住宅ローン借り換えで団信に入れない場合は?ワイド団信・団信なしの選択肢を解説

住宅とライフプラン
この記事は約33分で読めます。

「住宅ローンを借り換えたいけど、持病や通院歴があって団信に入れるか不安……」

このように悩んでいませんか?

住宅ローンの借り換えでは、現在のローンを完済し、新しい住宅ローンを組み直すのが一般的です。

そのため、今の住宅ローンで団信に加入できていても、借り換え先ではあらためて団信の申し込みや審査が必要になります。

以前は健康状態に問題がなく団信に入れた人でも、現在の通院歴・服薬・手術歴・健康診断の指摘などによっては、希望する団信や住宅ローンを利用できない場合があります。

とはいえ、団信に入れない可能性があるからといって、すぐに借り換えを諦める必要はありません。

一般団信が難しい場合でも、ワイド団信を検討する方法があります。

フラット35のように、団信に加入しない選択肢を取れる住宅ローンを確認する方法もあります。

一方で、借り換えによって現在の団信保障を失うリスクもあるため、金利の低さだけで判断するのは危険です。

僕自身も住宅ローンの借り換えを経験しましたが、借り換えは「金利が下がるか」だけでなく、「万一のときに家族を守れるか」まで含めて考えることが大切だと感じています。

この記事では、住宅ローン借り換えで団信に入れない場合の選択肢、ワイド団信、団信なしローン、借り換えをしない判断までわかりやすく解説します。

読み終えるころには、「自分は借り換えを進めてもよさそうか」「今のローンを維持した方がよさそうか」を整理しやすくなるはずです。

この記事でわかること

この記事では、以下の内容がわかります。

  • 住宅ローン借り換えで団信が重要になる理由
  • 団信に入れない可能性がある主なケース
  • 団信に入れないと言われたときに確認すべきこと
  • ワイド団信を検討するときの注意点
  • 団信なしで借り換える場合のリスク
  • 借り換えをしない方がよいケース
  • 健康状態に不安がある人の借り換えの進め方

「団信に通るか不安だけど、住宅ローンの返済負担も見直したい」という人に向けて、判断材料を整理していきます。

  1. 住宅ローン借り換えで団信に入れない場合はどうする?
    1. 団信に入れないと借り換えできないケースは多い
    2. すぐに借り換えを諦める必要はない
    3. 現在の団信を手放してよいか慎重に判断する
  2. 住宅ローン借り換えで団信が重要になる理由
    1. 借り換えでは団信も再審査になる
    2. 既存ローンの団信は借り換え後に引き継げない
    3. 借り換えで保障を見直せる一方、審査も必要になる
  3. 団信に入れない可能性がある主なケース
    1. 現在、病気で治療中の場合
    2. 過去に大きな病気や手術歴がある場合
    3. 持病があり、通院・服薬を続けている場合
    4. 健康診断で再検査・要治療の指摘を受けている場合
    5. うつ病・適応障害など精神疾患の治療歴がある場合
    6. 糖尿病・高血圧・心疾患などがある場合
  4. 団信に入れないと言われたときに確認すべきこと
    1. どの団信で難しかったのか確認する
    2. 疾病保障付き団信と一般団信を分けて考える
    3. 健康状態の情報を整理する
    4. 他の金融機関では判断が変わる可能性がある
    5. 告知内容を自己判断で省略しない
  5. 選択肢1:一般団信で申し込めるか確認する
  6. 選択肢2:ワイド団信を検討する
    1. ワイド団信は金利が上乗せされることが多い
    2. 金利上乗せ後でも借り換えメリットが出るか確認する
  7. 選択肢3:団信なしで利用できる住宅ローンを検討する
    1. フラット35は団信に加入しない選択肢がある
    2. 団信なしの場合、家族に返済負担が残る
    3. 生命保険で代替できるか確認する
  8. 選択肢4:別の金融機関で団信審査を受ける
    1. 団信の取り扱いは金融機関によって異なる
    2. やみくもに何社も申し込むのは避ける
  9. 選択肢5:借り換えをせず、現在の住宅ローンを維持する
    1. 金利差より保障継続を優先すべき場合がある
    2. 繰上げ返済で利息負担を減らす方法もある
    3. 現在の金融機関に金利条件を相談する方法もある
  10. 団信に不安がある人が借り換え前に比較すべきポイント
  11. 団信に入れない場合にやってはいけないこと
    1. 健康状態を隠して申し込む
    2. 金利の低さだけで団信なしローンを選ぶ
    3. 家族に相談せず団信なしで借り換える
    4. 諸費用を含めずに借り換えメリットを判断する
    5. 現在の団信を失うリスクを軽く考える
  12. 健康状態に不安がある人の住宅ローン借り換えの進め方
    1. 現在の健康状態と治療歴を整理する
    2. 告知書で聞かれる内容を事前に確認する
    3. 一般団信・ワイド団信・団信なしの順に選択肢を整理する
    4. 借り換えメリットを総返済額で確認する
    5. 家族に万一の返済リスクを共有する
    6. 必要に応じてFPや金融機関に相談する
  13. 団信に入れない場合の住宅ローン借り換えFAQ
  14. まとめ:団信に入れない場合は、借り換え以外の選択肢も含めて判断しよう

住宅ローン借り換えで団信に入れない場合はどうする?

住宅ローン借り換えで団信に入れない場合の主な選択肢を5つに整理した図解

住宅ローン借り換えで団信に入れない可能性がある場合は、いきなり借り換え先を決めるのではなく、まず選択肢を整理しましょう。

主な選択肢は、次の5つです。

選択肢特徴注意点
一般団信で申し込む基本的な団信で借り換えを検討する健康状態によっては加入できない場合がある
疾病保障付き団信を外すがん団信・三大疾病団信などを付けずに一般団信で考える保障は薄くなる
ワイド団信を検討する一般団信より引受条件が広めの団信金利が上乗せされることが多い
団信なしローンを検討するフラット35など、団信に加入しない選択肢を確認する万一のときにローンが残るリスクがある
借り換えをしない現在の住宅ローンと団信を維持する金利削減メリットは得にくい

