家を売る不動産会社の選び方|査定額だけで決めてはいけない理由

住宅とライフプラン
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家を売るために複数の不動産会社へ査定を依頼すると、会社によって査定額に差が出ることがあります。

たとえば、A社は3,000万円、B社は3,300万円、C社は3,600万円。

このような結果なら、一番高いC社に任せたくなりますよね。

しかし、不動産会社の査定額は「その金額で買い取る」という約束ではありません。

仲介による査定額は、売却できそうな価格を各社が予測したものです。

家を少しでも高く売りたいなら、査定額の高さだけでなく、次の4点を比較してください。

  • 査定額に納得できる根拠があるか
  • 売却する地域・物件の実績があるか
  • 買主を見つける販売戦略が具体的か
  • 担当者へ安心して売却を任せられるか

僕自身も横浜市にある築30年以上の中古マンションを2回売却しました。

売却を経験して感じたのは、会社名の知名度以上に、実際に担当する人の説明や販売方針を確認する必要があるということです。

この記事でわかること

  • 家を売る不動産会社を選ぶ7つの基準
  • 査定額が高い会社をそのまま選んではいけない理由
  • 大手と地域密着型のどちらが向いているか
  • 担当者へ確認したい10の質問
  • 不動産会社を比較する具体的な手順
  • 媒介契約を選ぶときの注意点

家を売る不動産会社は「査定額」ではなく「売却できる根拠」で選ぶ

不動産会社を選ぶ4つの判断軸

家を売る不動産会社は、査定額、売却実績、販売戦略、担当者を総合的に比較して選びます。

特に確認したいのは、「なぜこの金額で売れると考えたのか」という査定額の根拠です。

不動産会社が媒介価額について意見を述べる場合は、その根拠を明らかにして説明することが求められています。

近隣の成約事例や競合物件、物件の状態など、査定額の根拠を具体的に確認しましょう。

一方、査定額は高くても根拠が曖昧な会社は、売り出した後に値下げを提案してくる可能性があります。

高い査定額がすべて問題なのではありません。高く査定できるだけの具体的な理由があるかを確認することがポイントです。

査定額が一番高い会社を選んではいけない理由

査定額・売り出し価格・成約価格は違う

査定額・売り出し価格・成約価格の違い

家の売却では、次の3つの価格を分けて考える必要があります。

価格意味誰が決めるか
査定額売却できそうな価格の予測不動産会社
売り出し価格広告に掲載して販売を始める価格売主が不動産会社と相談して決定
成約価格売主と買主が合意し、売買契約が成立した価格売主と買主

仲介の査定額は、将来の成約価格を保証するものではありません。

不動産会社による直接買取の場合は「買取価格」が提示されますが、仲介査定とは意味が異なります。

査定書を見るときは、仲介による査定なのか、買取価格なのかも確認しましょう。

高い査定額には根拠を確認する

査定額が他社より高い場合は、担当者へ次の4点を質問してください。

  1. 査定に使用した成約事例はどの物件か
  2. 自宅と成約事例の違いをどう調整したか
  3. どのような買主を想定しているか
  4. どのくらいの期間で成約できると考えているか

具体的な成約事例や販売計画が示されれば、高い査定にも合理的な理由があるかもしれません。

「人気エリアだから大丈夫です」「当社なら高く売れます」といった説明だけでは、判断材料として不十分です。

家を売る不動産会社の選び方7つ

1.売却する地域・物件の実績を確認する

不動産会社には、それぞれ得意な地域や物件があります。

マンション売却に強い会社でも、郊外の戸建てや土地の売却実績が少ない場合があります。反対に、全国的な知名度は高くなくても、特定地域の戸建て売却に詳しい会社もあります。

会社全体の実績だけでなく、担当する店舗や担当者について、次のような質問をしてみましょう。

  • 同じ地域での売却実績はあるか
  • マンション・戸建てなど同じ物件種別を扱っているか
  • 近い価格帯の成約実績はあるか
  • 直近ではどのくらいの期間で売却できたか

「売却実績が豊富」という説明だけでなく、自宅に近い条件の実績を確認することがポイントです。

2.査定額の根拠が具体的か確認する

査定額そのものより、査定に使った情報を比較します。

確認したいのは、次のような情報です。

  • 近隣にある類似物件の成約価格
  • 現在売り出されている競合物件
  • 築年数、広さ、階数、方角などによる価格調整
  • リフォーム履歴や室内状態の評価
  • 想定する売却期間
  • 売れなかった場合の価格見直し案

