「住み替えたいけれど、今の家を売るのと新居を買うのはどちらが先?」
「住宅ローンが残っていても、次の家を買えるのだろうか」
40代で住み替えを考えると、新居への期待がある一方、今の家の売却や住宅ローン、教育費、老後資金など、お金の不安も出てきます。
住み替えで最初に行いたいのは、新居探しではありません。
現在の住宅ローン残高と家の売却見込額を確認し、売却後に手元へいくら残りそうかを把握することです。
僕はこれまでに中古住宅を3回購入し、築30年以上の中古マンションを2回売却しました。
この記事では、その経験も踏まえて、住み替えの流れ、売却先行・購入先行の違い、住宅ローンや費用の考え方を解説します。
※住宅ローンの商品条件や税制の適用要件は、金融機関、物件、契約・入居・売却の時期などによって異なります。実際に手続きを進める際は、金融機関、税務署、税理士などへご確認ください。
住み替えは新居探しより先に資金を確認する
住み替えを考えると、つい新居探しから始めたくなります。
ただし、今の家に住宅ローンが残っている場合は、先に次の3つを確認しておくことが大切です。
- 現在の住宅ローン残高
- 今の家の売却見込額
- ローンや売却費用を差し引いた後の手取り見込額
この3つが分かれば、売却先行と購入先行のどちらが進めやすいか、新居にいくらまでかけられるかを考えやすくなります。
特に40代の住み替えでは、教育費や老後資金も残しておかなければなりません。
「次にいくらの家を買えるか」を考える前に、まずは「今の家を売ったあとにいくら残るか」を数字にしてみましょう。
住み替えで最初に確認する3つのこと

住み替えでは、売却と購入を別々に考えると資金計画が合わなくなる可能性があります。
最初に、住宅ローン残高、家の売却見込額、住み替え後に残したいお金の3つを確認しましょう。
1.現在の住宅ローン残高
まず、金融機関の会員ページや返済予定表、残高証明書などで、現在の住宅ローン残高を確認します。
住宅ローンが残っている家を通常の方法で売却する場合は、一般的に決済日に売却代金や自己資金でローンを完済し、抵当権抹消登記と買主への所有権移転登記を連続して進めます。
そのため、売却代金などで住宅ローンを完済できるかどうかが、住み替えを判断するうえで重要になります。
確認するのは、現在の残高だけではありません。
これらも金融機関へ確認しておくと、必要な金額を計算しやすくなります。
住宅ローンが残っている家を売る条件や、売却代金だけでは完済できない場合の対応は、住宅ローンが残っている家は売れる?残債がある家を売る方法と注意点で詳しく解説しています。
2.現在の家がいくらで売れそうか
次に、周辺の成約相場を調べ、不動産会社へ査定を依頼します。
ただし、査定額は実際の成約価格を保証するものではありません。不動産会社によって査定の根拠や得意な物件が異なるため、1社だけで判断せず、複数社の査定額とその根拠を比べることが大切です。
査定は、すぐに売却を決めるためだけの手続きではありません。「今の家を売った場合、住み替えが家計上可能か」を判断するための材料にもなります。
査定の依頼先を探す場合は、不動産一括査定サイト5社を比較|おすすめはどこ?物件・目的別の選び方を参考にしてください。
3.住み替え後の生活にいくら残したいか
住み替えでは、売却価格から住宅ローン残高を引いた全額を新居へ使えるわけではありません。
売却後の手取り見込額は、次のように考えます。
売却後の手取り見込額