借り換えは金利を下げられる可能性がある一方で、現在の団信保障を失う判断にもつながります。

そのため、「団信に入れないならどう借り換えるか」だけでなく、「そもそも借り換えてよい状態なのか」まで考える必要があります。

団信に入れないと借り換えできないケースは多い

民間金融機関の住宅ローンでは、団信への加入が借り入れ条件になっているケースが多くあります。

住宅ローンは借入額が大きく、返済期間も長くなりやすいローンです。

金融機関としても、契約者に万一のことがあったときの返済不能リスクを避けるため、団信加入を条件にしていることが少なくありません。

そのため、健康状態や治療歴などの理由で団信に加入できない場合、希望していた金融機関では借り換えできない可能性があります。

ただし、すべての住宅ローンで団信加入の扱いが同じではありません。

金融機関や商品によっては、団信なしの取り扱いがあったり、別の条件が必要になったりする場合もあります。

「団信に入れないかもしれない=すべての借り換えが無理」と決めつけず、複数の選択肢を確認することが大切です。

すぐに借り換えを諦める必要はない

団信の審査に不安があっても、すぐに住宅ローン借り換えを諦める必要はありません。

一般団信では難しくても、ワイド団信なら検討できる場合があります。

また、フラット35のように、健康上の理由などで団信に加入しない場合でも利用できる住宅ローンもあります。

たとえば、持病があって一般団信に不安がある人は、次の順番で確認すると整理しやすいです。

  1. 一般団信で申し込めるか確認する
  2. 疾病保障付き団信を外せば申し込めるか確認する
  3. ワイド団信を扱う金融機関を確認する
  4. 団信なしで利用できる住宅ローンを確認する
  5. 現在の団信を維持する選択肢も比較する

団信に不安がある人ほど、最初から1つの金融機関だけで判断しないことが大切です。

現在の団信を手放してよいか慎重に判断する

借り換えをすると、今の住宅ローンは完済し、新しい住宅ローンを組む形になります。

そのため、現在の住宅ローンについている団信は、借り換え後には基本的に引き継げません。

もし今の団信に加入できているなら、それは家族を守る大きな保障です。

金利が少し下がるからといって、現在の団信保障を失ってまで借り換えるべきかは慎重に考える必要があります。

特に次のような人は、借り換えしない判断も含めて比較しましょう。

  • 現在の団信保障を維持したい
  • 団信なしで借り換えると家族の返済負担が不安
  • ワイド団信の金利上乗せで借り換えメリットが小さい
  • 生命保険で住宅ローン残高をカバーできていない
  • 残り返済期間が短く、借り換え効果が出にくい

