住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含めるのはあり?メリット・注意点を解説

住宅とライフプラン
この記事は約34分で読めます。

住宅ローンの借り換えを検討するときに、意外と悩みやすいのが「諸費用をどう払うか」です。

借り換えでは、事務手数料、保証料、登記費用、司法書士報酬、印紙税、現在のローンを完済するための手数料など、さまざまな費用がかかります。

そのため、

  • 「借り換えで諸費用までローンに含められるの?」
  • 「手元資金を減らさずに借り換えできる?」
  • 「諸費用込みで借り換えると、結局損しない?」

と悩む人も多いのではないでしょうか。

結論からいうと、金融機関やローン商品によっては、住宅ローン借り換えの諸費用をローンに含められる場合があります。

ただし、誰にとっても有利な方法というわけではありません。

諸費用をローンに含めると、借り換え時にまとまった現金を出さずに済むため、手元資金を残しやすくなります。

一方で、借入額が増える分、利息負担や総返済額が増えやすい点には注意が必要です。

この記事では、住宅ローン借り換えの諸費用を「現金で払うべきか」「ローンに含めるべきか」の判断基準を中心に解説します。

借り換えでかかる諸費用の内訳や金額目安を詳しく知りたい方は、先に以下の記事も参考にしてください。

関連記事:住宅ローン借り換えの諸費用はいくら?手数料・保証料・登記費用まで「総額」と「節約ポイント」

この記事でわかること

この記事では、以下の内容を解説します。

  • 住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含められるのか
  • 諸費用込みで借り換えるメリット
  • 諸費用込みで借り換えるデメリット・リスク
  • 諸費用をローンに含めるべき人・含めない方がよい人
  • 現金払いとローン上乗せの判断基準
  • 総返済額や住宅ローン控除への影響
  • 借り換え前に確認すべきチェックポイント

住宅ローンの借り換えは、条件が合えば家計改善につながる可能性があります。

ただし、金利だけでなく、諸費用・返済期間・手元資金・税金の扱いまで含めて判断することが大切です。

  1. 住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含めるのはあり?
    1. 諸費用をローンに含められる金融機関はある
    2. ただし、必ず含められるわけではない
    3. 判断基準は「手元資金」と「総返済額」のバランス
  2. 住宅ローン借り換えで発生する諸費用の概要
    1. 登記費用を詳しく知りたい場合
    2. 諸費用をどう払うか
  3. 住宅ローン借り換えの諸費用はローンに含められる?
    1. 諸費用込みで借り換えできるケースはある
    2. 金融機関によって対応が異なる
    3. 物件評価や借入額によっては含められないこともある
    4. 諸費用全額ではなく一部だけ含められる場合もある
  4. 諸費用込みで借り換えるメリット
    1. 手元の現金を減らさずに借り換えできる
    2. 教育費・生活防衛資金を残せる
    3. 急な出費に備えやすい
    4. 借り換えの初期負担を抑えられる
    5. 金利差が大きければ諸費用込みでもメリットが出る場合がある
  5. 諸費用込みで借り換えるデメリット・リスク
    1. 借入額が増える
    2. 総返済額が増える可能性がある
    3. 毎月返済額が思ったほど下がらないことがある
    4. 返済期間によっては利息負担が大きくなる
    5. 物件評価によっては審査が厳しくなる場合がある
  6. 諸費用をローンに含めるべき人・含めない方がよい人
    1. 諸費用をローンに含めてもよい人
    2. 諸費用を現金で払った方がよい人
    3. 借り換え自体を慎重に考えた方がよい人
  7. 現金を残す考え方:諸費用を払うべきか、借りるべきか
    1. 住宅ローン借り換えでは「総返済額」だけでなく「手元資金」も重要
    2. 生活防衛資金を減らしすぎない
    3. 教育費・車・修繕費など近い将来の支出を確認する
    4. 現金を使い切ってまで諸費用を払う必要があるか考える
    5. 現金を残す安心感と利息負担を比較する
  8. 諸費用込みで借り換えると総返済額はどう変わる?
    1. 借入額が増えると利息も増える
    2. 比較すべきは「旧ローンの残り返済額」と「新ローン+諸費用込みの総返済額」
    3. 毎月返済額だけでなく総支払額で判断する
    4. 借り換えメリット額の計算イメージ
  9. 諸費用込み借り換えで失敗しないためのチェックポイント
    1. 諸費用を含めた総返済額を確認する
    2. 金利タイプを確認する
    3. 事務手数料が定額型か定率型か確認する
    4. 保証料の有無を確認する
    5. 団信の保障内容と金利上乗せを確認する
    6. 借り換え後の毎月返済額を確認する
    7. 返済期間を延ばしすぎない
    8. 住宅ローン控除への影響を確認する
  10. 諸費用込みで借り換える前に比較すべき項目
    1. 現在の住宅ローン残高
    2. 現在の金利
    3. 残り返済期間
    4. 借り換え後の金利
    5. 諸費用を含めた借入額
    6. 毎月返済額
    7. 総返済額
    8. 手元に残す現金
    9. 家計の余裕
  11. 諸費用をローンに含める場合のよくある失敗例
    1. 諸費用込みでも得だと思い込んでいた
    2. 毎月返済額だけを見て判断してしまった
    3. 手数料の高いローンを選んでしまった
    4. 借入額が増えて審査が厳しくなった
    5. 返済期間を延ばして総返済額が増えた
    6. 現金を残したい理由を整理せずに借りてしまった
  12. 住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含める場合のFAQ
  13. まとめ:諸費用をローンに含めるかは「現金を残す安心」と「総返済額」で判断しよう
    1. 諸費用込み借り換えは選択肢の一つ
    2. 現金を残せるメリットがある
    3. ただし総返済額が増えるリスクもある
    4. 金利差だけでなく諸費用込みの総返済額で判断する
    5. 手元資金・家計・将来支出まで含めて考える
    6. 借り換え条件を比較してから判断する
  14. 注意点

住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含めるのはあり?

