「金利が下がるなら借り換えたい。
でも、手数料で損をしたり、家族の保障が減ったりしないだろうか」
住宅ローンを返済しながら教育費や老後資金も準備する40代にとって、借り換えは慎重に判断したいところです。
借り換えの主なデメリットは、諸費用、新たな審査、団信の変更、将来の返済負担です。
ただし、デメリットがあるからといって、借り換えない方がよいとは限りません。
金利だけでなく、諸費用・残り返済期間・住宅ローン控除・保障を含めて比べれば、自分に合う選択を考えやすくなります。
借り換えとは、新しい住宅ローンで現在のローンを完済し、契約を切り替えること。
この記事では、カードローンなどではなく、住宅ローンの借り換えを扱います。
住宅ローン借り換えのデメリット10選
借り換えで確認したいのは、費用だけでなく、審査・保障・今後の暮らしとの相性です。
まず一覧で、自分に関係する項目を確認してください。

| デメリット | 借り換え前の確認ポイント |
|---|---|
| ① 諸費用がかかる | 費用を差し引いても負担が減るか |
| ② 時間と手間がかかる | 書類準備や銀行との日程調整ができるか |
| ③ 審査に通らない場合がある | 現在の収入・借入状況で申し込めるか |
| ④ 団信に入り直せない場合がある | 加入できるか、必要な保障が残るか |
| ⑤ 住宅ローン控除に影響する | 借り換え後も控除の要件を満たすか |
| ⑥ 金利タイプ変更のリスクがある | 金利や返済額の変化に対応できるか |
| ⑦ 残高・残期間によって効果が小さい | 残りの利息をどれだけ減らせるか |
| ⑧ 期間延長で総支払額が増えることがある | 月額だけでなく完済までの負担を見たか |
| ⑨ 同じ金融機関では使えない商品がある | 借り換えと条件変更を区別しているか |
| ⑩ 売却予定によってメリットが小さくなる | 売却までに費用を回収できるか |
① 諸費用がかかり、金利が下がっても得にならないことがある
借り換えで減る利息より諸費用が大きければ、金利が下がっても負担は増えます。
新しい銀行の事務手数料、抵当権の登記費用、司法書士報酬、現在のローンの完済手数料などがかかります。
保証料や契約に関する費用は商品・契約方法によって異なります。
抵当権とは、住宅ローンなどの返済ができなくなった場合に、金融機関が担保となっている住宅や土地を競売するなどして、その代金から優先的に返済を受けるための権利です。
例えば、auじぶん銀行の事務手数料は借入金額の2.20%(税込)です。2,000万円を借りる場合、事務手数料だけで44万円になり、登記関連の費用などは別に必要です。
一律の相場ではなく、金融機関の料金の一例として見てください。
出典:auじぶん銀行「手数料・諸費用」
仮に利息が50万円減っても、諸費用が60万円なら差し引き10万円の負担増です。
これは仕組みを示す例で、控除や保証料の返戻などは含めていません。
費用をローンに上乗せできる商品でも、費用が無料になるわけではなく、その分の元金と利息を返します。
借り換え諸費用の内訳と、見積もりで確認するポイントは、別記事で整理しています。
② 手続きに時間と手間がかかる
借り換えには、申込みだけでなく、書類提出・審査・契約・現在のローンの完済手続きが必要です。
収入を確認する書類や返済予定表などを準備し、新旧の金融機関、登記を担当する司法書士と日程を調整します。
オンラインで申し込めても、準備や確認は残ります。
仕事や子育てで忙しい時期は、必要書類と完済の申出期限を先に確認しておくと進めやすくなります。
また、申込時ではなく、実際に借りる日の金利を適用する商品があります。
試算から実行までに条件が変わった場合は、借り換えメリットも再計算しましょう。
住宅ローン借り換えの流れを6ステップで確認すると、準備することを整理できます。
③ 審査に通らない・想定した条件で借りられない場合がある
現在のローンを返済できていても、借り換え先での審査に通るとは限りません。
借り換え先は、現在の収入、他の借入や返済状況、年齢、住宅の条件などを確認します。
申込条件と審査基準は金融機関によって異なり、広告で見た金利が自分にも適用されるとは限りません。