自分でも相場を確認したい場合は、国土交通省の不動産情報ライブラリで過去の取引価格を調べられます。

不動産ポータルサイトの掲載価格も参考になりますが、掲載されているのは主に「売り出し価格」であり、実際の成約価格とは限りません。

3.販売戦略が具体的か確認する

査定額が妥当でも、買主へ物件の魅力が伝わらなければ成約にはつながりません。

次のような販売計画を確認しましょう。

  • どのような買主を想定しているか
  • どの不動産ポータルサイトへ掲載するか
  • 写真撮影や間取り図をどのように作るか
  • レインズへどのように登録するか
  • チラシや既存顧客への案内を行うか
  • 問い合わせが少ない場合に何を改善するか
  • どの段階で価格を見直すか

「SUUMOに掲載します」だけではなく、誰に、どの魅力を、どのように伝えるのかまで説明できる会社が理想です。

4.担当者の説明力と対応を確認する

実際の売却活動を進めるのは、会社ではなく担当者です。

担当者については、次の点を確認してください。

  • 質問に対して結論から答えてくれるか
  • メリットだけでなくリスクも説明するか
  • 専門用語をわかりやすく説明できるか
  • 連絡への返信が遅すぎないか
  • 売主の希望を確認してくれるか
  • 根拠なく売却を急がせないか
  • 家の欠点も含めて販売方法を考えてくれるか

担当者との相性に不安がある場合は、媒介契約を結ぶ前に担当変更を相談する方法もあります。

5.売却活動の報告方法を確認する

家を売り出した後は、問い合わせ数や内覧者の反応を確認しながら販売方法を調整します。

契約前に、次の項目を確認しましょう。

  • 報告の頻度
  • 電話・メールなどの報告方法
  • 問い合わせ数や閲覧数を共有してもらえるか
  • 内覧者からの感想を報告してもらえるか
  • 改善策まで提案してもらえるか

専任媒介契約と専属専任媒介契約では、レインズへの登録や売主への定期報告が不動産会社に義務付けられています。

専任媒介・専属専任媒介では、不動産会社にレインズへの登録と登録証明書の交付が義務付けられています。

売主は登録証明書に記載された情報や二次元コードを使って売主専用画面へアクセスし、登録内容や取引状況を確認できます。

国土交通省も、物件の囲い込み防止に売主専用画面を活用するよう案内しています。

参考:レインズのステータス管理機能に関する国土交通省の案内

6.サービス・費用・契約条件を比較する

不動産会社によって、売却を支援するサービスが異なります。

  • プロによる写真撮影
  • ハウスクリーニング
  • ホームステージング
  • 建物状況調査
  • 設備保証
  • 荷物の一時預かり
  • 買取保証

無料に見えるサービスでも、利用条件や対象物件が決められている場合があります。サービス内容だけでなく、追加費用、適用条件、途中解約時の取り扱いも確認しましょう。

仲介手数料には法令上の上限がありますが、実際の金額は上限の範囲内で不動産会社と合意して決めます。手数料の安さだけでなく、販売活動の内容と合わせて判断してください。

参考:不動産取引・仲介手数料に関する国土交通省の案内

7.宅建業の免許と行政処分歴を確認する

最終候補に残った会社は、公的な情報も確認しておくと安心です。

国土交通省の建設業者・宅建業者等企業情報検索システムでは、宅地建物取引業者の免許情報などを検索できます。

また、ネガティブ情報等検索サイトでは、宅地建物取引業者について、公開対象となっている最近5年間の行政処分情報を確認できます。

行政処分歴があるだけで機械的に除外するのではなく、処分の内容、時期、その後の改善状況まで確認して判断しましょう。

大手と地域密着型はどちらがよい?