住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含めることは、選択肢の一つです。

ただし、すべての金融機関で必ず対応しているわけではありません。

また、諸費用を含められたとしても、すべての費用を借りられるとは限らず、商品や審査結果によって条件は変わります。

諸費用をローンに含められる金融機関はある

住宅ローンの借り換えでは、金融機関によっては諸費用をローンに含められる場合があります。

借り換え時には、たとえば次のような費用が発生します。

  • 事務手数料
  • 保証料
  • 登記費用
  • 登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 印紙税
  • 全額繰上返済手数料
  • 未払利息・経過利息

これらをすべて現金で支払うとなると、家計への負担は小さくありません。

借入額や金融機関の手数料体系によっては、借り換え諸費用が数十万円から100万円前後になることもあります。

そのため、「借り換えメリットはありそうだけど、今まとまった現金を出すのは不安」という人にとって、諸費用込みの借り換えは検討する価値があります。

ただし、必ず含められるわけではない

一方で、諸費用をローンに含められるかどうかは、金融機関やローン商品によって対応が異なります。

「借り換えなら諸費用もまとめて借りられる」と思い込んで進めるのは避けた方がいいです。

金融機関によっては、諸費用を借入額に含められない場合もあります。

また、含められたとしても、対象になるのは一部の費用だけというケースもあります。

さらに、住宅ローンには審査があります。

諸費用を含めて借入額が増えると、年収に対する返済負担率や物件評価とのバランスに影響する可能性があります。

つまり、諸費用込みの借り換えは便利な選択肢ですが、「申し込めばそのまま通る」と考えるのではなく、事前確認が大切です。

借り換えを検討するときは、金融機関や比較サービスで次の点を確認しておきましょう。

  • 諸費用を住宅ローンに含められるか
  • 含められる諸費用の範囲はどこまでか
  • 現金で支払う必要がある費用はいくらか
  • 諸費用込みにした場合の借入額はいくらか
  • 毎月返済額と総返済額はどう変わるか
  • 審査上、不利になりやすい条件はあるか

判断基準は「手元資金」と「総返済額」のバランス

諸費用をローンに含めるかどうかは、最終的に手元資金と総返済額のバランスで判断するのが現実的です。

現金を使って諸費用を払えば、借入額は抑えやすくなります。

その代わり、手元の現金は減ります。

諸費用をローンに含めれば、現金は残しやすくなります。

その代わり、借入額が増えて総返済額が増えやすくなります。

どちらが良いかは、家計の状況によって変わります。

たとえば、手元資金に十分な余裕があり、教育費や修繕費などの大きな支出も近くないなら、諸費用を現金で払って借入額を抑える選択もあります。

反対に、生活防衛資金を減らしたくない、近いうちに教育費や車の買い替えがある、家の修繕費が不安という場合は、諸費用をローンに含めて現金を残す判断もあります。

大切なのは、「現金負担が少ないからお得」と考えないことです。

諸費用込みで借り換えるなら、少なくとも次の3つは確認しておきたいところです。

  • 諸費用込みでも総返済額が下がるか
  • 手元に残す現金はいくら必要か
  • 将来の支出に耐えられる家計になっているか

住宅ローン借り換えは、金利だけでなく、諸費用・返済期間・手元資金まで含めて考えると判断しやすくなります。

住宅ローン借り換えの諸費用を現金で払う場合とローンに含める場合の違いを比較した図解

住宅ローン借り換えで発生する諸費用の概要

住宅ローンの借り換えでは、金利だけでなく諸費用がいくらかかるかも重要です。

ただし、この記事では「諸費用の細かな内訳」よりも、「その諸費用を現金で払うか、ローンに含めるか」の判断に重点を置いて解説します。

借り換えで発生しやすい主な諸費用は、以下のとおりです。

  • 事務手数料
  • 保証料
  • 登記費用・登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 印紙税
  • 全額繰上返済手数料
  • 未払利息・経過利息

これらの費用は、金融機関や借入額、現在のローン契約によって変わります。

たとえば、事務手数料が「借入額×2.2%」の定率型であれば、3,000万円の借り換えで事務手数料だけでも66万円になります。

さらに、登記費用や司法書士報酬、現在のローンを完済するための手数料などもかかるため、借り換え諸費用は数十万円から100万円前後になることもあります。

借り換えで発生する諸費用の内訳や金額目安を詳しく確認したい方は、以下の記事で詳しく解説しています。

登記費用を詳しく知りたい場合

借り換えでは、今の金融機関の抵当権を抹消し、新しい金融機関の抵当権を設定する手続きが必要です。

住宅ローンの借り換えで新たに抵当権を設定する場合、登録免許税は一般的に「債権額×0.4%」で計算されます。

ただし、実際の税額や司法書士報酬は、物件や手続き内容によって異なる場合があります。

登記費用について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

諸費用をどう払うか

借り換えで発生する諸費用そのものは避けにくい費用です。

重要なのは、その費用をどう払うかです。

選択肢は大きく分けると、以下の2つです。

  • 諸費用を現金で払う
  • 諸費用をローンに含める

現金で払えば借入額を抑えやすくなります。

一方で、手元資金は減ります。

ローンに含めれば手元資金は残しやすくなります。

一方で、借入額が増え、その分にも利息がかかります。

ここからは、諸費用をローンに含める場合のメリットとデメリットを整理していきます。

住宅ローン借り換えの諸費用はローンに含められる?

住宅ローン借り換えの諸費用は、金融機関やローン商品によっては、ローンに含められる場合があります。

ただし、すべての金融機関で同じように対応しているわけではありません。

ここを勘違いすると、「諸費用込みで借り換えるつもりだったのに、実際には現金が必要だった」ということになりかねません。

住宅ローンの借り換えは、新しい住宅ローンを組んで、今の住宅ローンを完済する手続きです。

そのため、借り換え先の金融機関が「どこまでを借入対象にできるか」を事前に確認することが大切です。

諸費用込みで借り換えできるケースはある

諸費用込みで借り換えできるケースはあります。

たとえば、【フラット35】借換融資では、印紙税、融資手数料、抵当権の設定・抹消にかかる登録免許税、司法書士報酬、適合証明検査費用、借換前ローンの全額繰上返済手数料・経過利息などを借入額に含められます。