=売却見込額-住宅ローンの完済に必要な金額-売却費用-売却に伴う所得税・復興特別所得税・住民税等の見込額
ここで差し引く住宅ローンの返済額は、手元資金を計算するための項目です。住宅ローンの元本返済額そのものが、税務上の譲渡費用になるわけではありません。
売却に伴う所得税などは必ず発生するわけではありません。譲渡所得が生じる場合や税制上の特例を利用する場合は、事前に税額と申告の要否を確認しましょう。
所得税や住民税は、原則として売却代金の決済日に支払うものではありません。売却した翌年以降に納付するため、その分も手元に残しておく必要があります。
さらに、仮住まい代、引っ越し代、新居の購入諸費用を用意し、教育費や病気、収入減少に備える生活防衛資金も残します。
新居へ回せる自己資金の目安は、次の式で整理できます。
新居へ回せる自己資金の目安
=売却後の手取り見込額+追加する自己資金-仮住まい・引っ越し費用-残しておく生活防衛資金-入居後の予備費
売却にかかる費用は家の売却にかかる費用はいくら?手取り額の計算方法と費用一覧、税金は家を売却したときの税金はいくら?3,000万円控除と確定申告を解説で確認できます。
住み替えには「売却先行」と「購入先行」がある
住み替えの進め方は、今の家を先に売る「売却先行」と、新居を先に買う「購入先行」に大きく分けられます。
どちらが適しているかは、住宅ローン残高、自己資金、住み替え期限、希望する新居の見つかりやすさによって変わります。
売却先行とは
売却先行は、今の家を売ってから新居を購入する方法です。
売却価格と手元に残る資金が確定してから新居予算を決められるため、資金計画を立てやすいのがメリットです。
今の住宅ローンを完済してから次のローンを組めば、二重ローンも避けやすくなります。
一方、旧居の引き渡しまでに新居が決まらなければ、仮住まいが必要です。
賃貸住宅の初期費用や家賃に加え、引っ越しが2回になる可能性もあります。
購入先行とは
購入先行は、新居を購入してから今の家を売る方法です。
新居をじっくり探しやすく、旧居から直接引っ越せれば仮住まいも避けられます。
ただし、今の住宅ローンが残っている状態で新しいローンを組めるか、金融機関の審査を受ける必要があります。
売却が遅れると、一定期間は2本の住宅ローンと旧居の維持費を負担する可能性があります。
新居の決済期限に間に合わせるため、今の家の売却を急ぐ状況にも注意が必要です。
売却先行と購入先行を比較
| 比較項目 | 売却先行 | 購入先行 |
|---|---|---|
| 資金計画 | 売却後の手取り額が分かるため立てやすい | 売却価格が決まるまで不確定になりやすい |
| 新居探し | 引き渡し期限によって時間制約が出る | 比較的じっくり探しやすい |
| 仮住まい | 必要になる場合がある | 旧居から直接移れれば避けやすい |
| 二重ローン | 避けやすい | 発生する可能性がある |
| 売却の進め方 | 購入先行より売却期限に追われにくい | 新居の決済に合わせて期限が生じやすい |
| 向いている人 | 売却代金を新居購入に使う人 | 自己資金と返済余力がある人 |

三井住友銀行も、住み替えを「物件の売却から始める方法」と「物件の購入から始める方法」に分けています。
売却先行は資金計画を立てやすい一方で、仮住まい費用が必要になる場合があります。購入先行では、今の家に住宅ローンが残っていると二重ローンの期間が生じる可能性があります。
40代・住宅ローンありならどちらを選ぶ?
