家を売却したときの税金はいくら?3,000万円控除と確定申告を解説

住宅とライフプラン
この記事は約20分で読めます。

「家が3,000万円で売れたら、3,000万円に税金がかかるの?」

「購入価格より高く売れそうだけれど、税金はいくらになる?」

初めて家を売るときは、売却代金にそのまま税金がかかるように感じるかもしれません。

結論からいうと、家の売却による所得税や住民税は、売却価格全体にかかるわけではありません。

原則として、売却による収入金額から取得費や譲渡費用を差し引いた「譲渡所得」をもとに計算します。

さらに、一定の要件を満たすマイホームなら、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特別控除があります。

ただし、特別控除によって税金が0円になっても確定申告が必要です。また、住み替え先の住宅ローン控除と併用できない期間があるため注意しなければなりません。

この記事では、家を売ったときにかかる税金の種類、譲渡所得の計算方法、3,000万円特別控除、確定申告、最終的な手取り額まで解説します。

なお、仲介手数料や抵当権抹消費用、住宅ローン返済額などを含めた「実際の手取り額」を知りたい方は「家の売却にかかる費用はいくら?手取り額の計算方法と費用一覧」を先に確認してください。

※この記事は2026年8月27日時点の法令・公表資料をもとに作成しています。個別の事情によって税務上の取り扱いが変わるため、最終的な判断は税務署や税理士へ確認してください。

この記事でわかること
  • 家の売却価格と税務上の利益の違い
  • 家を売却したときにかかる税金の種類
  • 取得費と譲渡費用に含められるもの
  • 所有期間5年以下・5年超で異なる税率
  • 3,000万円特別控除の主な適用条件
  • 家を売却したときに確定申告が必要なケース
  • 売却価格3,000万円の税金シミュレーション
  • 売却後の手取り額を計算する方法

家の売却では売却価格ではなく利益をもとに税金を計算する

家を売ったときの所得税や住民税は、売却代金全体にかかるわけではありません。

まず、次の計算で「譲渡所得」を求めます。

譲渡所得=収入金額-取得費-譲渡費用

さらに、3,000万円特別控除などを利用できる場合は、譲渡所得から特別控除額を差し引きます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除額

たとえば、家を3,000万円で売却しても、取得費と譲渡費用を差し引いた結果、譲渡所得が生じなければ、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税はかかりません。

譲渡所得が生じても、3,000万円特別控除を適用した結果、課税譲渡所得が0円になれば、これらの税金は0円になります。

一方で、取得費が分からなかったり、建物の減価償却によって取得費が少なくなったりすると、購入価格より安く売った場合でも譲渡所得が発生する可能性があります。

国税庁も、土地や建物の課税譲渡所得について、収入金額から取得費・譲渡費用・特別控除額を差し引いて計算すると説明しています。

参考:国税庁「譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」

購入価格との差額がそのまま利益になるわけではない

私は築30年以上の中古マンションを2軒売却しました。

1軒目は購入価格より約300万円、2軒目は約200万円高く売却できましたが、購入価格との差額がそのまま利益になるわけではありません。

売却時には仲介手数料などがかかります。税務上の譲渡所得を求めるときは、購入時の諸費用や建物の減価償却についても確認する必要があります。

また、住宅ローンの返済額や保有中の修繕費などを含めた「家計上の収支」と、税務上の「譲渡所得」も別のものです。

家の売却における課税譲渡所得と手取り額の計算方法の違い

実際の売却事例は、築30年マンションは売れない?2軒を購入価格より高く売却した体験談で紹介しています。

家を売却したときに発生する可能性がある税金

自宅の売却では、主に次の税金が発生する可能性があります。

税金かかる主な条件金額・税率の考え方
印紙税課税対象となる紙の売買契約書を作成する契約書の記載金額で決まる
登録免許税抵当権などの抹消登記をする原則として不動産1個につき1,000円
所得税・復興特別所得税特別控除後も課税譲渡所得が残る所有期間や適用する特例で税率が変わる
住民税特別控除後も課税譲渡所得が残る所有期間や適用する特例で税率が変わる

