込金や申込証拠金などは、名目を問わず預り金として扱われます。
そのため、申込みが撤回された場合には、原則として返還されるべきものですが、実務上はトラブルになるケースもあるため、事前に返還条件を書面で確認し、口頭だけの説明で支払わないようにすることが大切です。
支払いを求められた場合は、必ず預かり証などの書面を受け取り、返還条件も確認しておくと安心です。
リフォーム予定があるなら早めに見積もりを取る
中古住宅は、物件価格が予算内でも、リフォーム費用を加えると総額が大きく変わることがあります。
そのため、購入前からリフォームを考えている場合は、早めに複数社へ相談しておくと安心です。
ざっくりでも見積もりがあると、借入額や自己資金の考え方がかなり現実的になります。
住宅ローンは複数の金融機関を比較する
住宅ローンは、金利だけでなく、事務手数料、保証料、団体信用生命保険の内容などでも条件が変わります。
同じ借入額でも、金融機関によって総支払額に差が出ることがあります。
そのため、1社だけで決めず、複数の金融機関を比較しながら進める方が納得しやすいです。
住宅ローンや諸費用を含めて全体の費用を整理したい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
中古住宅探しは焦りすぎず、でも先延ばしにしすぎない
気に入る物件は、すぐ見つかることもあれば、なかなか出会えないこともあります。
物件探しにかかる期間は人それぞれで、希望条件や地域によっても大きく異なります。
僕の場合は3か月〜6か月程度で見つかることが多かったですが、もっと早いこともあれば、さらに時間がかかることもあります。
一方で、理想の100点をずっと探し続けると、なかなか決められないこともあります。
だからこそ、物件探しを始める前に、
を整理しておくことが大切です。
これが整理できていると、内覧のたびに判断しやすくなり、「なんとなく良かったから決める」という失敗も減らしやすくなります。
よくある質問
中古住宅の内覧では何を一番重視して見ればいいですか?
まずは、湿気・カビ臭・雨漏りのシミなど、建物の状態に関わる部分を優先して確認したいです。
あわせて、床の傾き、窓や扉の開閉、水回りの状態も見ておくと判断しやすくなります。見た目の印象だけで決めず、修繕費がかかりそうな箇所がないかも意識すると安心です。
中古住宅の内覧に必要な持ち物は何ですか?
スマホ、メジャー、間取り図は特に持っていきたいです。
スマホは写真撮影や周辺確認に便利で、メジャーは家具や家電が置けるか確認するのに役立ちます。気になる方は小型の水平器やコンパスアプリもあると見やすくなります。
中古住宅の内覧では何件くらい見ると比較しやすいですか?
人によって違いますが、1件だけで決めるより、複数件見た方が比較しやすいことが多いです。
実際に何件か見ると、譲れない条件と妥協できる条件が整理しやすくなります。焦って決めず、比較しながら判断するのがおすすめです。
内覧時に不動産会社へ聞いておいた方がよいことは何ですか?
売却理由、修繕履歴、リフォーム履歴、雨漏りや設備不具合の有無、売り出し期間などは聞いておくと判断材料になります。
気になることは小さなことでも確認しておくと、購入後のミスマッチを減らしやすくなります。
中古住宅の内覧でホームインスペクションは必要ですか?
すべての物件で必要とは限りませんが、建物の状態に不安がある場合や、購入判断を慎重にしたい場合は検討する価値があります。
特に築年数が古い物件や、雨漏り・傾き・シロアリなどが気になる場合は、専門家の意見が参考になることがあります。
気に入った中古住宅が見つかったら、すぐ申し込むべきですか?
人気物件は早く動くこともありますが、購入は大きな判断なので、資金計画やリフォーム費用を含めた総額を確認したうえで進めたいです。
買付申込の前に、譲れない条件を満たしているかをもう一度整理しておくと、後悔を減らしやすくなります。
まとめ|中古住宅の内覧はチェックポイントを決めて行くと判断しやすい
中古住宅の内覧では、なんとなく雰囲気を見るだけではなく、確認するポイントを事前に決めておくことが大切だと感じています。
僕が特に大事だと思っているのは、次の3つです。
- 湿気・臭い・シミなど、建物の状態をよく見ること
- 設備や収納、家具の置き場など、暮らしやすさを具体的に考えること
- 修繕費やリフォーム費用も含めて、購入後の総額を意識すること
中古住宅は、新築のようにすべてが整っているとは限らず、物件ごとの状態に差があります。
そのぶん価格面の魅力があることも多いですが、見落としが、購入後の追加費用や生活上の不便につながり、結果として後悔につながることもあります。
だからこそ、内覧では焦らず、気になることはしっかり確認していきたいですね。
皆さんにとって、納得できる良い物件が見つかることを願っています。
中古物件を安く購入する方法はこちらを参考にしてください。