今の家の売却代金を新居購入へ使う予定で、住宅ローンも残っているなら、売却先行を軸に検討すると資金計画を立てやすくなります。
ただし、子どもの入学や転勤などで入居期限が決まっている場合や、希望地域の物件が少ない場合は、購入先行の方が動きやすいこともあります。
購入先行を選ぶなら、現在の家が想定より低い価格で売れた場合と、売却に時間がかかった場合の両方を試算してください。
数か月間の二重返済と旧居の維持費を負担できない計画なら、購入価格を下げるか、売却先行へ切り替えることも検討しましょう。
売却と購入の決済日を合わせて仮住まいを避ける方法もありますが、買主、売主、不動産会社、司法書士、金融機関などの調整が必要です。
最初から同日決済だけを前提にせず、日程がずれた場合の予備費も用意しておきましょう。
住み替えの流れを7ステップで確認する
住み替えでは、売却と購入を相互に調整しながら進めます。全体像を7つのステップに分けて確認しましょう。

STEP1 住み替える理由と条件を整理する
最初に、「なぜ住み替えたいのか」「いつまでに住み替えたいのか」を家族で整理します。
新居の条件をすべて必須にすると予算が膨らみます。
次の項目を「必須」「できれば」「不要」に分けると、優先順位が見えやすくなります。
「今の家で困っていること」と「新居で改善したいこと」を対応させると、住み替えの目的から外れた条件に予算を使いすぎるのを防ぎやすくなります。
STEP2 住宅ローン残高を確認する
現在の住宅ローン残高と、売却時の一括返済に必要な金額を確認します。
残高が分からないまま新居予算を決めると、売却後に資金不足が判明する可能性があります。
ペアローンや連帯債務を利用している場合は、契約ごとの残高に加え、債務者、物件の所有名義、持分も確認してください。
売却代金で完済できない可能性がある場合は、自己資金で補えるか、住み替えローンを利用できるかを早めに金融機関へ相談します。
詳しい判断手順は、住宅ローンが残っている家を売る方法と注意点で解説しています。
STEP3 現在の家を査定する
住宅ローン残高を確認したら、今の家がいくらで売れそうかを調べます。
不動産会社の査定額には差が出るため、複数社へ同じ条件で依頼し、査定額だけでなく、根拠となる成約事例や販売計画も確認しましょう。
この段階の査定は、「売ると決めたから依頼する」のではなく、「住み替えが家計上可能かを判断するために依頼する」と考えるとよいでしょう。
複数の査定サービスを目的別に比べたい方は、不動産一括査定サイト5社の比較記事を確認してください。
STEP4 売却先行・購入先行を決める
住宅ローン残高、査定額、自己資金が分かったら、売却先行と購入先行のどちらで進めるか決めます。
判断するときは、査定額どおりに売れる前提ではなく、価格が下がった場合も計算します。売却見込額を複数のケースに分け、手元資金と毎月返済額がどう変わるか確認してください。
購入先行を希望する場合は、新旧2本の住宅ローンを返済できるかだけでなく、新しいローンの審査を通過できるかも事前に金融機関へ相談します。
STEP5 今の家の売却と新居探しを進める
売却では、不動産会社を選んで媒介契約を結び、売り出し価格と販売方針を決めます。その後、広告、内覧、条件交渉、売買契約へ進みます。
住み替えでは、売却を担当する不動産会社と購入を担当する不動産会社へ希望時期を共有し、決済日と引き渡し日の調整まで見通しておくことが大切です。
売却手続きの全体像は家を売る流れを8ステップで解説、依頼先の選び方は家を売る不動産会社の選び方で確認できます。
媒介契約で迷う場合は、一般・専任・専属専任媒介の違いと選び方も参考にしてください。
STEP6 新居の住宅ローンを決める
新居の住宅ローンは、借入額、金利、返済期間、諸費用、団体信用生命保険の内容を比較します。
40歳で35年返済を組むと、完済予定は75歳です。
借入時の年齢が上がれば完済予定年齢も上がりますが、金融機関ごとに完済時年齢や借入期間の上限が定められているため、希望する期間で借りられるとは限りません。
「金融機関から借りられる金額」ではなく、教育費や老後資金を準備しながら返せる金額を基準にしましょう。
変動金利を選ぶ場合は、金利が上がったときにも家計が耐えられるかを確認します。
固定金利と比べるときは、当初の金利だけでなく、毎月返済額、総返済額、手数料、団信の保障内容まで確認してください。
40代の予算と物件選びは40代で中古住宅を購入するには?予算・ローン・物件選びを解説、住宅ローンの比較方法は住宅ローン比較はどうやる?新規借入で失敗しないための比較ポイントと進め方で解説しています。
STEP7 売却・購入の決済と引っ越しを行う
旧居の決済では、買主から残代金を受け取り、売却代金や自己資金で住宅ローンを完済します。
そのうえで、抵当権抹消登記と買主への所有権移転登記に必要な手続きを進め、鍵を引き渡します。
新居の決済では、残代金の支払い、住宅ローンの実行、所有権移転登記や抵当権設定登記、鍵の受け取りを行います。
売却と購入の決済日が近い場合は、必要書類、金融機関の手続き、引っ越し業者の手配を早めに確認してください。
住民票や印鑑証明書などは、提出先から発行後の有効期間を指定されることがあります。
不動産会社、金融機関、司法書士の案内に従って取得しましょう。
家を売って課税される譲渡所得が生じた場合や、3,000万円特別控除などの特例を利用する場合は、原則として確定申告が必要です。
売買契約書、購入時の契約書、仲介手数料の領収書、リフォームや取得にかかった費用の資料などは保管しておきましょう。
住宅ローンが残っていても住み替えできる?