住宅ローン借り換えは、金利を下げるための手段です。

ただ、団信に不安がある場合は、「返済額を減らすこと」と「家族を守ること」のバランスがとても大切になります。

住宅ローン借り換えで団信が重要になる理由

住宅ローン借り換えで団信が重要になる理由は、借り換えによって住宅ローンを新しく組み直すことになるからです。

「今の住宅ローンで団信に入っているから、借り換え後もそのまま使えるのでは?」と思う人もいるかもしれません。

しかし、基本的にはそうではありません。

借り換えでは、現在の住宅ローンを完済し、新しい金融機関で住宅ローンを組み直します。

そのため、新しい住宅ローンに合わせて、団信もあらためて申し込みや審査が必要になります。

借り換えでは団信も再審査になる

住宅ローン借り換えでは現在の団信が終了し、新しい住宅ローンで団信を再審査する仕組みを示した図解

住宅ローンの借り換えは、今の住宅ローンの条件をそのまま変更する手続きではありません。

一般的には、新しい金融機関で住宅ローンを借り、そのお金で現在の住宅ローンを完済します。

つまり、借り換え後は「別の住宅ローン」に切り替わります。

そのため、団信についても、新しい住宅ローンに合わせて再度申し込みをすることになります。

たとえば、10年前に住宅ローンを組んだときは健康状態に問題がなく、一般団信に入れたとします。

しかし、借り換えを検討している現在、通院や服薬、手術歴、健康診断の指摘などがある場合は、その内容をもとにあらためて判断されます。

過去に団信へ入れたことがあっても、借り換え時に同じように加入できるとは限りません。

既存ローンの団信は借り換え後に引き継げない

借り換えをすると、現在の住宅ローンに付いている団信は基本的に引き継げません。

今の住宅ローンで団信に加入できている場合、その団信は現在の住宅ローンに対する保障です。

借り換えによって今の住宅ローンを完済すると、そのローンに付いていた団信の保障も終了します。

借り換え後に保障を持ちたい場合は、新しい住宅ローン側で団信に加入する必要があります。

たとえば、現在は一般団信に加入できていて、もしものときは住宅ローン残高がなくなる状態だったとします。

しかし、借り換え先で団信に入れなかった場合、金利は下がっても、万一のときに家族へ住宅ローンが残る可能性があります。

毎月の返済額が数千円下がるとしても、保障を失う影響が大きいケースもあります。

だからこそ、健康状態に不安がある人は、借り換え前に「今の団信を手放してよいのか」を考えておくことが大切です。

借り換えで保障を見直せる一方、審査も必要になる

住宅ローン借り換えは、団信の保障内容を見直す機会にもなります。

昔の住宅ローンでは一般団信だけだった人も、借り換えによって、がん団信、三大疾病団信、八大疾病保障付き団信などを検討できる場合があります。

保障を手厚くできれば、将来の不安を減らせる可能性があります。

一方で、保障を手厚くするほど、健康状態の確認がより慎重になる場合があります。

一般団信なら検討できる人でも、がん団信や三大疾病団信では難しいケースが出てくることがあります。

また、保障を追加すると金利が上乗せされることもあります。

そのため、借り換え時の団信は、次の2つを分けて考えるのがおすすめです。

  • まずは一般団信に加入できるか
  • そのうえで疾病保障付き団信を付けるべきか

借り換えの目的が「毎月の返済を下げること」なら、保障を手厚くしすぎて金利上乗せが大きくなると、借り換えメリットが小さくなる場合があります。

大切なのは、「金利」「保障」「健康状態」の3つをセットで考えることです。

団信に入れない可能性がある主なケース

団信に入れない可能性があるのは、健康状態や病歴が団信の告知項目に該当する場合です。

ただし、「病気や通院歴がある=団信に入れない」と決まるわけではありません。

団信の審査では、病名だけでなく、治療状況、服薬内容、経過、現在の健康状態などを見て判断されます。

同じ病名でも、症状が安定している人と、現在治療が始まったばかりの人では、判断が変わる場合があります。

ここでは、団信の審査で注意したい主なケースを整理します。

現在、病気で治療中の場合

現在、病気で治療中の場合は、団信の審査で確認される可能性があります。

病気の治療を受けている、定期的に検査を受けている、医師から経過観察を受けているといった場合は、告知の対象になることがあります。

ただし、治療中だから必ず団信に入れないわけではありません。

病気の種類、治療内容、現在の数値、症状の安定度によって判断は変わる場合があります。

自己判断で「たいしたことないから書かなくていい」と省略せず、告知書で聞かれている内容に正確に答えることが大切です。

過去に大きな病気や手術歴がある場合

過去に大きな病気をした人や手術歴がある人も、団信の審査で確認される場合があります。

特に、がん、心筋梗塞、脳卒中などの病気や、入院・手術を伴う治療歴がある場合は注意が必要です。

ただし、過去に病気をしたからといって、借り換えが難しいと決めつける必要はありません。

治療が終了しているのか、再発の有無、現在の通院状況、医師の診断内容などによって判断されることがあります。

過去の病歴がある人は、病名、手術時期、治療期間、現在の状態をメモしておくと、団信の告知書を書くときに整理しやすくなります。

持病があり、通院・服薬を続けている場合

持病があり、通院や服薬を続けている場合も、団信の告知で確認されることがあります。

たとえば、次のようなケースです。

  • 定期的に病院へ通っている
  • 毎日薬を飲んでいる
  • 医師から生活習慣の改善や経過観察を指示されている
  • 数値管理のために検査を受けている

持病があると、「団信は難しいのでは」と不安になる人も多いと思います。

でも、状態が安定していれば検討できる場合があります。

大切なのは、通院していること自体を隠すのではなく、現在どのような状態なのかを正しく伝えることです。

薬の名前、服薬期間、通院頻度、検査結果などを整理しておくと、金融機関や保険会社に相談しやすくなります。

健康診断で再検査・要治療の指摘を受けている場合

健康診断で再検査や要治療の指摘を受けている場合も、団信の審査で確認される可能性があります。

たとえば、血圧、血糖値、脂質、肝機能、心電図、尿検査などで異常を指摘されたケースです。

「まだ病気と診断されたわけではないから大丈夫」と考えたくなるかもしれません。

ただ、告知書で健康診断の指摘や検査結果について聞かれる場合は、正しく記入する必要があります。

再検査を受けていない状態だと、現在の健康状態を判断しにくくなる場合もあります。

健康診断で指摘を受けている場合は、借り換えを急ぐ前に、再検査や医師の診断を受けて状況を整理しておくと安心です。

うつ病・適応障害など精神疾患の治療歴がある場合

うつ病や適応障害など、精神疾患の治療歴がある場合も、団信の審査で確認されることがあります。

現在通院中なのか、すでに治療が終了しているのか、薬を飲んでいるのか、休職歴があるのかなどが関係する場合があります。

精神疾患の治療歴があるからといって、すべての選択肢がなくなるわけではありません。

金融機関や団信の種類によって、判断が変わる場合もあります。

一般団信が難しい場合でも、ワイド団信や団信なしの住宅ローンを検討できる可能性があります。

不安な場合は、最初から1社だけに絞らず、複数の選択肢を確認しましょう。

糖尿病・高血圧・心疾患などがある場合

糖尿病、高血圧、心疾患などがある場合も、団信の告知で確認されることがあります。

これらは生活習慣病として身近な病気ですが、団信では重要な健康情報として見られることがあります。

ただし、同じ高血圧でも、薬で数値が安定している人もいれば、合併症がある人もいます。

糖尿病でも、血糖値の管理状況、合併症の有無、通院頻度などによって状況は変わります。

心疾患についても、病名、治療歴、手術歴、現在の検査結果などによって判断される場合があります。

病名だけではなく、「今どのような状態なのか」を整理しておくことが大切です。

団信に入れないと言われたときに確認すべきこと

団信に入れないと言われたときは、すぐに別の住宅ローンへ申し込むのではなく、まず状況を整理しましょう。

理由がわからないまま次に進むと、同じ内容でまた審査が通らなかったり、本来なら検討できた選択肢を見落としたりする可能性があります。

どの団信で難しかったのか確認する

最初に確認したいのは、「どの団信で難しかったのか」です。

団信には、次のような種類があります。

  • 一般団信
  • がん団信
  • 三大疾病保障付き団信
  • 八大疾病保障付き団信
  • 全疾病保障付き団信
  • ワイド団信

同じ「団信に入れなかった」という結果でも、どの団信で難しかったのかによって、その後の選択肢は変わります。

たとえば、がん団信や三大疾病保障付き団信で難しかったとしても、一般団信なら検討できる場合があります。

一般団信でも難しい場合は、ワイド団信や団信なしローンまで選択肢を広げて考える必要があります。

「団信がダメだった」とひとまとめにせず、どの種類の団信で審査が通らなかったのかを整理しましょう。

疾病保障付き団信と一般団信を分けて考える

団信に入れないと言われた場合は、疾病保障付き団信と一般団信を分けて考えることが大切です。

一般団信は、主に死亡や所定の高度障害状態・身体障害状態など、団信ごとに定められた支払事由に備える基本的な保障です。

一方で、がん団信や三大疾病団信などは、特定の病気に備える保障が追加されています。

保障が手厚くなる分、健康状態の確認もより慎重になる場合があります。

そのため、疾病保障付き団信では難しくても、一般団信なら検討できるケースがあります。

住宅ローン借り換えの目的が「金利を下げて返済負担を軽くすること」なら、まずは一般団信で借り換えできるかを確認するのも一つの方法です。

健康状態の情報を整理する

次に、健康状態のどの項目が影響した可能性があるのかを整理しましょう。

審査結果の詳細な理由は開示されないこともあります。

それでも、自分で告知した内容を振り返ることで、次に確認すべきポイントが見えてきます。

整理しておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 現在治療中の病気
  • 過去の病歴や手術歴
  • 通院や服薬の有無
  • 健康診断での指摘内容
  • 再検査や精密検査の結果
  • 休職歴や入院歴
  • 医師から受けている説明
  • 薬の名前や服薬期間
  • 直近の検査結果