また、借り換え時に新規契約する火災保険料・地震保険料も、一定条件のもとで借入対象にできる場合があります。

つまり、「借り換えの諸費用は、どんな場合でも現金で払うもの」と決めつける必要はありません。

手元資金を残したい人にとっては、諸費用込みの借り換えは現実的な選択肢の一つです。

ただし、これはあくまで対応しているローン商品の場合です。

借り換え先によって条件は変わるため、申し込み前に確認しておきましょう。

金融機関によって対応が異なる

諸費用をローンに含められるかどうかは、金融機関によって対応が異なります。

借り換えでは、金利だけでなく、融資手数料、保証料、団信、審査基準なども金融機関ごとに違います。

A銀行では諸費用込みで借りられても、B銀行では一部しか含められないということもあります。

また、同じ金融機関でも商品によって条件が違う場合があります。

「ネット銀行だから含められる」「メガバンクだから含められない」といった単純な判断ではなく、個別の商品説明を確認するのが安心です。

物件評価や借入額によっては含められないこともある

諸費用込みで借り換えたくても、物件評価や借入額によっては難しい場合があります。

住宅ローンは、年収だけでなく、物件の担保評価も見られます。

たとえば、借り換え時の住宅ローン残高が物件評価に対して大きい場合、さらに諸費用まで借りると、金融機関から見たリスクが高くなります。

その結果、諸費用込みの借入が認められない可能性があります。

特に、中古住宅や築年数が経っている住宅では、購入時より担保評価が下がっていることもあります。

僕も中古住宅を購入しているので感じますが、住宅ローンの審査では「自分がいくら返せるか」だけでなく、「金融機関から見てどれくらい担保価値があるか」も大事です。

諸費用込みにすると借入額が増えるため、審査面では慎重に見られる可能性があります。

諸費用全額ではなく一部だけ含められる場合もある

諸費用込みといっても、すべての費用を含められるとは限りません。

金融機関によっては、事務手数料や保証料は含められても、一部の手続き費用は対象外ということがあります。

民間金融機関では、火災保険料や一部の手続き費用が対象外になることもあります。

一方で、【フラット35】借換融資のように、借り換え時に新規契約する火災保険料・地震保険料を条件付きで借入対象にできる商品もあります。

ここを確認せずに進めると、最終的に「思っていたより現金が必要だった」となりやすいです。

借り換えの相談をするときは、次のように具体的に確認するとよいです。

  • 「借り換えにかかる諸費用のうち、どの費用をローンに含められますか?」
  • 「現金で支払う必要がある費用はいくらですか?」

この2つを聞いておくだけでも、資金計画のズレを減らしやすくなります。

諸費用込みで借り換えるメリット

諸費用込みで借り換えるメリットは、まとまった現金を減らさずに借り換えを検討できることです。

借り換えには数十万円単位の費用がかかることがあります。

その費用をすべて現金で払うと、家計の余裕が一気に小さくなることがあります。

特に40代以降は、住宅ローンだけでなく、教育費、車、親の介護、家の修繕など、まとまった支出が重なりやすい時期です。

そのため、単純に「利息が少ない方がいい」と考えるだけでなく、手元資金を残す意味も考えたいところです。

手元の現金を減らさずに借り換えできる

諸費用込みで借り換える大きなメリットは、手元の現金を減らしすぎずに済むことです。

住宅ローンの借り換えでは、金利が下がる可能性があっても、最初にまとまった諸費用がかかります。

現金で支払う場合、預金残高が大きく減ります。

家計に余裕があるなら問題になりにくいですが、手元資金が少ない状態で現金を使いすぎるのは少し怖いです。

急な病気、転職、車の故障、家電の買い替えなど、生活には予想外の出費があります。

諸費用をローンに含めることで、こうした出費に備える現金を残しやすくなります。

教育費・生活防衛資金を残せる

子育て世帯の場合、教育費を残せる点も大きなメリットです。

子どもの進学時期が近い家庭では、入学金、授業料、塾代、定期代、パソコン購入など、まとまった支出が発生しやすくなります。

このタイミングで借り換え諸費用として数十万円を現金で払うと、家計の不安が増えることがあります。

住宅ローンの返済額が少し下がっても、手元資金が減りすぎて生活が不安定になるなら、本末転倒です。

住宅ローンでは「返済額」だけでなく「不安なく暮らせるか」も大切です。

生活防衛資金を残せるなら、諸費用込みの借り換えにも意味があります。

急な出費に備えやすい

住宅を持っていると、急な出費は意外と多いです。

たとえば、次のような支出です。

  • 給湯器の交換
  • エアコンの買い替え
  • 外壁や屋根の修繕
  • 水回りのトラブル
  • 車の修理や買い替え
  • 親の介護費用
  • 子どもの進学費用