住宅ローンが残っていても住み替えはできます。
ただし、通常の売却では、今の家の決済時に住宅ローンを完済し、抵当権抹消登記に必要な手続きを進められる資金計画が必要です。
売却代金で住宅ローンを完済できる場合
家の売却代金が住宅ローン残高を上回る状態は、一般にアンダーローンと呼ばれます。
ただし、売却価格がローン残高を上回っていても、仲介手数料などの売却費用を差し引くと、自己資金が必要になる場合があります。
「売却価格」と「ローン残高」だけでなく、売却費用を含めた手取り見込額で判断してください。
売却しても住宅ローンが残る場合
家の売却代金だけでは住宅ローンを完済できない状態は、一般にオーバーローンと呼ばれます。
不足分を預貯金などで補い、住宅ローンを完済できれば通常の売却を進められます。
自己資金で補えない場合は、「売り出し価格を上げれば解決する」と考えず、金融機関や不動産会社へ早めに相談してください。
売り出し価格を高く設定しても、その金額で成約するとは限りません。
住み替えローンという選択肢もある
金融機関によっては、旧居を売っても残る住宅ローンと、新居の購入資金をまとめて借りられる住み替えローンを扱っています。
ただし、借入額が大きくなりやすく、審査条件も金融機関によって異なります。
利用できるかどうかだけでなく、住み替え後も返済を続けられるかを慎重に判断する必要があります。
また、商品によっては、旧居の売却決済と新居の購入決済を同じ日に行うことなどが条件になります。
売却と購入の日程が固まる前に、金融機関へ相談しておきましょう。
アンダーローン・オーバーローンの判断方法、自己資金や住み替えローンによる対応は、住宅ローンが残っている家を売る方法で詳しく解説しています。
住み替えに必要なお金を整理する
住み替えには、今の家を売る費用と新居を買う費用の両方がかかります。
売買代金だけで資金計画を作らず、次の5項目を見積もりましょう。

今の家を売るための費用
家の売却では、仲介手数料、売買契約書の印紙税、抵当権抹消登記にかかる登録免許税や司法書士報酬、住宅ローンの一括返済手数料などが発生する場合があります。
戸建てでは、売却条件によって測量費や解体費などが必要になることもあります。
費用は物件や契約によって異なります。
項目別の計算方法は家の売却にかかる費用はいくら?手取り額の計算方法と費用一覧で確認してください。
新しい家を買うための費用
新居の購入では、物件代金のほかに、仲介手数料、登記費用、住宅ローンの手数料、火災保険料、地震保険へ加入する場合の保険料、不動産取得税などを見込みます。
中古住宅をリフォームする場合は、購入費用と工事費を別々に判断せず、住み始めるまでにかかる総額で予算を考えましょう。
築年数が経った住宅では、入居後に必要となる修繕費も予備費として残しておくと安心です。
仮住まい・引っ越し費用
売却先行で新居への入居が間に合わない場合は、仮住まいの初期費用、家賃、荷物の保管料などがかかります。
旧居から仮住まい、仮住まいから新居へ移る場合は、引っ越し費用も2回分必要です。
売却と購入の日程を調整できた場合でも、決済や引き渡しの延期に備えて予備費を用意しておきましょう。
税金
土地や建物を売ったときの譲渡所得は、次の式で計算します。
譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)
建物の取得費は、購入代金などから所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。
さらに、適用できる特別控除がある場合は、譲渡所得から特別控除額を差し引いて課税譲渡所得を求めます。
一定の要件を満たす自宅の売却では、譲渡所得から最高3,000万円を控除する特例があります。
ただし、適用には要件があり、特例を利用する場合は確定申告が必要です。