「何となく不安」な状態のまま進めるより、情報を整理してから相談する方が現実的です。

他の金融機関では判断が変わる可能性がある

1社で団信に入れなかったとしても、他の金融機関や保険会社で同じ結果になるとは限りません。

金融機関によって、提携している保険会社や取り扱う団信の種類が異なる場合があります。

そのため、ある金融機関では難しかった内容でも、別の金融機関では違う判断になることがあります。

ただし、どこなら通ると簡単に言えるものではありません。

健康状態や告知内容によって判断されるため、結果は実際に確認しないとわからない部分があります。

団信に不安がある人は、金利の低さだけで金融機関を選ぶより、団信の選択肢があるかどうかも重視しましょう。

告知内容を自己判断で省略しない

団信の告知では、聞かれている内容に対して正確に答えることが大切です。

「これは軽い症状だから書かなくていいかな」

「薬は飲んでいるけど、生活に支障はないから大丈夫そう」

「数年前のことだから関係ないかも」

このように自己判断で省略するのは避けましょう。

告知書は、保険会社が加入可否を判断するための重要な書類です。

聞かれている期間や内容に該当する場合は、ありのまま記入する必要があります。

書き方に迷う場合は、自分だけで判断せず、金融機関の担当者や保険会社に確認しましょう。

虚偽告知があると、万一のときに保険金が支払われない可能性があります。

その場合、住宅ローン残高が残り、家族が返済を続けなければならない状況になるかもしれません。

金利を下げるために借り換えたのに、結果として家族に大きな負担を残すことは避けたいところです。

選択肢1:一般団信で申し込めるか確認する

団信に不安がある場合でも、まずは一般団信で申し込めるか確認しましょう。

一般団信は、主に死亡や所定の高度障害状態・身体障害状態など、団信ごとに定められた支払事由に備える基本的な団信です。

疾病保障付き団信に比べると保障範囲は限定されますが、その分、借り換えの選択肢を確保しやすくなる場合があります。

たとえば、次のようなケースでは、一般団信で再検討する価値があります。

  • がん団信の審査で難しかった
  • 三大疾病保障付き団信の審査で難しかった
  • 保障を付けたことで金利上乗せが大きくなった
  • 借り換えの目的が金利負担の軽減である
  • すでに別の生命保険で病気への備えがある

疾病保障付き団信にこだわりすぎると、借り換えの選択肢が狭くなる場合があります。

まずは一般団信で借り換えできるかを確認し、そのうえで保障を追加するか考えると判断しやすくなります。

選択肢2:ワイド団信を検討する

一般団信が難しい場合に検討したいのが、ワイド団信です。

ワイド団信は、一般団信よりも引受条件が広めに設定されている団信です。

持病や通院歴がある人でも、一般団信では難しかったものの、ワイド団信なら検討できる場合があります。

ただし、ワイド団信も生命保険の一種です。

申し込めば誰でも加入できるものではなく、健康状態や告知内容をもとに審査されます。

ワイド団信は金利が上乗せされることが多い

ワイド団信を利用する場合、住宅ローン金利に上乗せが発生することが多いです。

金利上乗せ幅は金融機関や商品によって異なります。

たとえば、金融機関によってはワイド団信の上乗せ金利が年0.30%程度になる場合があります。

通常金利が年0.70%でも、ワイド団信の上乗せが年0.30%なら、実際には年1.00%で考える必要があります。

項目金利の例
借り換え先の住宅ローン金利年0.70%
ワイド団信の上乗せ年0.30%
実際に見るべき金利年1.00%

広告や比較サイトで見た金利だけで判断せず、ワイド団信の上乗せ後の金利で総返済額を確認しましょう。

金利上乗せ後でも借り換えメリットが出るか確認する

ワイド団信を使う場合は、金利上乗せ後でも借り換えメリットが出るかを確認することが大切です。

借り換えでは、金利差だけでなく、諸費用もかかります。

主な費用には、事務手数料、保証料、登記費用、印紙代、司法書士報酬などがあります。

金利が少し下がっても、諸費用を含めるとトータルではあまり得にならないケースもあります。

確認するときは、次の順番で見ると判断しやすいです。

  1. 現在の住宅ローン金利を確認する
  2. 借り換え先の通常金利を確認する
  3. ワイド団信の金利上乗せ幅を確認する
  4. 諸費用を含めた総返済額を試算する
  5. 現在の団信保障を失う影響も考える