大手と地域密着型のどちらが高く売れるかは、一概には決められません。

以下は一般的に考えられる傾向で、実際には会社・店舗・担当者によって異なります。

比較項目大手不動産会社地域密着型の不動産会社
対応エリア広い傾向特定地域が中心
地域情報店舗や担当者によって差がある地域の需要に詳しい場合がある
広告・サービス仕組みやサービスが充実している傾向会社によって差が大きい
顧客情報広い地域の購入希望者を持つ場合がある地元の購入希望者や業者とのつながりが期待できる
柔軟性会社・店舗・担当者によって異なる個別事情へ柔軟に対応できる場合がある
注意点会社が大きくても担当者によって差がある広告範囲や人員体制を確認する必要がある

最初から大手か地域密着型のどちらかに絞る必要はありません。

大手、地域密着型、マンション・戸建てなどの専門会社を組み合わせて査定を依頼し、実際の提案内容を比較するのがおすすめです。

会社の規模だけでは優劣を決められず、両方の提案を比較する必要があることを伝える図

不動産会社を選ぶ5つの手順

不動産会社を選ぶ5ステップ

STEP1.夫婦で売却条件を決める

査定を依頼する前に、夫婦で次の条件を整理します。

  • いつまでに売りたいか
  • 希望する売却価格
  • 最低限確保したい手取り額
  • 価格と売却スピードのどちらを優先するか
  • 住み替え先をいつ購入するか
  • 近所に知られず売りたいか
  • 連絡を受けやすい時間と方法

40代では、住宅ローン、次の住まい、教育費、老後資金なども売却条件に影響します。

売却価格だけでなく、諸費用を差し引いた手取り額で考えましょう。

STEP2.自分でも相場を確認する

不動産情報ライブラリや不動産ポータルサイトを使い、近隣の価格を確認します。

自分で正確な査定額を出す必要はありません。

各社の査定額が相場から極端に離れていないかを判断できる程度で十分です。

STEP3.複数社へ同じ条件で査定を依頼する

比較するためには、各社へ同じ物件情報と希望条件を伝える必要があります。

一例として、最初に3~5社程度へ机上査定を依頼し、その中から2~3社程度に訪問査定を依頼する方法もあります。

公的に決められた社数ではないため、対応できる範囲で調整してください。

査定を依頼する会社の探し方は、不動産一括査定サイト5社の比較と目的別の選び方で解説しています。

STEP4.同じ質問をして回答を比較する

訪問査定では、各社へ同じ質問をします。

査定額だけを聞くよりも、回答の具体性や説明のわかりやすさを比較しやすくなります。

STEP5.夫婦それぞれが採点して決める

担当者の印象だけで決めないように、比較表を作る方法がおすすめです。

評価項目配点
査定額の根拠25点
地域・物件の売却実績20点
販売戦略20点
担当者の対応20点
報告方法・レインズへの対応10点
サービス・費用5点
合計100点

査定額の高さ自体には点数を付けず、「その査定額に根拠があるか」で評価します。

夫婦が別々に採点してから結果を見せ合うと、営業担当者の雰囲気だけに流されにくくなります。

不動産会社の担当者へ確認したい10の質問

  1. この地域・物件種別で、直近にどのような成約実績がありますか?
  2. 査定に使用した成約事例を見せてもらえますか?
  3. 他社より査定額が高い、または低い理由は何ですか?
  4. 想定する成約価格と売却期間を教えてください。
  5. 最初の売り出し価格はいくらを提案しますか?
  6. どのような買主を想定していますか?
  7. どの媒体を使い、物件の何をアピールしますか?
  8. 問い合わせが少ない場合、値下げの前に何を改善しますか?
  9. 売却活動は、どの頻度・内容で報告してもらえますか?
  10. レインズ登録、追加費用、契約期間、解約条件を説明してもらえますか?

質問に対して、成約事例や具体的な販売方法を示して答えられるかを確認しましょう。

注意したい不動産会社・担当者の特徴

次のような対応が見られた場合は、その場で媒介契約を結ばず、ほかの会社と比較してください。

  • 「必ずこの価格で売れる」と断定する
  • 査定額の根拠を説明できない
  • 他社より極端に高い査定額を提示する
  • 初回の面談で契約を急がせる
  • メリットしか説明しない
  • 広告方法や販売計画が曖昧
  • 問い合わせが少ない理由を確認せず値下げを勧める
  • レインズへの登録や取引状況の確認方法を説明しない
  • 質問への回答や連絡が極端に遅い
  • 売主の希望より自社の都合を優先する