一般に「譲渡所得税」と呼ばれることがありますが、譲渡所得税という名称の独立した税金があるわけではありません。

家の売却による譲渡所得に対してかかる所得税、復興特別所得税、住民税をまとめて表した呼び方です。

印紙税

紙の不動産売買契約書には、契約書に記載された金額に応じて印紙税がかかります。

2027年3月31日までに作成される、契約金額が10万円を超える一定の不動産売買契約書には軽減措置があります。

一般的な住宅価格における軽減後の印紙税は、次のとおりです。

売買契約書の記載金額軽減後の印紙税
500万円超1,000万円以下5,000円
1,000万円超5,000万円以下1万円
5,000万円超1億円以下3万円

電子契約で課税文書となる紙の原本を作成しない場合は、通常、印紙税はかかりません。ただし、電子契約とは別に課税文書となる紙の契約書を作成した場合は、印紙税が必要になる可能性があります。

参考:国税庁「不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置」

登録免許税

住宅ローンが残っている家を売る場合は、通常、ローンを完済し、抵当権を抹消して買主へ引き渡します。

抵当権抹消登記の登録免許税は、原則として不動産1個につき1,000円です。土地1筆と建物1棟なら合計2,000円になります。

ただし、土地が複数の筆に分かれている場合などは、不動産の個数に応じて金額が増えることがあります。

司法書士へ手続きを依頼する場合は、登録免許税とは別に司法書士報酬がかかります。

参考:法務局「抵当権の登記の抹消申請について」

なお、抵当権抹消のための登録免許税や司法書士報酬は手取り額には影響しますが、一般には譲渡所得から差し引く「譲渡費用」には含まれません。

税金以外に差し引かれる費用は、家の売却にかかる費用はいくら?手取り額の計算方法と費用一覧で詳しく解説しています。

家の売却による譲渡所得の計算方法

家の売却で所得税や住民税がかかるかどうかは、次の4つを順番に確認すると判断しやすくなります。

  1. 収入金額を確認する
  2. 取得費を計算する
  3. 譲渡費用を差し引く
  4. 適用できる特別控除を差し引く

1.収入金額を確認する

譲渡所得の収入金額は、基本的に買主から受け取る土地・建物の売却代金です。

売却代金とは別に、固定資産税や都市計画税の未経過分に相当する精算金を買主から受け取った場合は、その金額も譲渡所得の収入金額に含まれます。

参考:国税庁「未経過固定資産税等に相当する額の支払を受けた場合」

まだ売却価格が決まっていない段階では、不動産会社の査定額を使って概算できます。

ただし、査定額は実際にその金額で売れることを保証するものではありません。1社の査定額だけで判断せず、複数社の査定根拠や販売計画を比較しましょう。

不動産会社を比較するときの判断基準は、家を売る不動産会社の選び方|査定額だけで決めてはいけない理由で解説しています。

2.取得費を計算する

取得費とは、売った土地や建物を購入・取得するためにかかった費用です。

自宅など、業務に使用していない土地・建物の場合、主に次のような費用が含まれます。

  • 土地・建物の購入代金や建築代金
  • 購入時の仲介手数料
  • 購入時の印紙税
  • 購入時の登録免許税や登記費用
  • 不動産取得税
  • 土地の測量費や造成費
  • 建物の設備費や改良費
  • 資本的支出に該当する一定のリフォーム費用

登録免許税、不動産取得税、印紙税などは、業務に使用していた資産では取得費に含まれない場合があります。また、すでに必要経費へ算入した金額を重複して取得費に含めることはできません。