僕なら、ワイド団信込みで金利差が小さくなる場合は、すぐに借り換えを進めず、今の団信を維持する選択肢も残して比較します。

選択肢3:団信なしで利用できる住宅ローンを検討する

ワイド団信でも難しい場合は、団信なしで利用できる住宅ローンを検討する方法があります。

代表的な選択肢としては、フラット35があります。

フラット35は、健康上の理由などで団信に加入しない場合でも利用できる住宅ローンです。

ただし、団信なしで借り換える場合は、慎重に判断する必要があります。

契約者に万一のことがあったときに、住宅ローン残高がそのまま家族に残る可能性があるからです。

金利や毎月返済額だけを見ると魅力的に感じても、保障がない状態で大きなローンを抱えるリスクは小さくありません。

フラット35は団信に加入しない選択肢がある

フラット35は、団信に加入しない選択肢があります。

健康上の理由などで団信に加入できない人にとっては、借り換えの可能性を残せる選択肢になります。

また、フラット35は全期間固定金利の住宅ローンなので、借り入れ後の金利変動リスクを避けたい人にも向いています。

ただし、フラット35を借換融資として利用するには、申込要件や住宅の技術基準などを満たす必要があります。

団信に入らなくても使えるからといって、誰でも希望どおりに借り換えできるわけではありません。

また、フラット35で新機構団信に加入しない場合、借入金利は新機構団信付きフラット35の借入金利から年0.2%差し引かれます。

ただし、フラット35保証型の団信条件は取扱金融機関によって異なるため、個別に確認が必要です。

一見すると金利が下がるように見えますが、これは団信という保障を外している状態です。

金利だけで比較せず、万一のときに住宅ローンが残るリスクまで含めて判断しましょう。

団信なしの場合、家族に返済負担が残る

団信なしで住宅ローンを借り換えた場合に家族へ返済負担が残るリスクを示した図解

団信なしで住宅ローンを借りる最大の注意点は、契約者に万一のことがあったときに住宅ローンが残ることです。

団信に加入していれば、死亡や所定の身体障害状態など、団信ごとに定められた支払事由に該当した場合、住宅ローン残高が保険金で返済される仕組みです。

ただし、保障対象は団信の種類によって異なるため、申込前に保障内容を確認しましょう。

団信なしの場合は、その保障がありません。

たとえば、住宅ローン残高が2,000万円ある状態で契約者が亡くなった場合、団信に加入していなければ、その2,000万円の返済が残ります。

家族が住み続けるなら、残された家族が返済を続ける必要があります。

返済が難しければ、家を売却する判断が必要になるかもしれません。

団信なしローンは、借り換えの選択肢にはなります。

ただし、家族に住宅ローンを残すリスクとセットで考える必要があります。

生命保険で代替できるか確認する

団信なしで借り換える場合は、生命保険や収入保障保険で住宅ローン残高をカバーできるか確認しましょう。

確認したいのは、次のポイントです。

  • 死亡保険金はいくらあるか
  • 住宅ローン残高をカバーできるか
  • 子どもの教育費や生活費も残せるか
  • 保険期間は住宅ローン完済時期まで足りるか
  • 保険料が家計の負担になりすぎないか
  • 持病があっても追加加入や増額ができるか

たとえば、住宅ローン残高が2,500万円あるのに、死亡保険金が500万円しかない場合、差額の2,000万円は家族の負担になる可能性があります。

また、住宅ローンだけをカバーできても、生活費や教育費が不足することもあります。

団信なしで借り換える場合は、「住宅ローン返済額+生命保険料」で家計負担を比較しましょう。

選択肢4:別の金融機関で団信審査を受ける

団信に入れないと言われた場合でも、別の金融機関で団信審査を受ける選択肢があります。

住宅ローンの団信は、すべての金融機関でまったく同じ条件というわけではありません。

金融機関によって、取り扱っている団信の種類や、提携している保険会社が異なる場合があります。

そのため、1社で団信に入れなかったとしても、他の金融機関なら検討できる可能性があります。

団信の取り扱いは金融機関によって異なる

一般団信だけを扱っている金融機関もあれば、ワイド団信、がん団信、三大疾病保障付き団信など、複数の団信を用意している金融機関もあります。

また、同じように見える団信でも、保障内容や加入条件が違う場合があります。

たとえば、A銀行では一般団信が難しかった人でも、B銀行のワイド団信なら検討できる可能性があります。

反対に、金利が低い銀行でも、団信の選択肢が少ない場合は、健康状態に不安がある人には合わないこともあります。

団信に不安がある人が借り換え先を選ぶときは、金利だけで比較しないことが大切です。

「どんな団信を扱っているか」まで確認しておきましょう。

やみくもに何社も申し込むのは避ける

別の金融機関を確認することは大切ですが、やみくもに何社も申し込むのはおすすめしません。

住宅ローンの申し込みをすると、金融機関が信用情報を確認することがあります。

信用情報には、ローンの新規申し込み時に金融機関などが照会した事実が一定期間残ります。

たとえば、CICでは申込情報の保有期間は照会日より6か月間とされています。

ただし、住宅ローン審査では金融機関が参照する信用情報機関が異なる場合もあります。

複数社を比較すること自体が悪いわけではありません。

ただし、「とりあえず片っ端から申し込む」という進め方は避けた方が安心です。

まずは、次のポイントを整理しましょう。

  • 現在の住宅ローン残高
  • 現在の金利
  • 残り返済期間
  • 借り換え希望額
  • 健康状態や治療歴
  • 希望する団信の種類
  • ワイド団信の必要性
  • 団信なしローンも検討するか

この情報を整理したうえで、自分に合いそうな金融機関を数社に絞って相談すると、効率よく進めやすくなります。

選択肢5:借り換えをせず、現在の住宅ローンを維持する

団信に入れない可能性がある場合は、借り換えをせず、現在の住宅ローンを維持する判断も大切です。

住宅ローン借り換えというと、「金利が下がるなら借り換えた方がよい」と考えがちです。

たしかに、金利差が大きく、諸費用を含めても総返済額が下がるなら、借り換えは有力な選択肢になります。

ただし、団信に不安がある場合は話が少し変わります。

今の住宅ローンで団信に加入できているなら、その保障を維持できていること自体が大きな安心材料です。

借り換えによって毎月の返済額が少し下がったとしても、団信保障を失うリスクが大きい場合は、現在のローンを維持した方がよいケースもあります。

金利差より保障継続を優先すべき場合がある

住宅ローン借り換えでは、金利差が大きな判断材料になります。

ただし、団信に不安がある人の場合、金利差よりも保障継続を優先した方がよい場面もあります。

たとえば、借り換えで毎月5,000円返済が下がるとします。

年間では6万円、10年で60万円の負担軽減です。

これは家計にとって大きなメリットです。

しかし、借り換えによって団信なしになり、万一のときに住宅ローン残高が2,000万円残るとしたらどうでしょうか。

この場合、金利メリットだけでは判断しにくくなります。

特に、家族がローンを引き継いで返済するのが難しい家庭では、現在の団信を維持する意味は大きいです。

借り換えで得する金額と、失う保障の大きさを並べて考えましょう。

繰上げ返済で利息負担を減らす方法もある

借り換えが難しい場合でも、利息負担を減らす方法はあります。

そのひとつが繰上げ返済です。

繰上げ返済をすると、元金を減らせるため、その分、将来支払う利息を減らせる可能性があります。

借り換えのように新しい団信審査を受ける必要がないため、現在の団信を維持したまま返済負担の軽減を目指せます。

繰上げ返済には、大きく分けて次の2つがあります。

種類特徴
期間短縮型毎月返済額は変えず、返済期間を短くする方法
返済額軽減型返済期間は変えず、毎月返済額を下げる方法

利息軽減効果を重視するなら、一般的には期間短縮型の方が効果は出やすいです。

一方で、毎月の家計負担を軽くしたいなら、返済額軽減型の方が合う場合もあります。

ただし、繰上げ返済で手元資金を減らしすぎると、教育費、修繕費、病気や失業などへの備えが弱くなります。

生活防衛資金を残したうえで、無理のない範囲で検討しましょう。

現在の金融機関に金利条件を相談する方法もある

借り換えが難しい場合は、現在の金融機関に金利条件を見直せる余地があるか相談してみる方法もあります。

借り換えほど大きな効果が出るとは限りませんが、現在の住宅ローンを維持したまま金利を見直せる可能性があります。

この方法のメリットは、今の団信を維持したまま返済負担を下げられる可能性があることです。

相談前に整理しておきたい内容は、以下のとおりです。

  • 現在の住宅ローン金利
  • 現在の住宅ローン残高
  • 残り返済期間
  • 他行で借り換えた場合の金利
  • 借り換え時にかかる諸費用
  • 毎月返済額の差
  • 総返済額の差