特に中古住宅や築年数が経った住宅では、修繕費が突然発生することがあります。

僕自身も中古住宅に住んでいるので、「家は買ったあともお金がかかる」という感覚はかなりあります。

借り換え諸費用を現金で払って預金が大きく減ると、こうした支出への備えが弱くなります。

諸費用込みで借り換えると、手元資金を残しながら返済条件を見直せる点がメリットです。

借り換えの初期負担を抑えられる

諸費用込みで借り換えると、借り換え時の初期負担を抑えやすくなります。

住宅ローンの借り換えは、長期的にはメリットが出る可能性があっても、最初に現金が必要になるとハードルが上がります。

「金利は下げたいものの、今まとまった諸費用を出すのは厳しい」

このような人にとって、諸費用込みの借り換えは検討しやすい方法です。

ただし、初期負担を抑えられることと、総返済額が安くなることは別です。

ここは分けて考えることが大切です。

金利差が大きければ諸費用込みでもメリットが出る場合がある

金利差が大きい場合は、諸費用をローンに含めても借り換えメリットが出ることがあります。

たとえば、現在の金利が高く、借り換え後の金利が大きく下がる場合です。

借入額が増えても、金利低下による利息軽減効果がそれを上回れば、総返済額を減らせる可能性があります。

ただし、借り換えは借入金利、借入額、残り返済期間、諸費用などによって試算結果が変わります。

条件によっては、毎月返済額や総返済額が思ったほど減らない場合もあります。

つまり、諸費用込みの借り換えが良いかどうかは、シミュレーション次第です。

金利差、残り返済期間、諸費用、借入額をまとめて比較することが大切です。

諸費用込みで借り換えるデメリット・リスク

諸費用込みで借り換えると、手元資金を残しやすい一方で、デメリットもあります。

特に注意したいのは、借入額が増えることです。

借入額が増えれば、その分にも利息がかかります。

そのため、「現金負担が少ないからお得」と考えるのは危険です。

諸費用込みの借り換えは便利な選択肢ですが、メリットとリスクをセットで見て判断しましょう。

借入額が増える

諸費用をローンに含めると、新しい住宅ローンの借入額が増えます。

たとえば、現在の住宅ローン残高が2,500万円で、借り換え諸費用が80万円かかるとします。

諸費用を現金で払う場合、新しい借入額は基本的に2,500万円です。

一方で、諸費用をローンに含める場合、新しい借入額は2,580万円になります。

この80万円にも利息がかかります。

金利が低くても、長期間借りると利息負担は無視できません。

諸費用込みで借り換える場合は、「いくら借入額が増えるのか」を最初に確認しておきましょう。

総返済額が増える可能性がある

諸費用込みで借り換えると、総返済額が増える可能性があります。

金利が下がったとしても、諸費用を含めた借入額が増えることで、メリットが小さくなることがあります。

特に金利差が小さい場合は注意が必要です。

たとえば、現在の金利が1.2%、借り換え後の金利が1.0%程度だと、諸費用込みにしたことで総返済額があまり変わらないケースもあります。

場合によっては、借り換えしない方が家計への負担が少ないこともあります。

大切なのは、金利差だけでなく、諸費用込みの総返済額で見ることです。

毎月返済額が思ったほど下がらないことがある

諸費用込みで借り換えると、毎月返済額が思ったほど下がらないことがあります。

理由はシンプルで、借入額が増えるからです。

金利が下がっても、借入額が増えれば、その分だけ毎月返済額を押し上げます。

「金利が下がるから毎月返済額も大きく下がるはず」と思っていると、シミュレーション結果を見て想定より効果が小さく感じることがあります。

借り換え後の毎月返済額を見るときは、次の2パターンを比較するとわかりやすいです。

  • 諸費用を現金で払った場合
  • 諸費用をローンに含めた場合

この2つを比べると、諸費用込みにした影響が見えやすくなります。

返済期間によっては利息負担が大きくなる

返済期間を長くすると、毎月返済額は下がりやすくなります。

しかし、返済期間が長くなるほど、利息を払う期間も長くなります。

諸費用込みで借入額が増え、さらに返済期間も延ばすと、総返済額が増えやすくなります。

たとえば、残り返済期間が15年なのに、借り換え後に25年や30年へ延ばすと、毎月返済額は下がっても、長期的な負担が増えることがあります。

毎月の家計が苦しい場合、返済期間を延ばす選択が必要になることもあります。

ただし、その場合でも「総返済額がどう変わるか」は確認しておきたいです。

物件評価によっては審査が厳しくなる場合がある

諸費用込みにすると借入額が増えるため、審査に影響する場合があります。

住宅ローン審査では、年収、勤務先、返済負担率、信用情報、健康状態、物件評価などが確認されます。

諸費用込みで借入額が増えると、返済負担率や担保評価とのバランスが変わります。

特に、住宅ローン残高が多い人や、物件評価が下がっている人は注意が必要です。

借り換えでは、今の住宅ローンを返せているからといって、新しい金融機関の審査に通るとは限りません。

諸費用込みにしたい場合は、事前審査の段階で希望を伝えておくと安心です。

諸費用をローンに含めるべき人・含めない方がよい人

諸費用をローンに含めるべきかどうかは、人によって変わります。

現金で払えるなら現金がよい、という単純な話ではありません。

家計の余裕、教育費、住宅の修繕予定、返済期間、金利差などによって判断が変わります。

ここでは、諸費用をローンに含めてもよい人、現金で払った方がよい人、借り換え自体を慎重に考えた方がよい人に分けて整理します。

諸費用をローンに含めてもよい人

諸費用をローンに含めてもよい人は、手元資金を残す必要性が高く、諸費用込みでも借り換えメリットが出る人です。

たとえば、次のような人です。

  • 手元資金を残したい人
  • 教育費や生活費の大きな支出が近い人
  • 金利差が大きく、諸費用込みでも総返済額が下がる人
  • 返済期間が十分に残っている人
  • 家の修繕費や車の買い替えなどに備えたい人

特に、教育費や住宅修繕費が近い場合は、現金を残しておく意味があります。

住宅ローンだけを見て最適化しても、生活全体で苦しくなるなら意味がありません。

「現金を残すために利息を払う」という選択なので、そのコストに納得できるかが大切です。

諸費用を現金で払った方がよい人

一方で、諸費用を現金で払った方がよい人もいます。

たとえば、次のような人です。

  • 手元資金に十分な余裕がある人
  • 借入額を増やしたくない人
  • 総返済額をできるだけ抑えたい人
  • 近い将来の大きな支出が少ない人
  • 住宅ローン残高が増えることに心理的な負担がある人

現金で諸費用を払えば、新しい住宅ローンの借入額を抑えられます。

その分、諸費用に対する利息負担もありません。

総返済額をできるだけ抑えたい人にとっては、現金払いの方が合っている場合があります。

ただし、現金で払ったあとに生活防衛資金が少なくなるなら注意が必要です。

総返済額を抑えることは大事ですが、家計の安全性も同じくらい大事です。

借り換え自体を慎重に考えた方がよい人

なかには、諸費用をローンに含めるかどうか以前に、借り換え自体を慎重に考えた方がよい人もいます。

たとえば、次のような人です。

  • 金利差が小さい人
  • 残り返済期間が短い人
  • 住宅ローン残高が少ない人
  • 諸費用込みだとメリットがほとんど出ない人
  • 借り換え後に返済期間を大きく延ばす予定の人

