住宅ローンの借り換えを検討し始めると、
「まず何から始めればいい?」
「今借りている銀行には、いつ連絡する?」
「新しい住宅ローンの契約と完済は、どちらが先?」
と、手続きの順番が分かりにくく感じるかもしれません。
住宅ローンの借り換えは、大きく分けると次の6ステップで進みます。
事前審査 → 本審査 → 現在の金融機関への完済連絡 → 新しい住宅ローンの契約 → 登記・本人確認などの準備 → 融資実行・現在のローン完済
特に混乱しやすいのが、本審査後です。
現在借りている金融機関へ完済を申し出ながら、新しい金融機関との契約や登記の準備を進め、融資実行日と完済日を調整していきます。
この記事では、住宅ローンを借り換えるときに「何を、どの順番で進めるのか」に絞って解説します。
審査基準や諸費用、金利タイプなど詳しい説明が必要なテーマは、専用記事もあわせて紹介します。
※実際の手続き方法や順番、必要書類、所要期間は金融機関や商品、申込条件によって異なります。最終的には利用する金融機関の案内を確認してください。
住宅ローン借り換えの流れを6ステップで確認

まずは、借り換え手続きの全体像を確認しておきましょう。
| ステップ | 主な手続き | 確認すること |
|---|---|---|
| STEP1 | 事前審査 | 申込方法、本審査への進み方 |
| STEP2 | 本審査 | 必要書類、追加確認の有無 |
| STEP3 | 現在の金融機関へ完済の連絡 | 完済日、完済金額、手続き方法 |
| STEP4 | 新しい住宅ローンを契約 | 金利、返済期間、諸費用、団信、融資実行日 |
| STEP5 | 登記・本人確認などの準備 | 抵当権の抹消・設定、必要な本人確認 |
| STEP6 | 融資実行・現在のローンを完済 | 資金移動、完済、登記、新ローンの返済開始 |
金融機関によって名称や細かな順番が異なる場合はありますが、大きな流れをつかむなら、この6段階で考えると分かりやすくなります。
それぞれの手続きを順番に見ていきましょう。
STEP1:借り換え先の事前審査を申し込む
住宅ローンを借り換える場合、最初の段階となるのが借り換え先への事前審査です。
事前審査では、希望する借入額や現在の住宅ローン、本人に関する基本情報などを入力して申し込みます。
金融機関によっては、この段階で本人確認書類などの提出を求められる場合もあります。
ここで押さえておきたいのは、事前審査と本審査は別の工程ということです。
事前審査の結果だけで借り換えが最終的に確定するわけではありません。その後、案内に従って本審査へ進みます。
申込方法や必要となる情報・書類は金融機関によって異なるため、申込先の案内を確認しながら進めましょう。
住宅ローン借り換えの審査や必要書類について詳しく確認したい方は、住宅ローン借り換えの審査・必要書類をまとめた記事で整理しています。
STEP2:本審査を受ける
事前審査後、借り換えを進める場合は本審査を申し込みます。
本審査では、金融機関から案内された書類を提出し、申込内容について確認を受けます。
申込内容によっては、追加書類の提出や確認を求められることもあります。
本審査の結果や確認事項、必要な書類は金融機関・商品・申込条件によって異なります。
そのため、ここでは細かな審査基準を一つずつ考えるよりも、
という手続きを着実に進めることが基本です。
本審査の結果を確認し、借り換えを進めることになったら、次は現在住宅ローンを借りている金融機関への完済連絡に進みます。
STEP3:現在の金融機関へ完済の連絡をする
本審査の結果を確認し、借り換え先の金融機関から今後の手続きについて案内を受けたら、現在住宅ローンを借りている金融機関へ全額返済の手続きについて確認します。
借り換えでは、新しい住宅ローンの資金を使って現在の住宅ローンを完済するためです。
ここは、借り換え手続きの中でも特に日程調整が必要になりやすい工程です。
現在の金融機関へ連絡するときは、主に次の項目を確認します。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 全額繰上返済の申込方法 | Web・電話・窓口など、金融機関が指定する方法を確認 |
| 完済予定日 | いつ全額返済するのかを確認・調整 |
| 完済に必要な金額 | 完済予定日時点で必要となる金額を確認 |
| 完済時の手続き | 手数料の有無や支払方法などを確認 |
| 抵当権抹消に必要な書類 | 受取時期や受取方法を確認 |
借り換えでは、新しい金融機関の融資実行日と、現在の住宅ローンを完済する日を調整する必要があります。
完済を申し出てから実際に手続きできるまでの期間や、抵当権抹消書類を受け取る方法は金融機関によって異なります。
そのため、新しい金融機関から融資実行日の案内を受けたら、現在の金融機関にも早めに手続き方法を確認しておくと進めやすくなります。