金利条件の見直しに応じてもらえるかは金融機関の判断になります。

必ず希望どおりになるものではありません。

それでも、団信に不安があり、借り換えによって保障を失いたくない人にとっては、確認する価値のある選択肢です。

団信に不安がある人が借り換え前に比較すべきポイント

住宅ローン借り換え前に金利、諸費用、団信、生命保険、ローン残高、総返済額、家族のリスクを確認するチェックリスト図解

団信に入れない可能性がある人は、借り換え前に「金利」だけでなく、「保障」と「総返済額」をセットで比較することが大切です。

比較したいポイントは、以下のとおりです。

比較項目確認する内容
現在の金利今の住宅ローン金利
借り換え後の金利通常金利だけでなく、団信上乗せ後の金利
諸費用事務手数料、登記費用、司法書士報酬、印紙代など
ワイド団信の上乗せ上乗せ後でも借り換えメリットがあるか
団信なしのリスク万一のときに住宅ローンが残る可能性
生命保険住宅ローン残高をカバーできるか
残り返済期間諸費用を回収できる期間が残っているか
住宅ローン残高借り換え効果と万一のリスク額を確認
現在の団信借り換えで失う保障はないか
総返済額諸費用や保険料を含めて得になるか

特に団信に不安がある人は、次の3パターンを並べて比較すると判断しやすくなります。

比較パターン確認すること
現在のローンを継続今の団信保障を維持した場合の総返済額
ワイド団信で借り換え金利上乗せ後の総返済額
団信なしで借り換え生命保険料も含めた実質負担

借り換えは、表面的な金利差だけでは判断しにくいです。

いくら得するかだけでなく、どんな保障を失うかまで含めて考えましょう。

住宅ローン借り換え全体の判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

団信に入れない場合にやってはいけないこと

団信に入れない可能性がある場合、焦って判断すると後悔につながることがあります。

特に注意したいのは、健康状態を隠して申し込むことや、団信なしローンを軽く考えてしまうことです。

健康状態を隠して申し込む

健康状態を隠して団信に申し込むのは避けましょう。

団信の告知では、現在の健康状態や過去の病歴、通院歴、服薬状況などを聞かれることがあります。

ここで事実と違う内容を書いたり、聞かれている内容を意図的に書かなかったりすると、告知義務違反と判断される可能性があります。

問題は、団信の審査に通ったように見えても、万一のときに保障を受けられない場合があることです。

住宅ローン残高が残れば、家族が返済を続けることになるかもしれません。

団信に不安がある場合は、隠して申し込むのではなく、ワイド団信、団信なしローン、借り換えしない判断も含めて検討しましょう。

金利の低さだけで団信なしローンを選ぶ

団信なしローンを、金利の低さだけで選ぶのも注意が必要です。

団信に加入しない場合、団信付きの住宅ローンより金利が低く見えることがあります。

そのため、「団信なしの方が返済額を減らせる」と感じる人もいると思います。

ただし、団信なしということは、万一のときに住宅ローンが残る可能性があるということです。

生命保険や貯蓄でカバーできるなら、選択肢として検討できる場合もあります。

しかし、保障の代替策がないまま団信なしローンを選ぶのは危険です。

団信なしで借り換える場合は、「住宅ローン返済額+生命保険料」で家計負担を比較しましょう。

家族に相談せず団信なしで借り換える

団信なしで借り換えるなら、家族に相談せず進めるのは避けましょう。

住宅ローンは契約者本人が返済していくものですが、万一のときに影響を受けるのは家族です。

特に配偶者や子どもがいる家庭では、団信なしの判断は家族全体の生活設計に関わります。

家族と話すときは、以下の内容を共有すると判断しやすくなります。

  • 現在の住宅ローン残高
  • 借り換え後の毎月返済額
  • 団信なしにする理由
  • 万一のときに残る返済額
  • 生命保険でカバーできる金額
  • 返済が難しい場合の対応策

借り換えで毎月の負担が下がることだけでなく、失う保障についても共有しましょう。

諸費用を含めずに借り換えメリットを判断する

住宅ローン借り換えでは、諸費用を含めて判断しましょう。

金利が下がると、借り換えメリットが大きく見えることがあります。

でも、実際には事務手数料、登記費用、司法書士報酬、印紙代などの諸費用がかかります。

ワイド団信を利用する場合は、金利上乗せも考える必要があります。

団信なしで借り換えるなら、生命保険料も実質的な負担として見ておきたいところです。

たとえば、毎月の返済額が5,000円下がっても、借り換え諸費用が50万円かかるなら、単純計算で回収まで約8年4か月かかります。

残り返済期間が短い場合は、諸費用を回収しきれないこともあります。

借り換え前には、現在の総返済額、借り換え後の総返済額、諸費用、団信の上乗せ金利、生命保険料を並べて確認しましょう。

現在の団信を失うリスクを軽く考える

現在の団信を失うリスクを軽く考えるのも避けたいポイントです。

今の住宅ローンで団信に加入できているなら、それは家族にとって大切な保障です。

借り換えをすると、現在の住宅ローンは完済されるため、今の団信は基本的に引き継げません。

新しい住宅ローンで団信に入れない場合、保障がなくなる可能性があります。

金利が下がるメリットは目に見えやすいです。

一方で、団信を失うリスクは、普段の生活では見えにくいです。

でも、万一のときに家族の生活へ与える影響は大きくなりやすいです。

団信に不安がある人は、金利、諸費用、保障、家族への影響を並べて判断しましょう。

健康状態に不安がある人の住宅ローン借り換えの進め方

住宅ローン借り換えの相談前に返済予定表、健康診断結果、お薬手帳、生命保険証券などを整理する男性のイラスト

健康状態に不安がある人は、住宅ローン借り換えをいきなり申し込むのではなく、順番を決めて進めることが大切です。

おすすめの流れは、次のとおりです。

  1. 現在の健康状態と治療歴を整理する
  2. 告知書で聞かれる内容を確認する
  3. 一般団信・ワイド団信・団信なしの順に選択肢を整理する
  4. 借り換えメリットを総返済額で確認する
  5. 家族に万一の返済リスクを共有する
  6. 必要に応じてFPや金融機関に相談する

