転職活動ではWeb面接が行われることも多く、対面面接に比べて雰囲気や人柄が伝わりにくいと感じる企業もあります。
そのため、応募者の価値観や行動特性を深く把握するために、過去の具体的な行動を質問する「行動面接」が行われることがあります。
STARは、そのような質問に分かりやすく答えるための代表的なフレームワークです。

STAR面接とは?(STAR法の基本)
STARは、状況(Situation)・課題(Task)・行動(Action)・結果(Result)の頭文字をとった言葉です。行動面接(Behavioral Interview)で自分の経験を分かりやすく伝えるためのフレームワークです。企業は行動面接を通じて、応募者が入社後に活躍できる人材かどうかを見極めようとします。
面接では、過去の経験をこの流れで整理して伝えることで、面接官に自分の考え方や行動のプロセスを理解してもらいやすくなります。
例えば、過去にどのような状況でどんな課題に取り組んだのか、どのような行動によってどんな結果を得られたのかなどについて質問されます。
面接官は回答内容を通じて、課題の捉え方や行動の一貫性、主体性、周囲との関わり方などを確認します。
Amazonなどの企業でも、行動面接でSTARの考え方に沿って回答を整理することが推奨されています。
採用側にとっては主に次のようなメリットがあります。
STAR法が使われる理由
行動面接では、過去の行動や経験が今後の働き方を理解する手がかりになるという考え方が重視されます。
履歴書や職務経歴書だけでは、応募者が実際にどのように課題に向き合い、どのような行動を取ってきたのかを十分に把握することは難しい場合があります。そこで、具体的な経験をもとに質問することで、応募者の思考プロセスや問題解決の方法、周囲との関わり方などをより具体的に理解しやすくなります。
STAR法は、状況・課題・行動・結果の順で経験を整理して伝えることができるため、面接官にとっても応募者の経験を比較しやすいという利点があります。
また、応募者にとっても自分の経験を整理しやすくなるため、伝えたい内容を分かりやすく説明できるようになるというメリットがあります。
STAR面接(STAR法)の特徴
行動面接では、過去の経験について具体的に質問されることがあります。
STARは、そのような質問に対する回答を整理するためのフレームワークです。
4つの視点の特徴について知っておくことで、面接官の質問や本質に沿った回答が可能となります。
状況(Situation)
Situationでは、自分がどのような状況や環境の中でその経験をしたのかを具体的に説明します。背景や前提条件が分かると、面接官もその後の課題や行動を理解しやすくなります。
前職ではどのような環境で働いていたのか、組織の体制はどうだったのかについて聞かれます。
これは、結果を出したときに状況によって、その結果を出す難易度は変わってくるからです。プロジェクトが立ち上がった背景や目的など、どのような状況で結果を出したのかを説明する必要があります。
課題(Task)
Taskでは、その状況の中で自分がどのような課題に向き合っていたのか、またどのような役割や責任を担っていたのかを説明します。
その際、その課題は与えられたものか、応募者自ら設定したものかを確認される可能性があります。
さらに、その課題の重要度にも着目されるでしょう。
ベンチャー企業への転職を考えているのであれば、自ら課題を見つけて行動できる人材が評価されることも多いといわれています。
行動(Action)
自身のスキルを活用し、どのように行動したかについて質問されます。
口だけで理想を語るのは簡単です。それを実際に行動に移せるのか、複数ある選択肢の中から適切な行動を選択することができるのかといった点をチェックされます。
Actionでは、課題に対して自分が実際にどのような判断をし、どのような行動をとったのかを具体的に説明します。
複数の選択肢があった場合は、なぜその方法を選んだのかまで伝えると、考え方がより分かりやすくなります。
選択しなかった行動についても、なぜ選択しなかったのかをはっきりさせておくと、深く掘り下げられたときに安心です。
結果(Result)
起こした行動によって、どのような結果が得られたのかについて聞かれます。
数字としての結果だけでなく、顧客にとってどのようにメリットがあったのかという視点でも答えると好印象です。
このように、STAR面接は4つの視点から前職での実績や行動について聞かれるのが大きな特徴といえます。
STAR面接に向けた事前準備
面接の内容を事前に知ることはできません。では、どのような準備をしてSTAR面接に臨めばよいのでしょうか。
行動面接では、問題解決力、リーダーシップ、対人調整力、プレッシャーのある場面での対応力などについて、過去の経験をもとに質問されることが多くあります。
そこで、まずは面接を受ける企業の仕事内容と求められるスキルを整理し、生じるであろう課題や、対処する可能性の高いトラブルについて書きだします。
さらに、面接先の業務で成功するために役立つであろう前職で培った強みについてリストアップしましょう。
経歴が浅く十分な強みが挙げられない場合は、学生時代のグループプロジェクトやインターンシップに遡って考えても構いません。
必ず4つの視点を意識し、面接先の業務に関連性の高い強みをアピールできるよう準備しておきましょう。

STAR面接の質問例
最後に、具体的な質問例と回答のポイントを紹介します。
質問はSituation、Task、Action、Resultの流れに沿って行われることが多いですが、実際の面接では順番が前後する場合もあります。
状況
「困難を乗り越えた経験を教えて下さい?」
「その時の目標はなんでしたか?その目標はあなたにとってどのくらい努力が必要なものでしたか?」
「そのチームの編成を教えてください」
状況について答える際には、不要な情報を入れないよう気を付けます。
その際、ポイントとなるのが困難を強調することです。チームリーダーやマネージャーなど自分の役職についての情報も入れるとよいでしょう。
課題
「その時の課題はなんでしたか?」
「課題についての周りのメンバーとの共通認識はどの程度でしたか?」
「課題に対してどのように自分のスキルや長所を生かしましたか?」
どのような課題だったのかを具体的に説明します。
能動的に見つけた課題であることをアピールするのがポイントです。
行動
「具体的に誰に対してどんなことをしましたか?」
「どのくらいの期間にどのくらいの頻度で行いましたか?」
「課題解決に向けてチームにどんなふうに働きかけましたか?」
ポイントは、どんなステップでどんな行動をとったのかをアピールすることです。
できるだけ具体的に説明することで、相手がその行動のよさを実感することができます。
チームが取り組んだこととして伝えるのではなく、あなた自身が行動したということをはっきり伝えましょう。
結果
「この課題に対する反省点や学びを教えて下さい?」
「その結果どうなりましたか?周囲からどんな言葉をかけられましたか?」
Resultでは、行動の結果としてどのような成果が出たのかを具体的に伝えます。
可能であれば数値を用いると分かりやすくなりますが、数値化が難しい場合は、周囲への影響や改善された点を具体的に説明するとよいでしょう。
よい結果が得られなかったとしても、そこから学んだことや改善するために工夫したことなどをアピールするのもひとつの方法です。
STAR面接を攻略して転職を成功させよう!
行動面接の目的は、単なる実績だけでなく、その行動に至った理由や考え方、取り組み方を確認し、入社後の活躍イメージを判断することにあります。
STARは、その経験を整理して伝えるために役立つフレームワークです。
突然の質問に困って返答できなかったということにならないよう、4つの視点から前職での実績や自分の強みについて整理しておくことで、自信をもって面接に臨むことができます。
自分の能力をアピールできるよう、事前に複数のエピソードを準備しておきましょう。