参考:国税庁「取得費となるもの」

建物は減価償却費相当額を差し引く

自宅の建物部分は、購入代金をそのまま取得費にできるわけではありません。

建物は使用や時間の経過によって価値が減少すると考えられるため、建物の購入代金などから、所有期間中の「減価償却費相当額」を差し引きます。

建物の取得費=建物の購入代金など-減価償却費相当額

業務に使用していなかった自宅の減価償却費相当額は、原則として次の計算式で求めます。

減価償却費相当額=建物の取得価額×0.9×建物構造ごとの償却率×経過年数

経過年数は、6か月以上の端数を1年とし、6か月未満を切り捨てます。また、減価償却費相当額は、建物の取得価額の95%が上限です。

参考:国税庁「建物の取得費の計算」

そのため、3,000万円で購入した家を2,800万円で売却した場合でも、減価償却後の取得費が大きく下がっていれば、税務上の譲渡所得が発生することがあります。

取得費が分からない場合は売却金額の5%を使える

古い売買契約書を紛失するなどして取得費が分からない場合は、売却金額の5%を概算取得費として計算できます。

たとえば、3,000万円で売った土地・建物の取得費が分からなければ、概算取得費は150万円です。

3,000万円×5%=150万円

また、実際の取得費が売却金額の5%より少ない場合も、売却金額の5%を取得費として計算できます。

ただし、概算取得費を使用すると取得費が大幅に少なくなり、実際の利益が小さくても、税務上の譲渡所得が大きくなることがあります。

購入時の売買契約書や領収書が見つからない場合でも、すぐに概算取得費を使うのではなく、次の資料を探してみましょう。

  • 購入代金の支払いが分かる通帳
  • 住宅ローンの契約書や返済予定表
  • 購入当時の不動産会社が保管している資料
  • 売主や仲介会社とのやり取り
  • 登記関係の資料

どの資料で取得費を立証できるかは個別判断になるため、税務署や税理士への確認が必要です。

参考:国税庁「取得費が分からないとき」

3.譲渡費用を差し引く

譲渡費用とは、家や土地を売るために直接かかった費用です。

主に次のような費用が該当します。

  • 売却時の仲介手数料
  • 売主が負担した売買契約書の印紙税
  • 売却のために必要になった測量費
  • 貸家を売るために支払った立退料
  • 土地を売るために建物を取り壊した場合の解体費と一定の建物損失額
  • すでに締結していた売買契約を、より有利な条件の売却へ変更するために支払った違約金

一方、次のような支出は手取り額に影響しても、原則として譲渡費用には含まれません。

  • 住宅ローンの元本返済額
  • 住宅ローンの一括返済手数料
  • 抵当権抹消費用
  • 引っ越し費用
  • 売却までに支払った固定資産税
  • 建物の通常の修繕費や維持管理費
  • 売却代金を回収するための費用
  • 一般的な家財の処分費用

参考:国税庁「譲渡費用となるもの」

売却前のリフォーム費用も、すべてが譲渡費用になるわけではありません。

建物の価値を高める改良工事として取得費に含められる可能性はありますが、通常の修繕、維持管理、清掃などは取得費や譲渡費用に該当しないことがあります。

工事内容が分かる契約書や見積書、領収書を保管し、判断が難しい場合は税務署や税理士へ確認しましょう。

家の売却における取得費、譲渡費用、原則として差し引けない支出の分類

4.特別控除を差し引く

取得費と譲渡費用を差し引いて譲渡所得が生じたら、利用できる特別控除がないか確認します。

自宅を売却する人にとって代表的なのが、マイホーム売却時の3,000万円特別控除です。

一定の要件を満たせば、所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3,000万円を差し引けます。

所有期間5年以下と5年超では税率が異なる

3,000万円特別控除などを差し引いた後も課税譲渡所得が残る場合は、所有期間に応じた税率をかけて税額を計算します。

区分所有期間の判定所得税住民税所得税・特別所得税・住民税の合計税率
短期譲渡所得売却年の1月1日時点で5年以下30%9%39.63%
長期譲渡所得売却年の1月1日時点で5年超15%5%20.315%

2026年分までは、所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が加算されます。2027年分以後は、復興特別所得税が1.1%に引き下げられる一方、防衛特別所得税1%が加算されます。合計は引き続き所得税額の2.1%相当となるため、短期39.63%、長期20.315%の合計税率は変わりません。