極端に高い査定額だけで悪い会社とは判断できません。

問題は、その価格を実現するための根拠や計画がないことです。

注意したほうがいい不動産会社・担当者のチェック項目

不動産会社を決めた後は媒介契約を選ぶ

家の売却を正式に依頼するときは、不動産会社と媒介契約を結びます。

契約依頼できる会社自分で見つけた買主との直接契約レインズ登録活動報告
専属専任媒介1社できない(自己発見取引不可)契約翌日から5日以内(休業日を除く)1週間に1回以上
専任媒介1社できる契約翌日から7日以内(休業日を除く)2週間に1回以上
一般媒介複数社できる法令上の義務なし法令上の義務なし

専任媒介や専属専任媒介は、1社に任せる代わりに、レインズ登録や定期報告が義務付けられています。有効期間は3か月以内です。

一般媒介は複数社へ依頼できますが、各社との連絡や情報管理が増えます。

どの媒介契約が最適かは、物件の需要、売却期限、担当者への信頼度によって変わります。

「専任なら高く売れる」「一般なら多くの会社が動く」と単純には決められません。

参考:国土交通省「宅地建物取引業法関係」

自宅を2回売却して感じた担当者選びのポイント

僕はこれまでに、横浜市にある築30年以上の中古マンションを2回売却しました。

1件目は購入価格より300万円高く、2件目は購入価格より200万円高く売却できました。

ただし、これは購入時と売却時の売買価格を単純に比較したものです。

仲介手数料などの諸費用を差し引いた利益や、税務上の譲渡所得を示すものではありません。

売却時には、部屋だけでなく、学校、公園、買い物環境など、実際に住んで感じた魅力を整理しました。

また、1件目では新婚夫婦など、2件目では子育て世帯を主な買主として想定し、それぞれに伝える情報を変えました。

この経験から感じたのは、家の魅力を売主から聞き出し、買主に伝わる広告や内覧につなげてくれる担当者を選ぶ必要があるということです。

不動産会社へすべて任せるのではなく、売主と担当者が同じ販売方針を共有できるかを確認してください。

実際の売却体験と、価格設定や内覧で行った工夫は、家を高く売るための具体的な方法と2回の売却体験で紹介しています。

よくある質問

Q
不動産会社への査定は何社に依頼すればよいですか?
A

比較できる範囲で複数社へ依頼します。公的に決められた社数はありませんが、一例として、3~5社程度へ机上査定を依頼し、2~3社程度に訪問査定を依頼すると、価格と提案内容を比較しやすくなります。

Q
査定額が一番高い会社を選んではいけませんか?
A

高い査定額に具体的な根拠があれば、候補に入れて問題ありません。ただし、査定額は成約価格の保証ではないため、成約事例、販売戦略、想定期間まで確認してください。

Q
大手と地域密着型はどちらがおすすめですか?
A

会社の規模だけでは判断できません。大手と地域密着型を含めて査定を依頼し、自宅と同じ地域・物件種別の実績や担当者の提案を比較してください。

Q
査定を依頼したら契約しなければいけませんか?
A

査定を依頼しただけで媒介契約が成立するわけではありません。売却を任せる会社が決まった段階で、契約内容を確認して媒介契約を結びます。

Q
担当者と合わない場合は変更できますか?
A

不動産会社へ担当変更を相談できます。媒介契約を結ぶ前に不安を感じた場合は、無理に契約せず、別の担当者や会社も比較しましょう。

Q
専任媒介を勧める会社は避けるべきですか?
A

専任媒介を勧めること自体に問題はありません。専任にする理由、販売計画、報告方法、レインズへの登録について、納得できる説明があるかを確認してください。

まとめ|不動産会社は査定額の高さより売却できる根拠で選ぶ

家を売る不動産会社は、次の順番で選びます。

  1. 夫婦で売却期限と希望条件を決める
  2. 自分でも周辺相場を確認する
  3. 複数社へ同じ条件で査定を依頼する
  4. 査定額の根拠・実績・販売戦略・担当者を比較する
  5. 納得できる会社と媒介契約を結ぶ

査定額が高いことではなく、その価格で買主を見つける具体的な計画があることが重要です。

まだ査定を依頼する会社が決まっていない方は、まず不動産一括査定サイト5社の特徴と目的別の選び方を確認してみてください。

僕が売却時に利用したイエウールでは、条件に合う複数の不動産会社へ無料で査定を依頼できます。査定後に必ず媒介契約を結ぶ必要はありません。

複数社から連絡が入る可能性があるため、対応できる会社数に絞り、査定額だけでなく提案内容まで比較しましょう。

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