残り返済期間が短い場合、金利が下がっても、その効果を受ける期間が短くなります。

住宅ローン残高が少ない場合も、金利が下がって削減できる利息額が限られます。

このようなケースでは、諸費用を払うことで、借り換えによる利息削減効果が消えてしまうことがあります。

諸費用込みにするとさらに借入額が増えるため、より慎重な確認が必要です。

借り換えは「やれば得」というものではなく、「条件が合えば家計改善につながる可能性があるもの」と考えるのが現実的です。

現金を残す考え方:諸費用を払うべきか、借りるべきか

住宅ローン借り換えでは、諸費用を現金で払うか、ローンに含めるかで迷う人は多いです。

この判断で大切なのは、総返済額だけを見ないことです。

もちろん、総返済額は大事です。

でも、手元資金が少なくなりすぎると、生活の安心感が大きく下がります。

借り換えは家計をラクにするための手段です。

借り換えによって預金が減りすぎ、毎日の生活が不安になるなら、少し慎重に考えた方がよいです。

住宅ローン借り換えでは「総返済額」だけでなく「手元資金」も重要

借り換えでは、総返済額を比較することが基本です。

ただし、それだけでは不十分です。

なぜなら、家計には現金が必要だからです。

総返済額が少し減っても、手元資金が大きく減ってしまうと、急な出費に対応しにくくなります。

たとえば、諸費用80万円を現金で払って、預金が100万円から20万円に減るようなケースです。

数字上は総返済額が下がったとしても、家計の安全性はかなり下がります。

住宅ローンは長期戦です。

目先の損得だけでなく、生活を守る現金を残すことも考えましょう。

生活防衛資金を減らしすぎない

生活防衛資金は、急な収入減や支出増に備えるためのお金です。

会社員でも、病気、転職、ボーナス減、家族の事情などで家計が変わることはあります。

住宅ローンを抱えている家庭ほど、生活防衛資金は大切です。

僕なら、借り換え諸費用を払ったあとに生活防衛資金がほとんど残らないなら、無理に現金で払う判断はしません。

目安は家庭によって違いますが、少なくとも数カ月分の生活費は残しておきたいところです。

住宅ローンの返済額を下げるために、生活防衛資金を削りすぎないようにしましょう。

教育費・車・修繕費など近い将来の支出を確認する

諸費用を現金で払うか迷ったら、近い将来の支出を確認しましょう。

特に確認したいのは、次のような支出です。

  • 子どもの入学金・授業料
  • 塾や習い事の費用
  • 車の買い替え
  • 車検・修理費
  • 外壁や屋根の修繕
  • 給湯器やエアコンの交換
  • 親の介護費用
  • 家族旅行や冠婚葬祭

これらの支出が近いなら、現金を残しておく意味があります。

住宅ローンだけを見ると「現金で払った方が利息は少ない」と思うかもしれません。

でも、別の支出のために高金利のローンを使うことになるなら、本末転倒です。

家計全体で見て、どこに現金を残すべきか考えましょう。

現金を使い切ってまで諸費用を払う必要があるか考える

諸費用を現金で払うこと自体は、悪い選択ではありません。

借入額を抑えられるため、総返済額を減らしやすいからです。

ただし、現金を使い切ってまで払う必要があるかは別問題です。

たとえば、諸費用を現金で払うと預金がほとんど残らない場合、急な出費に対応できなくなります。

その不安を抱えながら生活するのは、心理的な負担にもなります。

住宅ローンは、家族が安心して暮らすために組むものです。

返済額だけを少し下げるために、生活の安心感を削りすぎないようにしたいですね。

現金を残す安心感と利息負担を比較する

諸費用をローンに含めるかどうかは、現金を残す安心感と利息負担の比較です。

現金で払えば、利息負担は抑えやすくなります。

ローンに含めれば、手元資金を残しやすくなります。

どちらにもメリットがあります。

だからこそ、次のように考えると判断しやすいです。

  • 現金で払っても生活防衛資金は十分残るか
  • 近い将来に大きな支出はないか
  • 諸費用込みでも総返済額は下がるか
  • 利息負担を払ってでも現金を残したい理由があるか

この4つを確認すれば、感覚ではなく家計に合った判断がしやすくなります。

諸費用込みで借り換えると総返済額はどう変わる?

諸費用込みで借り換えると、総返済額は変わります。

金利が下がると返済額は下がりやすいですが、諸費用をローンに含めると借入額が増えます。

そのため、金利が下がった効果と、借入額が増えた影響をセットで見る必要があります。

住宅ローン借り換えで大切なのは、「毎月いくら下がるか」だけではありません。

最終的にいくら支払うのかを確認しましょう。

借入額が増えると利息も増える

諸費用をローンに含めると、借入額が増えます。

借入額が増えると、その分にも利息がかかります。

たとえば、諸費用80万円をローンに含めた場合、その80万円にも住宅ローン金利がかかります。

住宅ローン金利は比較的低いことが多いですが、返済期間が長いと利息は積み上がります。

80万円という金額でも、20年、25年かけて返すなら影響はあります。

借り換えのシミュレーションでは、諸費用込みの借入額で総返済額を確認しましょう。

比較すべきは「旧ローンの残り返済額」と「新ローン+諸費用込みの総返済額」

借り換えで比較すべきなのは、次の2つです。

  • 今の住宅ローンをそのまま返済した場合の残り総返済額
  • 新しい住宅ローンに諸費用を含めた場合の総返済額

この差額が、借り換えメリットの目安になります。

たとえば、今のローンを続けると残り総返済額が3,000万円。

諸費用込みで借り換えた場合の総返済額が2,850万円。

この場合、単純計算では150万円程度の差があります。

一方で、諸費用込みで借り換えた総返済額が2,980万円なら、差額は20万円程度です。

この場合、手続きの手間や金利変動リスクも含めて慎重に考えたいところです。

毎月返済額だけでなく総支払額で判断する

借り換えでは、毎月返済額だけで判断しないことが大切です。

毎月返済額は、返済期間を延ばせば下がりやすくなります。

でも、返済期間を延ばすと、総支払額が増えることがあります。

たとえば、毎月1万円返済額が下がっても、返済期間が10年延びたら、長期的には支払額が増える可能性があります。

住宅ローンの見直しでは、毎月返済額と総返済額を両方確認しましょう。

毎月の家計をラクにすることも大切ですが、将来の負担を増やしすぎないことも大切です。

借り換えメリット額の計算イメージ

ここでは、ざっくりした計算イメージを見てみます。

実際の金額は金融機関のシミュレーションで確認してください。

項目今のローン諸費用を現金払いで借り換え諸費用込みで借り換え
ローン残高2,500万円2,500万円2,580万円
金利年1.5%年0.8%年0.8%
残り期間25年25年25年
毎月返済額の目安約10.0万円約9.2万円約9.5万円
総返済額の目安約3,000万円約2,759万円約2,847万円
今のローンとの差額約241万円減約153万円減