2026年中に家を売却する場合、原則として2020年12月31日以前に取得した家は長期譲渡所得、2021年1月1日以後に取得した家は短期譲渡所得となります。

単純に売却日までの保有期間で判断するのではなく、売却した年の1月1日時点で判定する点に注意してください。

なお、相続や贈与で取得した不動産は、原則として被相続人や贈与者の取得時期を引き継ぎます。

参考:

所有期間10年超のマイホームには軽減税率の特例がある

売却した年の1月1日時点で、売却した家屋と敷地の所有期間がともに10年を超えるマイホームは、一定の要件を満たすと軽減税率の特例を利用できます。

3,000万円特別控除を差し引いた後の課税長期譲渡所得について、6,000万円以下の部分には次の税率が適用されます。

  • 所得税:10%
  • 住民税:4%
  • 所得税・各特別所得税・住民税の合計税率:14.21%

課税長期譲渡所得が6,000万円を超える場合、6,000万円を超える部分には所得税15%、住民税5%の税率が適用されます。

この軽減税率の特例は、3,000万円特別控除と併用できます。

参考:国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

マイホームの3,000万円特別控除とは

3,000万円特別控除は、一定のマイホームを売ったときに、譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける制度です。

所有期間が5年以下の短期譲渡所得でも、要件を満たせば利用できます。

課税譲渡所得=譲渡所得-特別控除額

譲渡所得が3,000万円以下なら、控除後の課税譲渡所得は0円です。

ただし、売買契約書の印紙税や抵当権抹消登記の登録免許税まで免除されるわけではありません。

0円になる可能性があるのは、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税です。

3,000万円特別控除の主な条件

主な条件は次のとおりです。

  • 現在住んでいる自宅を売却する
  • 以前住んでいた自宅の場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
  • 売った年の前年・前々年に3,000万円特別控除や一定の譲渡損失の特例を利用していない
  • 売った年、その前年・前々年に一定の買換え・交換特例を利用していない
  • 売却した家屋や敷地について、収用等の特別控除など一定の特例を利用していない
  • 親子、夫婦、生計を一にする親族など、特別な関係のある人への売却ではない
  • 特例を利用する目的だけで入居した家ではない
  • 仮住まいのための家や別荘などではない
  • 必要書類を添えて確定申告する

親族への売却については、売却後にその家で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係のある法人なども「特別の関係がある人」に含まれることがあります。

賃貸に出していた期間がある以前の自宅でも、売却期限などの条件を満たせば対象になる可能性があります。

家屋を取り壊して土地だけを売る場合は、原則として次のような追加条件があります。

  • 家屋を取り壊した日から1年以内に土地の売買契約を締結する
  • 住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却する
  • 家屋を取り壊してから売買契約を締結するまで、土地を貸駐車場などに使用していない