転職や収入減少があった人は、現在の状況で申し込めるか確認してください。
「転職後は何年も借り換えできない」と一律には決まっていません。
例えば、auじぶん銀行は転職直後も申込み可能とし、転職後1年未満の場合は職歴書の提出を求めています。申込み可能であることと、審査に通ることは別です。
出典:auじぶん銀行FAQ
審査中に勤務先や収入などが変わる場合も、金融機関へ伝えて確認しましょう。
転職前後の借り換えで確認したい審査条件と進め方は、こちらで解説しています。
④ 団信に入り直せない・保障が変わる可能性がある
現在の団信を、そのまま借り換え先へ引き継ぐことはできません。
団信(団体信用生命保険)は、死亡など契約で定めた状態になったとき、保険金でローンが返済される仕組みです。
借り換えで旧ローンを完済すると、そのローンの団信保障は終了します。
新しいローンで団信を利用する場合は、改めて申込みが必要です。
加入時から健康状態が変わっていると、希望する団信に入れない可能性があります。
告知では、質問された病歴・通院・服薬などを正確に伝えてください。
加入できる場合も、「どんなときに」「残高の何%が」「いつから」保障されるかを比べましょう。
同じ「がん保障」という名前でも、支払い条件まで同じとは限りません。
団信なしで利用できるフラット35の借換融資もありますが、そのローンの団信による保障は得られません。
家族に残る返済負担をどう備えるかまで検討が必要です。
団信に入れない場合の選択肢と、現在の保障を残す判断は、別記事にまとめています。
⑤ 住宅ローン控除に影響する場合がある
借り換え後も要件を満たせば住宅ローン控除は続きますが、自動的に継続できるとは限りません。
国税庁は、新しいローンが元のローンの返済用であることが明らかで、償還期間が10年以上であることなどを要件としています。
借り換えても控除期間は延びません。
出典:国税庁「住宅ローン等の借換えをしたとき」
ここでいう期間は、借り換え後の新しいローンの返済期間です。
今のローンを普通に返済し、残期間が10年を切ったことだけで控除が終了する、という意味ではありません。
また、諸費用などを上乗せし、新しい借入額が借り換え直前の残高を超えると、控除対象の年末残高に調整が必要です。
増額分までそのまま控除対象になるとは考えないようにしましょう。
控除の適用や対象額が不明な場合は税務署などに確認し、借り換えによる負担減と、実際に受けられる控除を合わせて判断してください。
⑥ 金利タイプを変えると、新しいリスクを負う
金利タイプを変える借り換えでは、目先の返済額と将来の変動リスクを分けて考えます。
変動金利から固定金利へ変える場合、提示金利によっては毎月の返済額が増えます。
その負担で、どの期間の金利を固定できるかを確認しましょう。全期間固定と、10年固定など一定期間だけ固定する商品では、固定期間終了後のリスクが違います。
固定金利から変動金利へ変える場合は、当初の返済額が下がっても、将来の金利上昇で負担が増える可能性があります。
金利が上がる条件も試算し、教育費が増える時期に返済を続けられるかを見ます。
変動金利商品の一部にある「5年ルール」「125%ルール」は、返済額の見直しに関する仕組みです。
利息の増加そのものを抑えるものではなく、商品・返済方法によっては適用されません。
毎月の返済額が変わらなくても、金利が上昇すると、その返済額のうち利息に充てられる金額が増えます。
その分、元金の返済に回せる金額が少なくなり、ローン残高の減少ペースが鈍る場合があります。
⑦ ローン残高が少ない・残期間が短いと効果が小さい
残っている利息が少なければ、借り換えで減らせる金額も限られます。
同じ金利差でも、残高や残期間が違えば効果は変わります。
完済が近い人は、利息の軽減額より諸費用が大きくならないか確認しましょう。
ただし、「残高が1,000万円未満ならメリットなし」「残期間10年未満なら借り換えない方がいい」といった線引きだけでは判断できません。
金融機関の手数料や提示金利も含めて試算します。
⑧ 返済期間を延ばすと総支払額が増えることがある
月々の返済を軽くするために期間を延ばすと、金利が下がっても完済までの負担が増える場合があります。