この例では、諸費用込みでも借り換えメリットは残っています。

ただし、諸費用を現金で払う場合よりは、メリット額が小さくなります。

これが、諸費用込み借り換えの特徴です。

現金を残せる代わりに、総返済額の削減幅は小さくなりやすいです。

今のローンを続けた場合、現金払いで借り換えた場合、諸費用込みで借り換えた場合の総返済額を比較した図解

より詳しく借り換えメリットを確認したい方は、シミュレーションの考え方を以下の記事で解説しています。

諸費用込み借り換えで失敗しないためのチェックポイント

諸費用込みで借り換えるなら、事前チェックがかなり大切です。

確認せずに進めると、「思ったほど得ではなかった」「毎月返済額があまり下がらなかった」「住宅ローン控除の扱いを見落としていた」ということになりかねません。

借り換えは、金利だけで決めるものではありません。

ここでは、諸費用込み借り換えで確認したいポイントを整理します。

諸費用を含めた総返済額を確認する

最初に確認したいのは、諸費用を含めた総返済額です。

金利が低く見えても、諸費用が高いとメリットが小さくなります。

特に、定率型の事務手数料は借入額に応じて大きくなるため、注意が必要です。

諸費用込みで借り換える場合は、次の3つを比較しましょう。

  • 今のローンを続けた場合の総返済額
  • 諸費用を現金で払って借り換えた場合の総返済額
  • 諸費用込みで借り換えた場合の総返済額

この3つを並べると、自分に合う選択が見えやすくなります。

金利タイプを確認する

借り換え後の金利タイプも確認しましょう。

主な金利タイプは、変動金利、固定期間選択型、全期間固定金利です。

変動金利は、借入時の金利が低めに見えることがあります。

ただし、将来金利が上がると返済額が増える可能性があります。

固定金利は、金利が高めに見えても、返済額が読みやすいメリットがあります。

諸費用込みで借り換える場合、借入額が増えるため、金利上昇時の影響も大きくなります。

金利タイプは、毎月返済額だけでなく、将来の家計の安定性も含めて選びましょう。

事務手数料が定額型か定率型か確認する

事務手数料は、定額型か定率型かで負担が大きく変わります。

定額型は、借入額にかかわらず一定額です。

定率型は、借入額に一定割合をかけて計算します。

たとえば、借入額3,000万円で事務手数料が2.2%なら、手数料は66万円です。

借入額が大きいほど、定率型の手数料は大きくなります。

一方で、定率型は金利が低めに設定されることもあります。

そのため、手数料だけでなく、金利と総返済額をセットで見ましょう。

保証料の有無を確認する

保証料の有無も確認しましょう。

金融機関によっては保証料がかかる場合があります。

一方で、保証料がない代わりに事務手数料が高めに設定されている場合もあります。

「保証料なし」と書かれているとお得に見えますが、それだけで判断するのは危険です。

住宅ローンは、金利、事務手数料、保証料、団信、繰上返済手数料などをまとめて比較する必要があります。

保証料がないから安い、保証料があるから高い、と単純に決めないようにしましょう。

団信の保障内容と金利上乗せを確認する

借り換えでは、団信の保障内容も見直しポイントです。

団信とは、住宅ローン返済中に契約者が亡くなった場合などに、住宅ローン残高が保障される仕組みです。

借り換えでは、民間金融機関の住宅ローンでは新しい団信の審査・加入が必要になることが多いです。

ただし、【フラット35】では、新機構団信に加入しない選択も可能です。

一方で、【フラット35(保証型)】など商品によって扱いが異なる場合があるため、借り換え先の商品条件を確認しましょう。

最近は、がん保障、三大疾病保障、八大疾病保障などが付いた団信もあります。

ただし、保障を手厚くすると金利が上乗せされる場合があります。

諸費用込みで借入額が増え、さらに団信の金利上乗せもあると、返済額に影響します。

保障内容は大切ですが、家計に合ったバランスで選びましょう。

借り換え後の毎月返済額を確認する

借り換え後の毎月返済額も確認しましょう。

このとき、諸費用を含めた借入額で試算することが大切です。

諸費用を除いた金額で試算すると、実際の返済額とズレることがあります。

また、ボーナス返済を使う場合は、ボーナスが減ったときに返済できるかも考えておきましょう。

住宅ローンは「無理なく続けられるか」がとても大事です。

少しでも安く見せるためのシミュレーションではなく、現実の家計に近い条件で確認しましょう。

返済期間を延ばしすぎない

借り換えで返済期間を延ばすと、毎月返済額は下がりやすくなります。

しかし、返済期間が長くなるほど、利息を払う期間も長くなります。

諸費用込みで借入額が増えている場合、返済期間を延ばしすぎると総返済額が増えやすくなります。

もちろん、毎月返済が苦しい場合は、返済期間を調整することもあります。

ただし、「毎月返済額が下がったから得」と判断するのではなく、総返済額も確認しましょう。

住宅ローン控除への影響を確認する

住宅ローン控除を受けている人は、借り換え後の扱いも確認しましょう。

一定の要件を満たす場合は、借り換え後も住宅ローン控除を受けられる可能性があります。

主な要件としては、次のようなものがあります。

  • 借り換え後の住宅ローンが、当初の住宅ローン返済のためのものであること
  • 借り換え後の住宅ローンが、住宅ローン控除の対象となる要件を満たしていること
  • 借り換え後の住宅ローンの返済期間が10年以上あること