また、住み替えでは、旧居の売却に使う特例と、新居の住宅ローン控除の組み合わせに注意が必要です。
国税庁は、新居へ入居した年、その前2年または後3年以内に、旧居の売却について3,000万円特別控除や買換え特例などを適用した場合、原則として新居の住宅ローン控除を受けられないと案内しています。
一方、一定の要件を満たすマイホームの譲渡損失の損益通算・繰越控除については、住宅ローン控除と併用できる場合があります。
有利な制度は、売却益または売却損、新居の借入額、入居・売却の時期、所得などによって変わります。契約や確定申告の前に、税務署や税理士へ確認してください。
参考:
住み替え時の税金と住宅ローン控除の注意点は、家を売却したときの税金はいくら?3,000万円控除と確定申告を解説で詳しく解説しています。
手元に残しておく生活資金
住み替えで自己資金を使い切ると、入居後の修繕、家電の故障、車の買い替え、教育費などに対応できません。
住み替え後も一定期間の生活費を残し、さらに新居で近いうちに必要となる支出を一覧にします。
必要な金額は家族構成や収入の安定性によって異なります。
一般的な目安だけで決めず、わが家に必要な金額を基準にしましょう。
40代の住み替えで注意したい5つのこと
40代の住み替えでは、新居の満足度だけでなく、教育費や老後資金を含めた家計全体で判断する必要があります。

1.住宅ローンを借りられるだけ借りない
住宅ローンの審査で認められる金額と、家計が無理なく返せる金額は同じではありません。
現在の生活費、教育費、保険料、車の維持費、老後の積立などを考慮し、毎月いくらなら返済を続けられるかを先に決めます。
ボーナス返済を前提にしすぎず、金利や収入が変化した場合も試算しておきましょう。
2.教育費を住宅購入資金に使いすぎない
40代の子育て世帯では、高校・大学の進学費用が近づいている場合があります。
頭金を増やせば住宅ローンは減りますが、近いうちに必要となる教育費まで使うと、入学時に教育ローンや奨学金などへ頼ることになりかねません。
使う予定の時期が近いお金は、新居資金と分けて管理しましょう。
3.老後まで住宅ローンを残しすぎない
返済期間を長くすると毎月返済額は下がりますが、定年後も返済が続く可能性があります。
完済予定年齢、退職時点の予想残高、年金生活に入った後の返済額を確認しましょう。
繰り上げ返済を予定する場合も、「将来必ず実行できる」とは考えず、実行できなかった場合の家計も試算しておくことが大切です。
4.今の家が高く売れる前提で新居予算を組まない
査定額は売却を保証する価格ではありません。売却までの期間や買主との交渉によって、成約価格は変わります。
査定額が高いケースだけでなく、想定より価格が下がったケースでも、新居購入とその後の生活を維持できるか確認してください。
5.住み替え後の固定費まで計算する
比較するのは、住宅ローンの返済額だけではありません。
マンションなら管理費、修繕積立金、駐車場代、戸建てなら将来の外壁、屋根、給湯器などの修繕費を見込みます。
固定資産税、火災・地震保険料、通勤交通費、車の必要性、光熱費も、住み替えによって変わる可能性があります。
物件価格が予算内でも、住み替え後の毎月支出が増えるなら、家計への負担は重くなります。
住み替えでよくある5つの失敗
住み替えの失敗は、売却と購入のどちらか一方だけを見て進めたときに起こりやすくなります。
1.新居を先に決めて売却を急ぐ
新居の決済日が決まってから売却を始めると、「期限までに売らなければならない」という状況になりやすくなります。
購入先行を選ぶ場合も、新居の契約前に査定を受け、売却が長引いた場合の二重返済額と旧居の維持費を計算してください。
2.査定額を売却価格だと思う
最も高い査定額を提示した会社へ依頼しても、その金額で売れるとは限りません。
査定額の根拠、近隣の成約事例、想定する買主、販売期間、価格を見直す時期と判断基準まで確認しましょう。