参考:国税庁「マイホームを売ったときの特例」

マイホーム売却時の3,000万円特別控除で確認したい主な条件

共有名義なら控除は共有者ごとに判定される

夫婦などで共有しているマイホームを売った場合、3,000万円特別控除を利用できるかどうかは共有者ごとに判定されます。

条件を満たす共有者は、それぞれの持分に応じて計算した譲渡所得から、1人につき最高3,000万円を控除できる可能性があります。

ただし、家屋は共有せず、敷地だけを共有している場合、家屋の所有者以外は原則として特例を利用できません。

参考:国税庁「共有のマイホームを売ったとき」

3,000万円で家を売却した場合の税金をシミュレーション

家を3,000万円で売却した場合の税金を、簡略化した例で計算します。

実際には土地と建物の取得費、建物の減価償却、固定資産税等の精算金、利用できる特例などによって結果が変わります。

3,000万円特別控除を利用できる場合

次の条件で計算します。

項目金額
収入金額3,000万円
減価償却後の取得費2,200万円
譲渡費用110万円
譲渡所得690万円

譲渡所得は次のとおりです。

3,000万円-2,200万円-110万円=690万円

3,000万円特別控除を利用すると、譲渡所得690万円の全額を控除できます。

690万円-690万円=課税譲渡所得0円

この場合、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税は0円です。

ただし、3,000万円特別控除を適用するための確定申告は必要です。

3,000万円特別控除を利用できない場合

同じ条件で特別控除を利用できない場合、課税譲渡所得は690万円です。

長期譲渡所得なら、税額の概算は次のようになります。

690万円×20.315%=140万1,735円

短期譲渡所得なら、次の金額です。

690万円×39.63%=273万4,470円

この例では、所有期間によって約133万円の差が生じます。

実際の税額は、取得費、譲渡費用、利用できる特例などによって変わるため、あくまで計算方法を理解するための例としてご覧ください。

3,000万円で家を売却し譲渡所得が690万円になった場合の税金比較

家を売却した後の手取り額を計算する方法

税金が分かっても、売却後に手元へ残る金額とは一致しません。

手取り額は、簡易的には次のように計算できます。

手取り額=売却代金等-売却に伴う諸費用-住宅ローン返済額-譲渡所得にかかる税金

先ほどの例で、住宅ローンが1,500万円残っているとします。

3,000万円特別控除によって譲渡所得に対する税金が0円となり、売却に伴う諸費用の総額を110万円と仮定した場合、簡易的な手取り額は次のとおりです。

3,000万円-110万円-1,500万円=1,390万円

ただし、110万円の中に含めていない場合は、次の費用も差し引く必要があります。

  • 引っ越し費用
  • 住宅ローンの一括返済手数料
  • 抵当権抹消の登録免許税
  • 司法書士報酬
  • 家財処分費用

税務上の譲渡所得を計算するとき、住宅ローン残高を取得費や譲渡費用として差し引くことはできません。

しかし、売却代金から住宅ローンを完済する場合、ローン返済額は実際の手取り額に大きく影響します。

住宅ローン残高がある場合の確認手順は、住宅ローンが残っている家は売れる?残債がある家を売る方法と注意点で解説しています。

住み替えでは3,000万円控除と住宅ローン控除の併用に注意する

現在の自宅を売って新しい住宅へ住み替える場合は、3,000万円特別控除と新居の住宅ローン控除のどちらを利用するか確認が必要です。

新居へ入居した年、その前2年または後3年以内に、旧居の売却で3,000万円特別控除など一定の譲渡所得の特例を適用すると、原則として新居の住宅ローン控除を受けられません。

たとえば、2026年に新居へ入居する場合、2024年から2029年までの間に旧居の売却について3,000万円特別控除などを適用すると、住宅ローン控除を受けられない可能性があります。

2026年に新居へ入居した場合の3,000万円特別控除と住宅ローン控除の併用制限期間

3,000万円特別控除を利用した方が必ず有利になるわけではありません。

譲渡所得が少ない場合は、3,000万円特別控除による節税額より、新居の住宅ローン控除による控除額の方が大きくなる可能性があります。

次の情報を整理し、両方の控除額を比較してから判断しましょう。

  • 売却する家の譲渡所得
  • 3,000万円特別控除によって減る税額
  • 新居の住宅ローン残高
  • 新居の住宅ローン控除の対象期間と控除見込額
  • 旧居の売却時期
  • 新居へ入居する時期

参考:国税庁「マイホームを持ったとき」

家を売却したら確定申告は必要?