ただし、借り換えによって控除期間が延長されるわけではありません。

また、借り換え後の借入額が、借り換え直前の住宅ローン残高を上回る場合は注意が必要です。

諸費用を上乗せして借り換えると、新しい借入額が借り換え直前の残高より大きくなることがあります。

この場合、借り換え後の年末残高がそのまま全額控除対象になるとは限りません。

国税庁の考え方では、控除対象となる年末残高は、原則として次のように調整して計算します。

借り換え後ローンの年末残高 × 借り換え直前の住宅ローン残高 ÷ 借り換え後の借入額

つまり、諸費用を上乗せした分が、そのまま住宅ローン控除の対象になるとは限らないということです。

住宅ローン控除は税金に関わるため、不安がある場合は税務署や税理士に確認しましょう。

諸費用込みで借り換える前に比較すべき項目

諸費用込みで借り換える前には、複数の項目を比較しましょう。

住宅ローンは、金利だけ見ても判断しきれません。

金利が低くても、諸費用が高い場合があります。

毎月返済額が下がっても、総返済額が増える場合もあります。

ここでは、借り換え前に比較しておきたい項目を整理します。

現在の住宅ローン残高

まず確認するのは、現在の住宅ローン残高です。

借り換えでは、今の住宅ローン残高を新しい住宅ローンで完済します。

そのため、現在の残高が比較の出発点になります。

金融機関の返済予定表やインターネットバンキングで確認できます。

借り換えを検討するなら、最新の残高を確認しておきましょう。

現在の金利

次に、現在の金利を確認します。

変動金利なのか、固定金利なのか、固定期間中なのかによっても判断が変わります。

また、現在の金利だけでなく、今後の金利変更タイミングも確認しておきたいところです。

固定期間選択型の場合、固定期間終了後に金利が上がる可能性もあります。

借り換えメリットを考えるときは、現在の金利と今後の見通しをセットで見ましょう。

残り返済期間

残り返済期間も重要です。

残り期間が長いほど、金利差による利息削減効果が出やすくなります。

一方で、残り期間が短いと、諸費用を回収しにくくなります。

残り返済期間が短い人は、借り換えよりも繰上返済や家計見直しの方が合う場合もあります。

借り換えを検討するときは、残り何年返済する予定なのかを確認しましょう。

借り換え後の金利

借り換え後の金利は、もちろん重要です。

ただし、表面金利だけで判断しないようにしましょう。

低金利に見えても、事務手数料が高い場合があります。

また、団信の保障を付けると金利が上乗せされる場合もあります。

実際に比較するなら、金利だけでなく、諸費用と保障内容を含めて見ましょう。

諸費用を含めた借入額

諸費用込みで借り換える場合は、諸費用を含めた借入額を確認します。

たとえば、住宅ローン残高2,500万円、諸費用80万円なら、借入額は2,580万円になるイメージです。

この金額をもとに、毎月返済額や総返済額を試算します。

諸費用を含めない試算だけを見ると、実際より返済額が低く見えてしまいます。

毎月返済額

毎月返済額は、生活に直結します。

借り換え後に毎月いくら返すのかは、必ず確認しましょう。

ただし、毎月返済額だけで判断するのは危険です。

返済期間を延ばせば、毎月返済額は下がりやすくなります。

その代わり、総返済額が増えることがあります。

毎月返済額は、総返済額とセットで見ましょう。

総返済額

総返済額は、借り換え判断の中心です。

今のローンを続けた場合と、借り換えた場合で、最終的にいくら違うのかを確認します。

諸費用込みで借り換える場合は、諸費用を含めた総返済額で比較しましょう。

ここを見れば、「本当に借り換えメリットがあるか」がわかりやすくなります。

手元に残す現金

手元に残す現金も比較しましょう。

諸費用を現金で払う場合、預金がどれくらい減るのか。

諸費用をローンに含める場合、現金はいくら残るのか。

この差を確認します。

住宅ローンの損得だけでなく、生活防衛資金の観点でも考えることが大切です。

家計の余裕

最後に、家計の余裕を確認しましょう。

借り換え後の返済額が下がっても、家計全体に余裕がなければ不安は残ります。

教育費、保険料、車、食費、通信費、老後資金など、住宅ローン以外の支出もあります。

住宅ローンは大きな固定費ですが、家計の一部です。

借り換え後も無理なく生活できるかを確認してから判断しましょう。

借り換え全体の判断基準は、以下の記事で詳しくまとめています。

諸費用をローンに含める場合のよくある失敗例

住宅ローン借り換えで諸費用込みを選ぶときに注意したい失敗例をまとめたイラスト

諸費用込みの借り換えは便利ですが、使い方を間違えると後悔につながることがあります。

よくあるのは、「現金負担が少ない」というメリットだけを見てしまうケースです。

借り換えは、長期的な家計に影響します。

ここでは、諸費用込み借り換えで起こりやすい失敗例を紹介します。

諸費用込みでも得だと思い込んでいた

よくある失敗は、諸費用込みでも当然得だと思い込むことです。

金利が下がると、借り換えた方が得に見えます。

でも、諸費用をローンに含めると借入額が増えます。

その結果、金利差によるメリットが小さくなることがあります。

諸費用込みで借り換えるなら、必ず総返済額で比較しましょう。

毎月返済額だけを見て判断してしまった

毎月返済額だけを見て判断するのも危険です。

借り換え後の毎月返済額が下がると、家計がラクになったように感じます。

ただし、返済期間を延ばしている場合、総返済額が増えることがあります。

たとえば、毎月返済額は下がっても、返済期間が10年延びれば、長い目では負担が増える可能性があります。

毎月返済額と総返済額は、必ずセットで確認しましょう。

手数料の高いローンを選んでしまった

金利だけを見て、手数料の高いローンを選んでしまうケースもあります。

住宅ローンには、事務手数料が定額型の商品もあれば、定率型の商品もあります。

定率型は借入額が大きいほど手数料が高くなります。

一方で、金利が低めに設定されていることもあります。

どちらがよいかは、借入額や返済期間によって変わります。

手数料の安さだけ、金利の低さだけで判断せず、総返済額で比較しましょう。

借入額が増えて審査が厳しくなった

諸費用込みにすると、借入額が増えます。

その結果、審査が厳しくなる場合があります。

住宅ローン審査では、年収、返済負担率、信用情報、物件評価などが見られます。

諸費用分を上乗せすると、返済負担率や担保評価とのバランスが変わります。

「諸費用込みで借りるつもりだったのに、審査で希望額が通らなかった」ということもあり得ます。

事前審査の段階で、諸費用込みの希望を伝えておきましょう。

返済期間を延ばして総返済額が増えた

返済期間を延ばしすぎるのも、よくある失敗です。

返済期間を延ばすと、毎月返済額は下がりやすくなります。

しかし、利息を払う期間が長くなります。

諸費用込みで借入額が増え、さらに返済期間も延びると、総返済額が増える可能性があります。

毎月返済額を下げることは大切ですが、将来の負担を増やしすぎないようにしましょう。

現金を残したい理由を整理せずに借りてしまった

諸費用込みで借り換えるなら、現金を残したい理由を整理しておくことも大切です。

「なんとなく現金を減らしたくない」という理由だけだと、判断があいまいになります。

たとえば、教育費が近い、修繕費に備えたい、生活防衛資金を確保したいなど、具体的な理由があるなら、諸費用込みにも納得しやすいです。

反対に、手元資金に十分余裕があるなら、現金で払った方が総返済額を抑えやすい場合があります。

現金を残す理由と、増える利息負担を比べて判断しましょう。

住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含める場合のFAQ

ここでは、住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含める場合によくある疑問を整理します。

Q
住宅ローン借り換えの諸費用はすべてローンに含められますか?
A

金融機関やローン商品によって異なります。

すべての諸費用を含められるとは限りません。

【フラット35】借換融資では、印紙税、融資手数料、抵当権設定・抹消費用、司法書士報酬、適合証明検査費用、借換前ローンの繰上返済手数料・経過利息などを借入額に含められます。