残高2,000万円・残期間20年・年1.5%のローンを、年1.0%へ借り換える例で比べます。

| 条件 | 月々の返済額 | 今後の返済総額+諸費用 |
|---|---|---|
| 今のまま返す:残り20年 | 約9.7万円 | 約2,316万円 |
| 年1.0%へ借り換え:20年 | 約9.2万円 | 約2,267万円 |
| 年1.0%へ借り換え:30年 | 約6.4万円 | 約2,376万円 |
※筆者の実績ではなく、架空条件による比較例です。元利均等返済(元金と利息を合わせた毎回の返済額が一定)、毎月払い・ボーナス返済なし、金利は各期間を通じて一定と仮定。借り換え諸費用60万円は自己資金で支払い、借入額は2,000万円のままとしています。控除・保証料の返戻・繰上返済は含めず、概算額を四捨五入しています。実際に選べる期間は商品・審査によります。
この例では、期間を20年に据え置くと約49万円の負担減ですが、30年へ延ばすと約60万円の負担増です。
期間延長で当面の家計を支える選択もあります。
ただ、45歳で30年返済にすれば完済は75歳です。
月額に加え、定年後にどの収入から返すかも考えておきましょう。
⑨ 同じ金融機関では借り換えできない場合がある
同じ銀行の低金利商品を見つけても、今の契約から切り替えられるとは限りません。
他の金融機関からの借り換えを対象にしている商品もあり、同じ契約先での借り換えには制限があります。
一方、フラット35などを含む取扱商品によって例外もあるため、一律に「同じ銀行ではできない」とは言い切れません。
現在の金融機関で金利や返済条件の見直しを相談する方法もあります。
借り換えとは手続きや費用が異なるため、提示された条件で比較してください。
現在の銀行に住宅ローン金利の見直しを相談する方法も、選択肢の一つです。
⑩ 住み替え・売却予定があると費用を回収しにくい
数年以内に売却する予定がある人は、完済までの試算だけでは判断できません。
長く返済すれば取り戻せる諸費用でも、短期間でローンを完済すると回収できない場合があります。
「何年以上住めば得」と一律に考えず、予定する売却時期を基準に比べましょう。
売却予定がある場合は、売却までに支払う元利返済額と、売却時点で残るローン残高、自己資金で支払った借り換え諸費用を合わせて比較します。
保証料などの返戻金や、実際に受けられる住宅ローン控除があれば、その分も考慮します。
なお、借り換え諸費用を新しいローンに上乗せしている場合、その費用は返済額やローン残高に反映されるため、別途「諸費用」として二重に加えないよう注意してください。
毎月の返済が下がっても、元金の減りが遅くなり、売却時のローン残高が多くなることがあるためです。
子どもの進学や転勤に合わせて住み替える可能性があるなら、その時期を家族で確認してから試算してください。
ここまで確認して「条件をそろえて比べてみたい」と感じた方は、金利・諸費用・団信をそろえて借り換え先を比較する方法を確認してみてください。
住宅ローン借り換えで後悔・失敗しやすい5つのケース
後悔を避けるには、借り換え前に「見落としがないか」を具体的に確認することが役立ちます。
以下は注意点を整理した想定ケースです。筆者や特定の利用者が経験した失敗談ではありません。
| 後悔につながる見落とし | 契約前に確認すること |
|---|---|
| 金利差だけを見て、諸費用を計算しなかった | 登記・完済手数料まで含む見積もりを取り、差額を計算する |
| 月々の返済額を下げるため、期間を延ばした | 期間を据え置く案も出し、総負担と完済年齢を比べる |
| 低い金利だけを理由に変動金利を選んだ | 金利上昇時の返済額と家計の余力を確認する |
| 団信に入れるかだけを確認し、保障を比べなかった | 保障の対象・支払い条件・保障開始時期を比較する |
| 住み替えや収入変化を考えなかった | 売却時期、教育費、時短勤務・転職・定年後の収入を確認する |
借り換え後の金利が低くても、目的に合っていなければ納得しにくいものです。
「毎月の負担を減らしたい」「完済までの支出を減らしたい」「金利変動を避けたい」のうち、何を優先するか決めておきましょう。
住宅ローンの借り換えをやめた方がいい人は?