家を売却したときに確定申告が必要かどうかは、譲渡所得と利用する特例によって変わります。

売却結果・利用する特例確定申告
譲渡所得があり、税金が発生する原則として必要
3,000万円特別控除を利用する控除後に税金が0円でも必要
所有期間10年超の軽減税率を利用する必要
通常の計算で譲渡損失が出た売却だけを理由とする申告は原則不要
譲渡損失の損益通算・繰越控除を利用する必要
家を売却した後に確定申告が必要かを判断するフローチャート

確定申告の期間は、原則として家を売却した年の翌年2月16日から3月15日までです。期限が土曜日、日曜日、祝日などに当たる場合は、原則として翌開庁日が期限になります。

2026年中に売却した場合の申告期間は、原則として2027年2月16日から3月15日までです。

譲渡所得が発生した人は、給与所得者で会社の年末調整を受けていても確定申告が必要です。

参考:国税庁「譲渡所得の申告期限」

売却損が出ても確定申告を検討した方がよい場合がある

土地や建物の通常の譲渡損失は、原則として給与所得などと相殺できません。

ただし、一定のマイホームについては、次の特例を利用できる可能性があります。

  • マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除
  • 住宅ローンが残っているマイホームを売却し、売却価格がローン残高を下回った場合の譲渡損失の損益通算・繰越控除

要件を満たせば、譲渡損失を給与所得などと損益通算し、控除しきれなかった損失を翌年以後3年間繰り越せる場合があります。

2026年度税制改正により、これらの特例の適用期限は2027年12月31日まで延長されました。

参考:国税庁「令和8年度 譲渡所得関係の税制改正のあらまし」

それぞれ所有期間、住宅ローン残高、買い換え先の住宅、所得金額などに条件があります。

売却損が大きい場合は、申告不要と自己判断せず、利用できる特例がないか税務署や税理士へ確認しましょう。

確定申告に備えて保管しておきたい書類

家の売却を検討し始めたら、次の書類を探しておきましょう。

  • 売却した家を購入したときの売買契約書
  • 建物を新築したときの工事請負契約書
  • 購入時の仲介手数料や登記費用の領収書
  • 不動産取得税や印紙税の支払い記録
  • リフォーム・増改築工事の契約書や領収書
  • 売却時の売買契約書
  • 売却時の仲介手数料の領収書
  • 測量費や解体費などの領収書
  • 登記事項証明書または不動産番号が分かる資料
  • 住宅ローンの残高証明書
  • 売却代金や経費の入出金が分かる通帳
  • 戸籍の附票など、過去の住所を確認できる書類

必要書類は、利用する特例や売却した不動産の状況によって異なります。登記事項証明書については、不動産番号の記載などによって添付を省略できる場合もあります。

特に購入時の売買契約書は、取得費を確認するための重要な資料です。

取得費が分からず売却金額の5%で計算すると、課税譲渡所得が大きくなる可能性があります。必要に応じて、売却を依頼する不動産会社だけでなく、税務署や税理士にも早めに相談しましょう。

売却前に税金と手取り額を確認する7つの手順

家を売却するときは、次の順番で確認すると資金計画を立てやすくなります。

  1. 住宅ローン残高を確認する
  2. 購入時の売買契約書や領収書を探す
  3. 複数の不動産会社から査定を受ける
  4. 収入金額、取得費、譲渡費用から譲渡所得を試算する
  5. 3,000万円特別控除などの適用条件を確認する
  6. 税金・売却費用・ローン返済額を差し引いて手取り額を計算する
  7. 税務が複雑な場合は税務署や税理士へ相談する