また、借り換え時に新規契約する火災保険料や地震保険料も、一定条件のもとで借入対象になる場合があります。

ただし、民間金融機関では対応が異なるため、申し込み前に確認しましょう。

Q
諸費用込みで借り換えると審査は厳しくなりますか?
A

借入額が増えるため、審査に影響する場合があります。

諸費用込みにすると、住宅ローン残高より新しい借入額が大きくなります。

その結果、返済負担率や物件評価とのバランスが変わることがあります。

審査が不安な場合は、事前審査の段階で「諸費用込みで借りたい」と伝えて確認しましょう。

Q
諸費用を現金で払うのとローンに含めるのはどちらが得ですか?
A

総返済額だけで見れば、諸費用を現金で払った方が利息負担を抑えやすいです。

ただし、現金で払うことで手元資金が減りすぎる場合は注意が必要です。

教育費や修繕費が近い場合、現金を残す意味があります。

どちらが合うかは、総返済額と手元資金のバランスで判断しましょう。

Q
諸費用込みで借り換えても住宅ローン控除は受けられますか?
A

一定の要件を満たす場合は、借り換え後も住宅ローン控除を受けられる可能性があります。

主な要件としては、借り換え後の住宅ローンが当初の住宅ローン返済のためのものであること、借り換え後の住宅ローンが10年以上の返済期間などの要件を満たすことが挙げられます。

ただし、借り換えによって控除期間が延びるわけではありません。

また、借り換え後の借入金額が借り換え直前の残高を上回る場合、控除対象となる年末残高の計算が調整されます。

諸費用を上乗せした分が、そのまま全額控除対象になるとは限らないため、不安がある場合は税務署や税理士に確認しましょう。

Q
手元資金が少ない場合でも借り換えできますか?
A

諸費用込みに対応している金融機関であれば、手元資金が少なくても借り換えを検討できる場合があります。

ただし、審査に通るかどうかは別です。

また、現金で支払う必要がある費用が一部残る場合もあります。

「諸費用込み」と聞いても、現金がまったく不要とは限らないため、事前に確認しましょう。

Q
諸費用込みだと毎月返済額はどれくらい変わりますか?
A

借入額、金利、返済期間によって変わります。

たとえば、諸費用80万円をローンに含めると、新しい借入額が80万円増えます。

その分、毎月返済額も少し上がります。

ただし、金利が大きく下がる場合は、諸費用込みでも毎月返済額が下がることがあります。

正確な金額は、金融機関のシミュレーションで確認しましょう。

Q
諸費用込みで借り換えて損するケースはありますか?
A

あります。

たとえば、金利差が小さい、残り返済期間が短い、住宅ローン残高が少ない場合です。

このようなケースでは、諸費用をローンに含めることで借り換えメリットが小さくなることがあります。

また、返済期間を延ばしすぎると、総返済額が増える場合もあります。

借り換え前に、諸費用込みの総返済額を確認しましょう。

Q
借り換えの諸費用を抑える方法はありますか?
A

借り換えの諸費用を抑えるには、事務手数料、保証料、電子契約の有無、全額繰上返済手数料などを確認することが大切です。

ただし、諸費用だけを見て判断するのではなく、金利や総返済額も含めて比較しましょう。

まとめ:諸費用をローンに含めるかは「現金を残す安心」と「総返済額」で判断しよう

住宅ローン借り換えで諸費用をローンに含めるのは、選択肢の一つです。

手元の現金を残しながら借り換えを検討できるため、教育費や修繕費など、近い将来の支出に備えたい人にはメリットがあります。

一方で、借入額が増えるため、総返済額が増えやすい点には注意が必要です。

借り換えで大切なのは、金利だけで判断しないことです。

諸費用、借入額、毎月返済額、総返済額、手元資金、将来の支出まで含めて考えましょう。

諸費用込み借り換えは選択肢の一つ

諸費用込み借り換えは、悪い方法ではありません。

まとまった現金を出さずに借り換えを検討できるため、家計の状況によっては役立ちます。

ただし、誰にでも合う方法ではありません。

現金を残す必要がある人にはメリットがありますが、手元資金に余裕がある人なら、現金で払った方が総返済額を抑えやすい場合があります。

現金を残せるメリットがある

諸費用込みの大きなメリットは、現金を残せることです。

住宅ローンの借り換えでは、事務手数料、登記費用、司法書士報酬、印紙税などがかかります。

これらをすべて現金で払うと、家計の余裕が小さくなることがあります。

教育費、車、修繕費などの支出が近い場合は、現金を残す意味があります。

ただし総返済額が増えるリスクもある

一方で、諸費用をローンに含めると借入額が増えます。

借入額が増えると、その分にも利息がかかります。

金利が下がっても、諸費用込みにしたことでメリットが小さくなる場合があります。

特に金利差が小さい人や、残り返済期間が短い人は注意しましょう。

金利差だけでなく諸費用込みの総返済額で判断する

借り換えでは、金利差だけで判断しないことが大切です。

確認すべきなのは、諸費用込みの総返済額です。

今のローンを続けた場合と、諸費用込みで借り換えた場合を比較しましょう。

毎月返済額が下がっても、総返済額が増えるなら慎重に考えたいところです。

手元資金・家計・将来支出まで含めて考える

住宅ローンは、家計全体の中で考える必要があります。

住宅ローンだけを最適化しても、生活防衛資金がなくなると不安が増えます。

教育費、修繕費、車、老後資金なども含めて考えましょう。

僕自身も住宅ローンを何度か経験して感じますが、借り換えは「数字上の得」だけでなく、「家族が安心して暮らせるか」も大切です。

借り換え条件を比較してから判断する

諸費用込みで借り換えるか迷ったら、複数の金融機関を比較しましょう。

比較するポイントは、次のとおりです。

  • 借り換え後の金利
  • 事務手数料
  • 保証料
  • 団信の保障内容
  • 諸費用を含められるか
  • 毎月返済額
  • 総返済額
  • 手元に残す現金

【PR】諸費用込みで借り換えた場合に本当にメリットがあるか不安な方は、複数の金融機関の条件を比較して確認することが大切です。

比較サービスの一つである「 モゲチェック 」も参考になります。

ただし、住宅ローンは家計や審査条件によって合うものが変わります。

サービスの試算結果だけで決めず、金融機関の正式な条件や家計の将来支出も確認したうえで判断しましょう。

注意点

住宅ローンの借り換え条件や諸費用をローンに含められるかどうかは、金融機関・ローン商品・審査結果によって異なります。

本記事は一般的な考え方をまとめたものであり、最終的な借入条件や税務上の取り扱いは、金融機関・税務署・税理士などに確認してください。

参考にした主な情報

タイトルとURLをコピーしました