諸費用を回収できない人や、家族に必要な保障・返済の余裕を失う人は、借り換えを慎重に検討した方がよいでしょう。
特に、次のような状況では契約を急がず、条件を見直してください。
残高・年齢・転職の有無だけで「やめるべき」と決める必要はありません。
今のローンを続ける案や、現在の銀行で条件を見直す案も並べて比べます。
すでに毎月の返済が難しい場合は、借り換え審査を待つだけでなく、現在の金融機関に返済方法を相談してください。
逆に住宅ローン借り換えを検討しやすい人
諸費用を払っても負担を減らせる見込みがあり、保障と返済計画にも無理がない人は、具体的な比較に進みやすいと考えられます。
また、支払額の削減だけが目的ではありません。
固定金利への変更で将来の見通しを立てたい場合や、保障を見直したい場合も、追加負担に納得できれば検討の理由になります。
「金利差が何%あれば得」と決めつけず、自分の条件で確認しましょう。
借り換えで後悔しないための6項目チェック
最初に集めるのは、現在の返済予定表と、借り換え先の金利・費用・保障の資料です。
次の6項目を、現在のローンと借り換え案で並べてください。

| 確認項目 | 手元の資料で見るところ |
|---|---|
| □ ① 現在のローン残高 | 借り換え予定日時点の残高。諸費用を上乗せするなら新しい借入額も確認 |
| □ ② 残り返済期間 | 現在と借り換え後の完済年月・完済年齢 |
| □ ③ 現在と借り換え後の金利 | 自分に適用される金利、金利タイプ、優遇条件、固定期間終了後の扱い |
| □ ④ 借り換え諸費用 | 新旧両方の銀行の費用、登記関係の費用、保証料の返戻見込み |
| □ ⑤ 住宅ローン控除 | 継続要件、残りの控除期間、実際に受けられる控除の見込み |
| □ ⑥ 団信・保障内容 | 加入可否、保障対象・割合・開始時期、金利上乗せなどの負担 |
数字がそろったら、次の順番で判断します。
- まず期間をそろえて試算する。 現在の残期間を使い、金利と費用の違いを確認します。
- これから支払う総額を比べる。 今後の元利返済額に、借り換え時に自己資金で支払う諸費用や追加返済額を足し、返戻金・実際に受けられる控除を差し引いて比較します。費用を借り入れる場合は返済額に含まれるため、二重に足さないようにします。
- 将来の暮らしに当てはめる。 金利上昇、教育費の増加、収入減少、売却予定も確認します。変動金利の総額は仮定に基づく試算で、確定額ではありません。
自分で試算する場合は、借り換えシミュレーションの入力方法と結果の読み方を参考にしてください。
僕も、 モゲチェック
で試算したことをきっかけに複数の銀行を比較し、最終的に他行へ借り換えました。試算の結果を見てから、具体的な比較に進んだ経験です。
自分の場合、借り換えでどれくらいメリットがあるか確認したい方へ。
候補探しにサービスを使いたい方は、モゲチェックで確認できることと、利用前の注意点を読むところから始められます。
僕の利用体験も紹介しています。
試算や提案を受けても、借り換える義務はありません。
候補が見つかったら、金融機関が提示する最終的な金利・費用・保障条件で確認しましょう。
住宅ローン借り換えのデメリットに関するFAQ
最後に、借り換えで迷いやすい点を短く整理します。
- Q住宅ローン借り換えの一番大きなデメリットは?
- A
費用面では、諸費用によって金利引き下げの効果が消えることです。ただし、健康状態や家族構成によっては、団信の変更がより大きな判断材料になります。
- Q住宅ローンを借り換えて後悔するのはどんなケース?
- A
諸費用を見落としたり、月々の返済額だけを見て期間を延ばしたりするケースです。保障の変化や売却予定も含め、契約前に確認してください。
- Q住宅ローンの借り換えをやめた方がいい人は?
- A
費用を含む負担が増え、保障や金利の安定といった目的にも合わない人は、慎重に検討したいところです。今のローンを続けることも選択肢になります。
- Q借り換えの諸費用はいくらかかる?
- A
借入額や金融機関、物件・契約条件によって異なります。本文の銀行例では2,000万円の借入れで事務手数料だけで44万円となり、登記費用などが加わります。「総額」と「ローンに上乗せする額」を分けて見積もりを確認しましょう。
- Q転職後でも住宅ローンを借り換えられる?
- A
転職直後でも申込みを受け付ける金融機関はあります。ただし、申込条件や必要書類は異なり、審査に通るかは個別判断です。勤続年数だけで可否を決めず、候補の金融機関に確認してください。
- Q借り換えすると住宅ローン控除はどうなる?
- A
借り換え後も要件を満たせば継続できますが、控除期間が新しく始まるわけではありません。新しいローンの返済期間や、諸費用を含めた借入額に注意してください。
まとめ|デメリットを理解し、総負担と保障・返済計画で判断しよう
住宅ローン借り換えは、金利の低さだけでなく、諸費用を含む総負担・団信・今後の返済計画で判断しましょう。
特に40代は、教育費が増える時期、住み替えの予定、定年後の収入まで見ておくと、月々の返済額だけでは気づけない負担を確認できます。
まずは返済予定表を開き、残高・残期間・金利を確認してください。
そこに諸費用・控除・団信の条件を加えれば、具体的に比較を始められます。
比較の進め方は借り換え比較記事で確認することができます。候補探しにサービスを使いたい方は、モゲチェックの利用体験と注意点も参考にしてください。
条件を比べたうえで、今のローンを続けると決めることも、家計を整えるための判断です。
2026年9月12日。金利・手数料・審査・団信の条件は金融機関や商品で異なります。制度の適用と個別の契約条件は、国税庁の案内や金融機関の最新資料で確認してください。