まだ売却価格が分からなければ、正確な税金や手取り額は計算できません。

ただし、不動産会社によって査定額や得意な物件、販売方法は異なります。最初から1社に絞らず、複数社の査定内容を比較する方法があります。

一括査定サービスの対応エリアや依頼できる会社数などは、不動産一括査定サイト5社を比較|おすすめはどこ?物件・目的別の選び方で整理しています。

査定を依頼したからといって、その会社と媒介契約を結ぶ必要はありません。

まずは自宅がいくらで売れそうかを確認し、税金と手取り額を試算するための材料にしましょう。

家を売却する全体の手順は、家を売る流れを8ステップで解説|準備から査定・契約・引き渡しまでで確認できます。

家の売却と税金に関するよくある質問

Q
家を3,000万円で売却したら税金はいくらですか?
A

売却価格だけでは税額を計算できません。

収入金額から取得費、譲渡費用、利用できる特別控除を差し引き、残った課税譲渡所得に税率をかけます。

3,000万円特別控除の条件を満たし、控除前の譲渡所得が3,000万円以下なら、譲渡所得に対する所得税・復興特別所得税・住民税は0円になる可能性があります。

ただし、印紙税や抵当権抹消登記の登録免許税などは別に発生します。

Q
購入価格より高く売れたら必ず税金がかかりますか?
A

必ずかかるわけではありません。

収入金額から減価償却後の取得費と譲渡費用を差し引き、さらに3,000万円特別控除などを適用した後も課税譲渡所得が残った場合に税金がかかります。

反対に、購入価格より安く売っても、建物の減価償却や取得費不明などによって譲渡所得が発生することがあります。

Q
仲介手数料は税金の計算で差し引けますか?
A

売却するために不動産会社へ支払った仲介手数料は、原則として譲渡費用に含められます。

購入時に支払った仲介手数料は、原則として取得費に含めます。

Q
リフォーム費用は譲渡費用になりますか?
A

通常の修繕、清掃、維持管理の費用は、原則として譲渡費用にはなりません。

建物の価値を高める改良工事に該当する場合は、取得費に含められる可能性があります。

工事内容によって判断が異なるため、契約書、見積書、工事内容が分かる資料、領収書を保管しておきましょう。

Q
住宅ローン残高は譲渡所得から差し引けますか?
A

住宅ローンの元本返済額は、取得費や譲渡費用として差し引けません。

ただし、売却代金から住宅ローンを返済する場合は、最終的な手取り額から差し引く必要があります。

Q
3,000万円特別控除を使って税金が0円でも確定申告は必要ですか?
A

必要です。

3,000万円特別控除は、自動的に適用される制度ではありません。必要書類を添えて確定申告をしなければ、原則として適用を受けられません。

Q
売却損が出た場合も確定申告が必要ですか?
A

通常の譲渡損失だけで、ほかに確定申告をする必要がなければ、売却したことだけを理由とする確定申告は原則不要です。

ただし、一定のマイホームには譲渡損失の損益通算や繰越控除の特例があります。特例を利用する場合は確定申告が必要です。

Q
3,000万円特別控除と新居の住宅ローン控除は併用できますか?
A

一定期間内は原則として併用できません。

新居へ入居した年、その前2年または後3年以内に、旧居の売却で3,000万円特別控除などを利用すると、住宅ローン控除を受けられません。

住み替えでは、両方の控除による節税額を比較して判断しましょう。

まとめ|税金だけでなく売却後の手取り額まで確認しよう

家の売却で所得税や住民税がかかるのは、売却価格全体ではありません。

収入金額から取得費や譲渡費用を差し引き、さらに特別控除を適用した後の課税譲渡所得をもとに計算します。

一定のマイホームなら、所有期間に関係なく最高3,000万円の特別控除を利用できる可能性があります。

一方で、次の点には注意が必要です。

  • 建物の取得費は減価償却後の金額になる
  • 取得費が分からないと売却金額の5%で計算することがある
  • 3,000万円特別控除を使うには確定申告が必要
  • 住み替え先の住宅ローン控除と一定期間は併用できない
  • 住宅ローン返済額は税務上の取得費や譲渡費用にならない
  • 税務上の譲渡所得と実際の手取り額は異なる
  • 共有名義では共有者ごとに適用条件を確認する必要がある

税金と手取り額を計算するには、まず自宅がいくらで売れそうかを把握する必要があります。

売却価格がまだ分からない場合は、複数の不動産会社から査定を受け、査定額の根拠や販売計画を比較するところから始めましょう。

売却価格がまだ分からない場合は、複数の不動産会社から査定を受け、査定額の根拠や販売計画を比較するところから始めましょう。どのサービスを利用するか迷う場合は「不動産一括査定サイト5社を比較|おすすめはどこ?物件・目的別の選び方」で違いを整理しています。

査定から不動産会社選び、売買契約、引き渡しまでの全体の手順は「家を売る流れを8ステップで解説」で確認できます。

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