不動産会社の比較方法は、査定額だけで決めない不動産会社の選び方で解説しています。
3.売却費用を計算していない
「売却価格-住宅ローン残高」をそのまま新居の頭金にすると、仲介手数料や抵当権抹消登記の費用などを支払う段階で、資金が足りなくなる可能性があります。
売却前に手取り見込額を計算し、購入費用とは別に売却費用を確保してください。
4.仮住まい費用を考えていない
売却先行では、旧居の引き渡しまでに新居が決まらないことがあります。
仮住まいの家賃だけでなく、敷金・礼金、仲介手数料、保証料、荷物の保管料、2回分の引っ越し代まで見積もりましょう。
5.次の住宅ローンを借りすぎる
「今の家より広くしたい」「せっかく住み替えるなら設備もよい家にしたい」と条件を足すほど、新居価格は上がります。
住み替えの目的に直接関係しない条件は見直し、完済年齢と住み替え後の固定費まで含めて借入額を決めてください。
我が家が住宅の購入・売却で感じたこと

僕は中古住宅を3回購入し、築30年以上の中古マンションを2回売却しました。
ここでは、その経験から住み替えを考える方へ伝えたいことを3つ紹介します。
家を売ってから分かったこと
売却した2軒は、1軒目が購入価格より300万円、2軒目が200万円高い価格で成約しました。
ただし、この差額がそのまま利益になったわけではありません。
購入時と売却時には仲介手数料などの諸費用がかかり、保有中には管理費、修繕積立金、固定資産税、リフォーム費用なども支払っています。
また、家計上の収支と税務上の譲渡所得は同じではありません。
住み替えの資金計画では、「購入時より高く売れたか」だけでなく、「住宅ローンと売却費用などを支払ったあとに、いくら残るか」を見る必要があります。
実際に売却した物件の条件や、内覧・販売で行ったことは、築30年マンションは売れない?2軒を購入価格より高く売却した体験談で紹介しています。
次の家を買うときに考えたいこと
同じエリアや近い条件で比べた場合、中古住宅は新築より購入価格を抑えられることがあります。
一方で、築年数や状態によっては、リフォームや修繕にまとまったお金がかかります。
物件価格だけで予算を使い切らず、購入諸費用、入居前の工事、入居後に必要となりそうな修繕まで含めて比較することが欠かせません。
住宅ローン返済を抑えられても、修繕費や毎月の固定費が増えれば、家計が楽になるとは限らないからです。
40代なら「家」だけでなく家計全体を見る
40代の住み替えでは、子どもの成長、働ける期間、老後までの年数を同時に考える必要があります。
理想の家を探すことは楽しいものです。
ただ、住み替え後に教育費や老後資金が不足すれば、新しい家での生活を心から楽しめません。
今の家を売ったあとに残るお金と、毎月無理なく返せる金額を確認してから新居を探す。
この順番なら、物件の魅力だけに引っ張られず、家計に合った判断がしやすくなります。
住み替えを考えたら最初にやること
住み替えを検討し始めたら、次の4つを順番に行いましょう。
- 金融機関の会員ページや返済予定表で住宅ローン残高を確認する
- 複数の不動産会社へ査定を依頼し、今の家の売却見込額を確認する
- ローン完済額、売却費用、税金の見込額を差し引いて手取り見込額を計算する
- 手元に残す生活資金を決めてから新居予算を設定する
査定を受けても、その場で売却を決める必要はありません。まずは今の家の価値を知り、住み替えが可能かを判断する材料にしてください。
不動産一括査定サイトごとの特徴、連絡方法、向いている物件は、不動産一括査定サイト5社の比較記事で確認できます。
イエウールで現在の家がいくらで売れそうか確認する
売却後の資金と新居予算が見えてきたら、住宅ローンも1社だけで決めず、金利、諸費用、団信、完済予定年齢などを比較しましょう。
住み替えについてよくある質問
- Q住み替えは売却と購入のどちらを先にした方がいい?