この順番で進めると、「借り換えできるか」だけでなく、「借り換えても家族が困らないか」まで確認しやすくなります。

現在の健康状態と治療歴を整理する

最初にやることは、現在の健康状態と治療歴を整理することです。

整理しておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 現在治療中の病気
  • 過去に治療した病気
  • 入院や手術の有無
  • 通院頻度
  • 服薬している薬の名前
  • 健康診断で指摘された内容
  • 再検査や精密検査の結果
  • 医師から受けている説明
  • 現在の症状や数値の安定状況

たとえば、高血圧で通院している場合でも、薬で数値が安定しているのか、最近治療を始めたばかりなのかで印象は変わります。

糖尿病や心疾患なども、病名だけでなく、現在の管理状況や合併症の有無などが関係する場合があります。

告知書で聞かれる内容を事前に確認する

次に、団信の告知書でどのような内容を聞かれるのか確認しましょう。

聞かれる内容は団信の種類や保険会社によって異なりますが、現在の病気、過去の治療歴、入院・手術歴、健康診断での指摘などが対象になることがあります。

大切なのは、告知書で聞かれている内容に対して、正確に答えることです。

「これは軽い症状だから書かなくていいかな」と自己判断するのは避けましょう。

薬の名前や治療期間を忘れている場合は、病院の明細、お薬手帳、健康診断結果などを見直しておくと安心です。

一般団信・ワイド団信・団信なしの順に選択肢を整理する

健康状態に不安がある場合は、団信の選択肢を順番に整理しましょう。

おすすめは、次の順番です。

順番選択肢考え方
1一般団信まず基本の団信で検討できるか確認する
2ワイド団信一般団信が難しい場合に検討する
3団信なしローンワイド団信も難しい場合の選択肢として考える
4借り換えしない現在の団信を維持する判断も含める

団信なしローンは「借り換えできるから選ぶ」のではなく、「家族への保障を別の方法で用意できるか」まで確認したうえで考えたい選択肢です。

また、現在の住宅ローンで団信に加入できているなら、借り換えしない判断も大切です。

借り換えメリットを総返済額で確認する

団信の選択肢を整理したら、借り換えメリットを総返済額で確認しましょう。

住宅ローン借り換えでは、毎月返済額だけを見ると判断を間違えやすいです。

本当に見るべきなのは、諸費用や団信の金利上乗せまで含めた総返済額です。

特に健康状態に不安がある人は、次のパターンで比較すると判断しやすくなります。

比較パターン確認するポイント
現在のローンを継続今の団信保障を維持できる
一般団信で借り換え金利差と諸費用を確認する
ワイド団信で借り換え金利上乗せ後でも得になるか確認する
団信なしで借り換え生命保険料も含めて比較する

借り換えで毎月返済額が下がっても、保険料を追加すると家計負担があまり変わらない場合もあります。

また、諸費用を回収するまでに何年かかるかも確認しておきましょう。

家族に万一の返済リスクを共有する

団信に不安がある場合は、家族にも返済リスクを共有しましょう。

特に団信なしで借り換える場合や、現在の団信を失う可能性がある場合は、本人だけで判断しない方が安心です。

家族と話すときは、次の内容を共有すると判断しやすくなります。

  • 現在の住宅ローン残高
  • 借り換え後の返済額
  • 借り換えで減る利息額
  • 現在の団信保障
  • 借り換え後の団信保障
  • 団信なしの場合に残るリスク
  • 生命保険でカバーできる金額
  • 返済が難しくなった場合の対応策

「金利が下がるから借り換えたい」と伝えるだけでは、家族にリスクが伝わりにくいです。

借り換えで得られるメリットと、失う可能性がある保障をセットで共有しましょう。

必要に応じてFPや金融機関に相談する

団信や借り換え判断に迷う場合は、FPや金融機関に相談するのも選択肢です。

金融機関には、団信の取り扱いや借り換え条件を確認できます。

FPには、住宅ローンだけでなく、生命保険や教育費、老後資金まで含めた家計全体の相談がしやすいです。

相談前には、以下の情報を用意しておくと話が進みやすくなります。

  • 現在の住宅ローン返済予定表
  • 現在の金利と残高
  • 残り返済期間
  • 借り換え候補の条件
  • 団信の加入状況
  • 生命保険の保障内容
  • 健康状態や治療歴の整理メモ
  • 家族構成と今後の大きな支出予定