ここでは自己判断で先に現在の住宅ローンを完済するのではなく、新しい金融機関の案内と日程を確認しながら進めましょう。
STEP4:新しい住宅ローンを契約する
本審査の結果を確認し、借り換えに必要な日程が決まってきたら、新しい住宅ローンの契約手続きに進みます。
契約方法は金融機関によって異なり、電子契約に対応している場合もあれば、書面や対面で手続きを行う場合もあります。
この段階では、申込時に見ていた条件だけで判断せず、実際に契約する内容をあらためて確認しましょう。
主な確認項目は次のとおりです。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 適用金利 | 実際に適用される金利と金利決定のタイミング |
| 金利タイプ | 変動金利・固定金利など |
| 返済期間 | 借り換え後の返済期間 |
| 諸費用 | 金融機関や登記などに必要となる費用 |
| 団信 | 加入条件、保障内容、特約など |
| 融資実行日 | 新しい住宅ローンが実行される予定日 |
特に金利タイプを変更する場合は、単に現在より金利が低いかだけでなく、借り換え後にどのような条件になるのかを確認しておきたいところです。
固定金利と変動金利の違いや選び方は、住宅ローン借り換えで固定・変動をどう考えるかで詳しく解説しています。
STEP5:登記・本人確認など融資実行の準備をする
住宅ローンの借り換えでは、契約だけでなく不動産の登記に関する手続きも関係します。
一般的な担保型の住宅ローンでは、不動産に「抵当権」が設定されています。
抵当権とは、住宅ローンなどの債権を担保するために、不動産に設定される権利です。住宅ローンを完済したあとは、現在設定されている抵当権を抹消し、借り換え先の住宅ローンでは新たな抵当権を設定する手続きが行われます。
借り換えでは、基本的に次の2つの登記が関係します。
- 現在の住宅ローンに設定されている抵当権を抹消する
- 新しい住宅ローンの抵当権を設定する
そのため、融資実行に向けて、登記に必要な書類や本人確認などを進めます。
金融機関や手続きによっては、司法書士が関与し、本人確認や必要書類の確認を行う場合があります。
また、金融機関が司法書士を指定するケースもあります。
自分で司法書士を探せばよいとは限らないため、新しい金融機関から案内された方法を確認して進めましょう。
この段階では、登記だけを単独で進めるのではなく、
融資実行日・現在の住宅ローンの完済日・登記手続き
を合わせて準備していくのがポイントです。
STEP6:融資実行・現在の住宅ローンを完済する
準備が整ったら、新しい住宅ローンの融資実行です。
全体像を簡単にすると、次のように進みます。

借り換え先の金融機関から融資が実行される
↓
その資金で現在の住宅ローンを完済する
↓
現在の抵当権の抹消・新しい抵当権の設定などの手続き
↓
新しい住宅ローンの返済が始まる
借り換えは、新しく借りた資金を使って現在の住宅ローンを完済する仕組みです。
ただし、実際の資金の振込方法や完済金の支払方法、抵当権抹消書類の受け取り、登記申請の順序などは金融機関や案件によって異なります。
融資実行日には金融機関や司法書士から連絡が入る場合もあるため、事前に当日の流れを確認しておくと安心です。
現在の住宅ローンの完済と必要な登記手続きが進めば、借り換え後は新しい住宅ローンの条件に沿って返済していくことになります。
住宅ローン借り換えに必要な書類を確認する
住宅ローンの借り換えでは、事前審査・本審査・契約・登記などの各段階で書類が必要になります。
必要書類は金融機関や申込条件によって異なりますが、大きく分けると次の4種類です。
| 分類 | 主な用途 |
|---|---|
| 本人確認書類 | 本人確認 |
| 収入を確認する書類 | 収入状況の確認 |
| 物件に関する書類 | 借り換え対象となる住宅の確認 |
| 現在の住宅ローンに関する書類 | 借入残高や返済状況などの確認 |
すべての書類を自己判断で先に集めるより、借り換え先の金融機関から案内された必要書類を確認して準備するのが確実です。
住宅ローン借り換えの審査と必要書類を確認すると、事前に準備すべきものを整理しやすくなります。
住宅ローン借り換えで発生する費用を確認する
住宅ローンの借り換えでは、新しい住宅ローンを契約するための費用だけでなく、現在の住宅ローンを完済したり、抵当権を切り替えたりするための費用が発生する場合があります。
主なものとしては、
などがあります。
金額や費用項目、支払うタイミングは金融機関や商品、契約方法によって異なります。
そのため、借り換え前には金利だけを見るのではなく、諸費用も含めて現在のローンを続けた場合と比較しておきましょう。
借り換え時にどのような費用が発生するのかは、住宅ローン借り換えの諸費用・手数料・登記費用を確認するで整理しています。