- A
今の家の売却代金を新居購入へ使う場合や、住宅ローンが残っていて二重返済を避けたい場合は、売却先行の方が資金計画を立てやすくなります。
自己資金と返済余力があり、希望する新居が見つかりにくい場合は、購入先行も選択肢です。
- Q住宅ローンが残っていても住み替えできる?
- A
住宅ローンが残っていても住み替えはできます。
ただし、通常の売却では、旧居の決済時に売却代金や自己資金でローンを完済し、抵当権抹消登記に必要な手続きを進められることが必要です。
売却代金や自己資金で完済できない場合は、住み替えローンなどを金融機関へ相談します。
- Q今の家が売れなかったらどうなる?
- A
購入先行では、売却が完了するまで二重ローンや旧居の維持費が続く可能性があります。
売却先行では、新居購入の時期を後ろへずらすか、仮住まい期間が長くなる可能性があります。
売り出す前に、想定する販売期間と価格見直しの時期・基準を不動産会社と決めておきましょう。
- Q住み替えにはいくら費用がかかる?
- A
一律の金額ではありません。
旧居の売却費用、新居の購入諸費用、引っ越し代、必要に応じて仮住まい費用やリフォーム費用などがかかります。
売却費用と購入費用を分けて見積もり、さらに予備費を残してください。
- Q仮住まいをせずに住み替えることはできる?
- A
売却と購入の引き渡し日を調整できれば、仮住まいを避けられる場合があります。
ただし、買主、売主、不動産会社、金融機関などとの調整が必要で、必ず実現できるとは限りません。
引き渡し猶予を交渉できる場合もありますが、口約束ではなく、売買契約の条件として明確にする必要があります。
- Q40代でも住宅ローンを組んで住み替えできる?
- A
40代でも、金融機関の審査基準を満たせば住宅ローンを利用して住み替えることは可能です。
審査では年齢だけでなく、収入、返済負担、既存の借入、返済期間、物件の担保評価、健康状態や団信への加入可否などが確認されます。
完済予定年齢と退職後の返済まで見込み、無理なく返せる借入額を決めてください。
まとめ|住み替えは「今の家の価値」を確認するところから始める
住み替えは、新居探しから始めるのではなく、今の家を売ったあとにいくら残るかを確認するところから始めます。
進める順番は次のとおりです。
- 住み替える理由と条件を整理する
- 住宅ローン残高を確認する
- 今の家を査定する
- 売却先行・購入先行を決める
- 今の家の売却と新居探しを進める
- 新居の住宅ローンを決める
- 売却・購入の決済と引っ越しを行う
40代では、教育費、老後資金、完済予定年齢、住み替え後の固定費まで含めて判断する必要があります。
今の家が査定額どおりに売れる前提や、住宅ローンを借りられる上限額を基準に計画を作らないようにしましょう。
まずは住宅ローン残高を確認し、今の家がいくらで売れそうかを調べてください。
複数の査定サービスを比べる場合は、不動産一括査定サイト5社の特徴と選び方から、自分の物件と希望に合うサービスを確認できます。