相談するときは、「借り換えた方がよいか」だけでなく、「現在の団信を失っても大丈夫か」「団信なしの場合に生命保険で補えるか」まで確認しましょう。

団信に入れない場合の住宅ローン借り換えFAQ

Q
団信に入れないと住宅ローンの借り換えはできませんか?
A

団信に入れない場合でも、借り換えの選択肢が残ることはあります。

民間金融機関の住宅ローンでは、団信加入が条件になっているケースが多いです。

そのため、一般団信に加入できないと、希望する金融機関では借り換えが難しくなる場合があります。

ただし、ワイド団信を扱っている金融機関を検討したり、フラット35のように団信なしで利用できる住宅ローンを確認したりする方法もあります。

まずは、一般団信、ワイド団信、団信なしローン、現状維持の順に選択肢を整理しましょう。

Q
ワイド団信なら必ず入れますか?
A

ワイド団信でも、加入できるかどうかは審査によって判断されます。

ワイド団信は、一般団信より引受条件が広めに設定されている団信です。

そのため、持病や通院歴がある人でも、一般団信より検討しやすい場合があります。

ただし、ワイド団信も生命保険の一種です。

健康状態、治療内容、服薬状況、通院頻度、検査結果などによっては、加入が難しい場合もあります。

また、ワイド団信は金利が上乗せされることが多いため、加入できるかだけでなく、金利上乗せ後でも借り換えメリットが出るかを確認しましょう。

Q
団信に落ちたことは他の金融機関に知られますか?
A

団信の審査結果そのものが、他の金融機関にそのまま共有されるわけではありません。

ただし、住宅ローンの申し込みや審査では、金融機関が信用情報を確認することがあります。

信用情報には申込情報が一定期間残るため、短期間に何社も申し込むより、事前相談で団信の取り扱いを確認してから進める方が安心です。

特に、ワイド団信の有無や、疾病保障付き団信を外して一般団信で申し込めるかを先に確認しておきましょう。

Q
病歴を隠して申し込むとどうなりますか?
A

病歴や健康状態を隠して団信に申し込むのは避けましょう。

団信の告知では、聞かれている内容に対して正確に答える必要があります。

もし事実と違う内容で申し込んだ場合、万一のときに保険金が支払われない可能性があります。

その場合、住宅ローン残高が残り、家族が返済を続けなければならない状況になるかもしれません。

団信に入りたい気持ちはわかります。

でも、健康状態を隠して進めるより、ワイド団信、団信なしローン、生命保険での備え、現状維持を含めて考える方が現実的です。

Q
高血圧や糖尿病でも団信に入れる可能性はありますか?
A

高血圧や糖尿病があっても、団信に入れる可能性はあります。

ただし、加入できるかどうかは、病名だけで決まるわけではありません。

現在の数値、服薬状況、通院頻度、合併症の有無、医師の管理状況なども関係する場合があります。

不安な場合は、一般団信だけでなく、ワイド団信も候補に入れて確認しましょう。

Q
うつ病や適応障害の治療歴があると団信は難しいですか?
A

うつ病や適応障害などの治療歴がある場合、団信の審査で確認されることがあります。

現在治療中なのか、服薬しているのか、通院頻度はどれくらいか、休職歴があるのかなどが確認対象になる場合があります。

ただし、治療歴があるからといって、すべての選択肢がなくなるわけではありません。

治療が終了している場合や、状態が安定している場合など、状況によって判断が変わることがあります。

一般団信が難しい場合でも、ワイド団信や団信なしローンを検討できる可能性があります。

Q
がん団信に入れなくても一般団信なら通ることはありますか?
A

がん団信に入れない場合でも、一般団信なら検討できることがあります。

がん団信は、一般団信よりも保障範囲が広い団信です。

その分、健康状態の確認がより慎重になる場合があります。

一方で、一般団信は主に死亡や所定の高度障害状態・身体障害状態など、団信ごとに定められた支払事由に備える基本的な団信です。

がん団信や三大疾病保障付き団信で難しかったとしても、一般団信では判断が変わる可能性があります。

団信に不安がある場合は、「どの団信で難しかったのか」を分けて考えましょう。

Q
フラット35なら団信なしで借り換えできますか?
A

フラット35は、団信に加入しない選択肢があります。

そのため、健康上の理由などで団信に入れない場合でも、借り換えを検討できる可能性があります。

ただし、フラット35を借換融資として利用するには、申込要件や住宅の技術基準などを満たす必要があります。

団信なしで利用できるからといって、希望すれば誰でも借り換えできるわけではありません。

また、団信なしで借り換える場合は、契約者に万一のことがあったときに住宅ローンが残るリスクがあります。

フラット35を検討するときも、金利だけでなく、家族への保障や生命保険の内容まで確認しましょう。

Q
団信なしで借り換える場合、生命保険で代用できますか?
A

生命保険で団信の代わりに備える考え方はあります。

ただし、団信と完全に同じ仕組みではありません。

生命保険で代用するなら、死亡保険金で住宅ローン残高をカバーできるか、住宅ローン完済まで保険期間が続くか、生活費や教育費の保障も残せるかを確認しましょう。

また、健康状態によっては生命保険の追加加入や増額が難しい場合もあります。

団信なしで借り換える場合は、生命保険があるかどうかだけでなく、保障額と保険期間まで確認することが大切です。

Q
現在の団信を残したまま借り換えできますか?
A

原則として、現在の住宅ローンに付いている団信を新しい住宅ローンへそのまま引き継ぐことはできません。

借り換え後に保障を持つには、新しい住宅ローン側であらためて団信に申し込む必要があります。

健康状態に不安がある人は、今の団信を維持する価値も含めて比較しましょう。

Q
団信に入れない場合は借り換えより繰上げ返済の方がよいですか?
A

団信に入れない場合、借り換えより繰上げ返済の方が合うケースもあります。

現在の住宅ローンで団信に加入できているなら、繰上げ返済はその団信を維持したまま利息負担を減らせる方法です。

一方で、借り換えをすると現在の団信は基本的に引き継げません。

そのため、新しい団信に入れない場合は、保障が弱くなる可能性があります。

ただし、繰上げ返済にも注意点があります。

手元資金を減らしすぎると、教育費、修繕費、病気や失業への備えが不足するかもしれません。

借り換え、繰上げ返済、金利条件の相談、現状維持を並べて比較しましょう。

まとめ:団信に入れない場合は、借り換え以外の選択肢も含めて判断しよう

住宅ローン借り換えで団信に入れない可能性がある場合は、金利の低さだけで判断しないことが大切です。

借り換えによって毎月の返済額が下がると、家計は楽になります。

ただし、現在の住宅ローンについている団信を失う可能性もあるため、家族への保障まで含めて考える必要があります。

団信に不安がある場合は、一般団信、ワイド団信、団信なしローン、別の金融機関での審査、現状維持を並べて比較しましょう。

借り換えだけでなく、繰上げ返済や現在の金融機関への相談も選択肢になります。

借り換えは有効な選択肢のひとつです。

でも、団信に不安がある人にとっては、「借り換えできるか」よりも「借り換え後も家族が困らないか」の方が重要になる場合があります。

ワイド団信は有力な選択肢ですが、金利が上乗せされることが多いため、上乗せ後でも借り換えメリットが残るか確認しましょう。

フラット35のように団信なしで利用できる住宅ローンもありますが、万一のときに住宅ローンが残るリスクがあります。

生命保険や貯蓄でカバーできるか、配偶者や家族が返済を続けられるかを確認したうえで判断しましょう。

そして、現在の団信に加入できているなら、それを維持する価値も忘れてはいけません。

借り換えで得られる金利メリットと、失う可能性がある保障を並べて比較することが大切です。

住宅ローン借り換えは、団信だけでなく、金利差・諸費用・残り返済期間によっても結果が変わります。

借り換え全体の判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:住宅ローン借り換え一括比較ガイド|金利差・諸費用で損しない選び方

団信に不安があると、借り換えに前向きになりにくいかもしれません。

でも、選択肢を整理すれば、無理に借り換えるべきか、今のローンを維持すべきかが見えやすくなります。

焦らず、金利・保障・家族へのリスクを並べて、納得できる形を選んでいきましょう。

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