住宅ローン借り換えの手続きを進めるときの注意点
住宅ローンの借り換えは、順番さえ理解すれば一つずつ進められます。
ただし、複数の金融機関や登記手続きが関係するため、日程や条件の確認を後回しにしないようにしましょう。
必要書類は早めに確認する
書類準備が遅れると、本審査や契約の日程にも影響する可能性があります。
特に、すぐに手元に用意できる書類ばかりとは限りません。
本審査へ進むことになったら、金融機関から案内された必要書類を早めに確認しておきましょう。
現在の金融機関への完済連絡は日程を確認して進める
現在の住宅ローンは、希望した日にすぐ全額返済できるとは限りません。
金融機関によって申込方法や受付期限、完済日の指定方法などが異なります。
本審査後に借り換えを進めることになったら、新しい金融機関の融資実行予定と合わせて、現在の金融機関へ完済手続きの方法を確認しましょう。
契約・融資実行・登記の日程を確認する
借り換えでは、
が関係します。
どれか一つだけ日程を決めれば終わるわけではありません。
金融機関や司法書士から案内された期限を確認しながら、一つずつ予定を合わせていきましょう。
契約前に金利・諸費用・団信などの最終条件を確認する
本審査まで進んだからといって、契約内容の確認を省略してはいけません。
契約前には、
などを確認します。
申込時に比較していた条件と、最終的に契約する条件に認識の違いがないか確認してから手続きを進めましょう。
住宅ローン借り換えの流れでよくある質問
- Q住宅ローンの借り換えにはどれくらい時間がかかりますか?
- A
一律には決まりません。
事前審査・本審査にかかる時間だけでなく、必要書類の準備、現在の金融機関への完済申込、新しい金融機関との契約、登記の日程調整などによって変わります。
「何日あれば必ず完了する」と考えず、借り換え先と現在の金融機関の双方に必要な日程を確認して進めましょう。
- Q現在の金融機関にはいつ完済を連絡すればいいですか?
- A
具体的なタイミングは、借り換え先の金融機関から案内される手続きに従って確認します。
本審査の結果を確認したあとに、現在の金融機関へ全額繰上返済の申込方法や受付期限、完済可能日などを確認するケースがありますが、手順は金融機関によって異なります。
- Q在の金融機関へは何を確認すればいいですか?
- A
主に、
- 全額繰上返済の申込方法
- 完済予定日
- 完済に必要な金額
- 完済時に必要な手続きや費用
- 抵当権抹消書類の受取時期・方法
を確認します。
必要な確認項目は金融機関によって異なるため、完済の意思を伝えた際にあわせて確認しましょう。
- Q借り換え手続きはすべてオンラインで完結しますか?
- A
すべての借り換えがオンラインだけで完結するとは限りません。
審査や契約をWebで進められる金融機関もありますが、本人確認や登記関係の手続きで郵送や司法書士との面談などが必要になる場合があります。
どこまでオンラインで進められるかは、利用する金融機関の案内を確認してください。
- Q抵当権の手続きはいつ行いますか?
- A
借り換えでは、現在の住宅ローンを完済することに伴う抵当権の抹消と、新しい住宅ローンの抵当権設定が関係します。
実際の登記申請のタイミングや書類の受け渡し方法は金融機関や司法書士によって異なります。
融資実行前に、誰がどの手続きを担当するのか確認しておきましょう。
- Q融資実行日には何が行われますか?
- A
大きく見ると、新しい住宅ローンの融資が実行され、その資金で現在の住宅ローンを完済し、抵当権に関する登記手続きが進みます。
ただし、資金の振込先や完済手続き、抹消書類の受け渡しなどの細かな流れは金融機関によって異なります。
事前に当日の流れを確認しておくと、手続きしやすくなります。
まとめ|流れを把握してから借り換え条件を比較する
住宅ローン借り換えの基本的な流れは、次の6ステップです。
- 借り換え先の事前審査を申し込む
- 本審査を受ける
- 現在の金融機関へ完済の連絡をする
- 新しい住宅ローンを契約する
- 登記・本人確認など融資実行の準備をする
- 融資実行・現在の住宅ローンを完済する
特に覚えておきたいのは、本審査が終わったあと、新しい金融機関だけでなく現在借りている金融機関との手続きも必要になることです。
完済日、融資実行日、抵当権に関する手続きを調整しながら進めます。
ただし、手続きの流れが分かったからといって、借り換えたほうがよいとは限りません。
まずは現在の住宅ローンを続けた場合と借り換えた場合で、返済額や諸費用を含めて比較してみましょう。
住宅ローン借り換えシミュレーションで現在のローンと借り換え後を比較する
シミュレーションで借り換えを具体的に検討できそうなら、次に金利・諸費用・団信などを含めて候補を比較します。
また、実際に借り換えを進めたときの手続きや経験を知りたい方は、住宅ローンを実際に借り換えた体験談も参考にしてください。

